Eternal Smile > FAKE
 

TORGプレイレポート

『FAKE』

 

第一幕

 
シーン1

 
 4人は、スイス方面から、聖地巡礼の旅と偽って陸路でフランス入りする。目的地たるフランシュ・コンテ地方の村が近づいてきたところで、黄色い服の5歳くらいの少年が車の前に飛び出してきて、危うく轢いてしまいそうになる。
 

宗元:「怪我はないか?」

GM:「たすけて、おじちゃん!」
 

 車から降りて声を掛けた宗元の後ろに隠れる少年。そこへ、ヒャッハーな外見の野郎どもが舌なめずりをしながら現れる。
 

GM:「そのガキを渡してもらえねぇかな? そいつはパンを盗んだ。盗人は異端だ! よって裁判にかけて罰を与えなきゃならん!」「やってない!」

宗元:「坊主。ホントに盗んでへんのやな?」
 

 イリスは、鋭い観察眼で、少年の言葉が嘘(つまり、少年がパンを盗んだのは事実)であることを見抜く。同時に、少年をごろつきに引き渡せばどうなるかも、容易に想像がつく。
 

イリス:「嘘は、ダメです。でも、人殺しは、もっとダメです」

宗元:「いきなり異端と決めつけるのもおかしな話やないか。ここは話し合って・・・」

GM:「あ? テメェら全員、教会警察に突き出されてぇんだな!」

宗元:「(ごろつきが銃を抜いたのを見て)向けてくるんやったら、やり合うしかないのう!」

裕人:「やれやれ」
 

 チュートリアル戦闘。1ラウンド目、車を降り、間合いを詰めようとした裕人の出目は1。いきなりリンク切断(*2)、何もないところですっ転んでしまう。
 

GM:「おおっと、動くなよ?」

宗元:「撃てるもんなら、撃ってみい。そん時ぁ、ワシも容赦はせんぞ!」
 

 ごろつきは、転んだ裕人の頭に銃口を突きつけて〈威嚇〉するが、宗元は意に介さず、凄みを見せつける。

 2ラウンド目、ヒーロー高揚。ごろつきの一斉射撃を、地面に転がってすんでのところでかわす宗元。ジョシュアが〈銃器戦闘〉の急所攻撃で1人を沈め、イリスが使い魔のネズミ(*3)に指示を出し走らせる。
 

イリス:「あなた、ネズミに噛まれたみたいね」
 

 〈威嚇〉プレイヤーズコール。ペストがうつる、という強迫観念に駆られて、ごろつきは逃げ出す。
 


 
シーン2

 
 少年の名はロラン。母親のマリーともども、異端の嫌疑をかけられて、パンを売ってもらうこともできないため、やむなく盗みを働いたらしい。
 

ジョシュア:「すまない。彼が盗人だとは知らなかった」

宗元:「せやな。けど、ワシが話し合おう言うた時に、先に抜いたのは、誰やったっけ?」

ジョシュア:「人が悪事を働くよう仕向けるのも、また悪だ」
 

 気絶したごろつきを手当てし、諭して改心させるジョシュアと宗元。イリスは、黄色い服が、異端のしるしとされていることを思い出す。
 

ジョシュア:「ロランくん。私と一緒に隣の町までパンを買いに行こう。とりあえずその服は着替えた方がいい」

GM:「おようふく、もってない」

ジョシュア:「では、きみに似合う服も仕立てるとしよう」
 

 ロランは、裕人の着替えのTシャツを借り、てるてる坊主のような姿になりながら、ジョシュアと共に車で出掛けていく。

 一方、胸騒ぎを覚えたイリスが、必死の思いで(*4)遠見の魔法【アウェイ・サイト】を唱え、ロランの家の様子を窺ったところ、マリーが、赤い衣の異端審問官に連行されようとしていた。急ぎ駆けつける3人。

 村の司祭ギベールいわく、マリーは「売った覚えのない免罪符を持っていた」。
 マリーいわく、「私は何も知りません」。
 異端審問官いわく、「貴様の夫と同じように、即刻火刑に処すべし!」
 ところがギベールは顔色を変える。
 

GM:「我が教会の代理人と決闘をさせ、潔白を証明させてはいかがでしょう」

宗元:「・・・待ちなや」
 

 アロハシャツに眼帯という、目立つ出で立ちの宗元が、広場へ進み出る。
 

宗元:「そちらさんの教会も代理人や言うたな。やったら、ワシがこの姉ちゃんの代理人になったる!」

GM:「なんだと?」

宗元:「このまま決闘したら、有罪も無罪も関係なしに、ただのなぶり殺しや。そんな弱いモンいじめみたいなこと、代理人も嫌やろ。ワシのような人間を代理に立てれば、正々堂々、勝負ができるやないか」

GM:「では、正当な作法に則り、被疑者及び代理人は、三日三晩の断食の後、我が教会の代理人と神聖なる決闘を執り行う」

宗元:「そちらさんも断食するんかい? しないんやったら、正々堂々やあらへんよな?」

GM:「何故正々堂々に拘る必要がある? 我々は、罪を裁く側である。貴様らの潔白は、貴様らがその腕で証明すればよいことだ」

ジョシュア:断食する意味なくね? 自分達にやましいことがあるから、自分達に有利になるように仕込んでるだけじゃね?

宗元:「まるで、有罪にしたいみたいやな。『決闘で確かめる』んやろ?」

裕人:「そうだそうだー!」
 

 宗元を睨みつけるギベールのこめかみが、ぴくぴくと動く。裕人は〈看破〉(*5)によって、彼らの言葉の欺瞞を見抜こうとし・・・

 恐怖の力によって妨害された。

 つまり、この件にはオーロシュの魔物が絡んでいる、ということが、図らずも明らかになる。予想外の展開に慌てる裕人だが、現時点では情報が少なすぎて何もできない。そうこうしているうちに、代理人として決闘することになった宗元は、マリーと共に引っ立てられていく。
 

宗元:ジョシュアにメールを打ちます。『すまん。3日ほどカンヅメになる』

ジョシュア:こう返信します。『フランスの塀の中の飯を、ゆっくり楽しんでくれ』
 

(→Act 2)
 


PREVIOUS

back to Replay Library

back to Eternal Smile


"Eternal Smile" Since 2002.02.02
Copyright (C) 2002-2020 Charmy. All Rights Reserved.

E-mail:charmy_s@mac.com