Eternal Smile > FAKE TORGプレイレポート 『FAKE』 第二幕 時刻はもうすぐ昼。パーカーのフードを目深にかぶった吸血鬼の裕人が、同じくフードで顔を隠した魔女のイリスに告げる。2人とも、正体がばれれば即刻火あぶり。目立つ行動は避けるべきだと判断し、ジョシュアの戻りを待つ。因みに、裕人が吸血鬼であることは、仲間の誰にも知られていない。 ジョシュアは2人から簡潔に話を聞くと、ロランに打ち明ける。 ジョシュア:「ロランくん。きみの母さんが捕まった。だが大丈夫だ。私の仲間が、きみの母さんと共にいる」 泣き出したロランの前でしゃがんで目の高さを合わせ、落ち着いた声で言う。 ジョシュア:「きみの母さんは、悪いことは何もしていないのだろう? ならば、母さんを助けるために、きみの知っていることを、話してほしい」 ロランいわく、時々家に男の人が訪ねてくるとのこと。顔は隠していてわからない。背の高さは、村の司祭様とおんなじくらい。 そこへ、ひとりの青年が現れる。彼の名は修道騎士クロード、ギベール司祭の指示で被疑者マリーの息子ロランを見張るために、派遣されたとのことだった。 GM:「貴公らはよそ者だろう。初対面の女の言葉を信じて肩入れするのは、愚かだと思うが」 挑発的な言葉を、ジョシュアは余裕を持って受け流す。 ジョシュア:「よそ者ではない。ついさっき、私はロランくんの友人になった」 GM:「・・・・・」 ジョシュア:「あなたは、真実を見極める証人として、ここにやって来たのだろう。我々も、真実を捜している。つまり、あなたは我々の仲間だ。入りたまえ。食事にしよう」 GM:「ひとつ忠告しておく。本気で彼女の無実を証明したいのなら、証拠を集めることだ。さもなければ、あの代理人の男は、決闘に敗れ、命を落とすことになる」 ゲーム的には、サイバー教皇領の試罪の法則によって、マリーが無実であることを証明できない限り、決闘を行う者は全ての行動にマイナス5のペナルティを受ける。いかに宗元が強者であっても、勝利することはひどく困難だろう。 マリーに掛けられている嫌疑は、司祭から免罪符を盗んだこと、あるいは第三者から免罪符を得るために、不埒な手段を取ったこと。クロードの口調はとげとげしいが、どことなく、こちらの動きに期待しているような響きも感じられる。 宗元:「ワシのも食うか?」 GM:「いいえ・・・ロランがお腹を空かせていないかしら、と思って」 宗元:「心配要らん。坊主は、ワシの仲間と一緒や」 GM:「あなた様は、何故、このようにしてくださるのですか?」 宗元:「姉ちゃんは、何も知らん、と言うた。無実の姉ちゃんが、連中になぶり殺しにされる。それを、見て見ぬフリできんかっただけや」 マリーはぽつぽつと語り始める。1ヶ月前に司祭が交代してから、異端審問がより苛烈になったこと。マリーの夫は、かつての信仰(キリスト教の聖書)を手放さなかったせいで、火あぶりにされたこと。そして、昨夜、ギベール司祭が忍んでやってきたこと。 GM:「司祭様はおっしゃいました。いい加減、わたしを受け容れよ、と。愛人になれ、ということです」 宗元:「そりゃまた生臭坊主やな」 マリーに横恋慕したギベールが、異端の罪を着せてマリーの夫を処刑し、彼女を得ようとしている、といったところか。ここで裕人が気づく。ギベールの行いは、堕落して魔物に成り果てる道と、ドンピシャで一致している。つまり、彼が感じたオーロシュの気配の主、魔物の正体は、ギベールなのでは? GM:「いっそ、私たちも一緒に火あぶりにされていれば!」 宗元:「それはあかんで」 宗元は首を横に振ってみせる。 宗元:「あんたの旦那さんは、自分に嘘をつかずに、自分を貫いて、そうなったんや。あんたまで同じになったら、あの子はどうなる?」 GM:「!」 宗元:「だからこそあんたも、生き続けることを選択したんやろ? 大切なあの子のために」 GM:「・・・はい」 宗元:「せやったらそれを貫くべきや。貫くための力が足らんのやったら、今ここにワシがおる。ワシの力を使え」 GM:「よろしく、お願いします」 マリーは静かに涙を流す。宗元は、イリスが伝令役としてよこしたシッポにメッセージを託す。 宗元:「今の話、聞いとったな。そういうことやから、イリスちゃんに伝えてくれや」 (→Scene 3) "Eternal Smile" Since 2002.02.02 E-mail:charmy_s@mac.com |