TORG プレイレポート

『EDEN』

 ニッポンテックの罠にはまり、気を失ってその場に崩れ落ちる3人。ひとり難を逃れたセバスチャンにも、ただ成り行きに任せる以外の術は残されていなかった。
 何処に隠れていたのかと不思議に思うほど大勢の忍者が、地べたに転がる3人とセバスチャンを、馴れた手つきで縛り上げていく。どうやら忍者に薬物を注射されたらしく、3人はぴくりとも動かない。それを目の当たりにしながら、なおも悠然とした構えを崩さないセバスチャン。
「なかなかやるのう、若造。さて、1つ聞いてみたいことがあるのだが、我々をどこに連れて行ってくれるのかな?」
 大郷は慇懃な態度でゆっくりと答える。「楽園へと・・・」
 楽園・・・。口の中で繰り返すと、セバスチャンは軽く肩をすくめ、黒眼鏡の奥からジェシカをじっと見つめる。
 ジェシカがそれに気付いたかどうかは定かでない。しかし彼女は、飛行機へ乗り込むためにセバスチャンの脇を通り過ぎる瞬間、確かにこう呟いたのだった。
「ごめんなさい」――と。

 

第三幕

シーン1

知らぬ間に飛行機で移動させられている 途中でふたつほどリアリティを越えた感覚
着いたのは何処かわからない都市、4人とも同じ牢獄に入れられる
 当然装備は全て没収、ご丁寧にも手かせ足かせ(鉄球)付

 

4人が起きたところで足音
 槍を持った前近代的な服装の兵士を伴いジェシカと大郷が登場
 「あなた方が口を聞けるようなお相手ではない」
 「あなた方の利用価値はゼロ。従って本来生かしておくだけ無駄なのですが、ジェシカ様が
  寛大な処置をと望まれたので、このような部屋を用意したのですよ。
  お気に召しましたか?」
小箱を抱くジェシカ
 「不自由な思いをさせていることを申し訳なく思います。
  少しの間、ここで我慢していてください。あなた方がここにいてくださる間、
  私はやるべきことをやります。・・・この地に私と“これ”が戻ってきた以上」
セバス「何をなさる気かね?」
 「真の理想郷の実現を・・・。全ての世界の、全ての人間が平等に暮らせる世界を、
  私は“これ”で築きます」
 思わず笑うヴィクトリア人セバス「ハハハハ・・・これは失礼」
 ジェシカに動揺 が見える
ディアン「箱の中の物を使えば、ジェシカの身に何が起きるのか、
  ジェシカには判っているのか?」
 「ジェシカが、ジェシカのやろうとしていることを正しいと信じているなら・・・
  俺は、ジェシカを信じる。でも、そのためにジェシカが犠牲になるのは、間違っている!」
和歌も一言「お嬢さん、せいぜい飼い犬に手を噛まれないよう気をつけなさい。
  この男は仮にも私と同じニッポンテックの人間だ」
 「鎖に繋がれている負け犬が何を言ってるのですか」大郷は皮肉で応酬
大郷に促され、心を押し殺して牢獄から去るジェシカ
 「あなた(とディアンを見る)が私を信じると言ってくださったこと・・・嬉しく思います」
「娘よ広く物を見よ。奴らは商人だということを忘れないようにな」
 セバスの言葉にも彼女はもう振り返らない 「・・・若いのぅ」

暫くすると辺りに人気がなくなる 見張りの人間も何かのイベントに出席するため行ってしまう
 監視カメラが光っているので動きは取れず

 

そしてその頃――
ジェシカは白いドレスに着替え、宮殿のテラスへと続く階段の前に立つ
「ここを登られたら、もはや後戻りはできません。よろしいですね?」
 大郷の言葉に頷くと階段を一段一段登っていく
 彼女の姿を見て、南米アメリカだけでなく雑多なレルム出身者が歓声を上げる

「皆、よく待っていてくれました。
 自らが生まれし国でも、そして逃れ来たりしこの地でさえも虐げられし者たちよ。
 私は、全ての人々に真の自由と平等をもたらすため、再びここに戻ってきました。
 もはや我らが、彼らの支配を受けることはありません。
 安住の地を求める皆の、その全ての声を束ね、私は我らを虐げし者たちに
 我らの『楽園』を認めさせます。
 ・・・そのために、今一度、痛みに耐えてください」

 

大歓声と熱狂の渦の中、ジェシカが小箱の鍵を開ける
と、中から閃光が迸り、島に建つ巨大な衛星アンテナへと伸びる
 ――そして世界各地で奇妙な放送が始まる! 大写しになるジェシカの顔

 

「私は、抑圧されし民の国エデンの女王、ジェシカ。
 自由を求める民の声をもって、ここにエデンの独立を宣言します!
 エデンは、いかなる支配も受けることのない独立した国家であることを
 全世界の政府の方々に認めていただきたく存じます。
 正式な回答がいただけるまで、今から24時間待ちます。
 その間に、色よい返事をいただけることを期待します。
 参考までに、無知なる皆さんに、我らの力のひとつをお目に掛けましょう。
 特に、ペラ・アーディネイ女王、貴女には判るはずです。
 この、ダークネスデバイスの力が!」

彼女が“蛇の神像”を持つ右手を高く掲げると、嵐が巻き起こる(リアリティ・ストーム!)
 「このストームは突破できません。そして、我々には、もう一つ切り札が残っています。
  ・・・それでは、24時間後に」 通信は一方的に途絶える

 

ジェシカはダークネスデバイスを以て新たなレルム「エデン」を築き、
その地のハイロードになろうとしている(地球政府から独立というのはすなわちそういうこと)
しかし鎖に繋がれたストームナイトたちにはただ一部始終を聞くのみしかできない・・・

 


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