固く結ばれた獣の顎門。
犬歯の隙間より、しゅうしゅうと音を立てて白い霧が吐き出される。
「・・・ふん、他愛もない」 暗闇に響くは、男の低い声。
「そのような腕前で余を出し抜こうなどとは、片腹痛いわ。
貴様のことは見逃してやる。帰って貴様の主へ伝えるがよい。
『ここを通して欲しくば、類い希な匠の技で作られた卵を差し出せ』
・・・とな」
第一幕
シーン1 熱い夕べ
4人のストームナイト、リック、メアリィ、シンバ、亮は、今やリビングランドと化したニューヨークまで仲間を迎えに行く途中、宝石店の主人から、ショーウィンドゥに残してきた家宝「ファベルジュの卵」を回収してきてくれと頼まれる。男はロシア人と日本人のハーフで、名前はロマノフ・オオサト。無事卵を手に入れたらフィラデルフィアにて受け渡しをする約束になっている。
メアリィの運転するジープで深い霧の中を進む一行。途中リックが、車体にメビウスマークの描かれたジープ(笑)を目撃するが、係わり合いになるのを避けて通過。
目的地へは殆ど迷わずに到着。しかし、前方に第一世代ゴスポグ12体を連れたエディーノスが立ちはだかる。
ラウンド進行:1ラウンド目
ゴスポグが殴りつけた衝撃でジープは横転(転倒K2)。4人は車外に投げ出されショックダメージを受ける。エディーノスはツタで4人を絡め取ろうと神に祈るが、シンバが仕掛けた〈間合い〉によって逆転負けさせられ、集中が途切れる。
ゴスポグ6体に向け、メアリィはマシンガン掃射。しかし出目が悪くて命中せず。リックの短剣も、ゴスポグの樹皮に阻まれ有効打とはならない。
2ラウンド目
「ヒーロー:疲労」。エディーノスの増援が現れる。一番手強そうなシンバへ攻撃するがかすりもしない。ゴスポグは非力な亮に襲い掛かる。
3ラウンド目
幸運にも「ヒーロー:活力」。俄然やる気を取り戻す4人。シンバはエディーノス2匹を一撃でノックアウトし、メアリィの銃が6体のゴスポグを粉砕。
亮:「メアリィさんの脚が、素早くなりますように!」
【ブレス】の奇跡を使う亮。だが宗教的対立が発生し、恩恵を受けるはずのメアリィは危うく負傷しそうになる(笑)。とはいえ概ね状況はヒーロー側有利。
その時・・・上空から高笑いと共にひとりの男が登場する!
4ラウンド目
二度目の「ヒーロー:疲労」。スタンダードシーンでこうなるのは珍しい。
ハンググライダーで舞い降りた男は、単眼鏡、金時計、上品なスーツに怪盗風のマントといったいでたち。彼はその場にストームナイトがいることを全く気にしていない。
GM/男:「んー、毎度の事ながらなんと華麗なのだ私は。これでまた、映画雑誌に私の特集記事が一つ増えてしまうな」
シンバ:「おまえ、だれだ?」
GM/男:「何と! 私を知らないと言うのか。ま、その身なりなら仕方ないかも知れんが」
リック:「野郎! 横取りする気か?」
- 盗賊のリックには、男がナイル帝国十総督のひとり、ミルトン・アブリー卿だと判る。
会話の隙に亮が人知を超えるスピードでダッシュし、ファベルジュの卵を回収。
亮:「メアリィさん、それ、持っててください」
5ラウンド目
「悪役:疲労」。エディーノスとゴスポグは既に全滅させられている。
メアリィ:「あんたなんかに卵は渡さないよ!」
- アブリー卿はメアリィを〈魅了〉する作戦に出る。そして間の悪いことに、彼女の場札には“ヒーロー失敗”が・・・。
GM/アブリー:「この私を前にしてその度胸。どうだ、私と一緒に来ないか?」
メアリィ:「え・・・いくらだい?」
一同:「何だってー!?」(笑)
GM/アブリー:「なぁに、その卵を持ってきてくれるだけでいい」
アブリー卿が指を鳴らすと、先刻のジープが走ってきて彼の前に停まる。
メアリィ:「あ、後のことは頼んだよ」(“緊急行動”交換)
リック:「ったく姉御は惚れっぽいんだから」(メアリィにタックルを掛け卵を奪おうとするが避けられる)
そして、呆然とする3人をよそに、ジープは走り去ってしまう。
→Act 1-2
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