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TORGリプレイ

『Red Giant』

 

第一幕

 
シーン3 海を越えた握手

 
エッジ:ここから、レイキャビクに行くのは、ヒースロー空港から?

GM:で、いいと思いますよ。 ゲイシール間欠泉は、レイキャビクの東北東80kmのところにあります。観光客が襲われたという事件以降、立ち入りは禁じられているようです。

勇人:そこは、アイスランド政府に許可をもらってから、見に行きます。

カイル:2週間ぐらい漕げば、行けるかな?(笑)

勇人:大丈夫です。漕ぐ必要のない乗り物で行きますから。

カイル:ああ、帆船ですか。

エッジ:帆船は知ってるんだね。

カイル:うん。見たことあるんで。それの空飛ぶヴァージョンを。

エッジ:飛空艇だ。ファンタジーっぽーい。

ライトニング:なんならわたしが抱えて進ぜようか?

勇人:そうすると2人しか行けない(笑)。

エッジ:マスター。事前に、襲われた人とか、向こうの警察に、話を聞きたいです。

勇人:(カイルとライトニングに)では僕たちは事前情報を仕入れますので、お2人は出立の準備をしてくだされば大丈夫です。

カイル:じゃあ、素振り千回と、腹筋背筋を。

ライトニング:わたしは、相変わらず身一つだから。

勇人:あなたのスーツには、燃料とかは必要ないんですか?

ライトニング:燃料? 何の話かね? これは素晴らしい力で飛ぶから問題ない。

エッジ:その、スーツってのは、人に渡したりしちゃいけないもんなの? 調べ上げたいんだけどな。〈知識(機械工学)〉で。

ライトニング:これは、わたしの身体と同じだ。

勇人:〈マッドサイエンス〉という技術で作られてるんで、〈科学〉じゃないんですよ。専門技能なんで、技能のない人にはいじれません。

エッジ:俺の信じてる科学とは別なんだな。やめておこう。
 

 ストームナイトとなってから日の浅い者たち同士の会話は、
 出身世界の違いを反映し、このように噛み合わず、噛み合わないゆえに面白い。
 

GM:では改めて、どんな形で情報収集をするか、宣言してください。

ライトニング:わたしは、ニュースペーパーをちょいと読みます。〈手掛かり分析〉で。

カイル:何ッスか、ニュースペーパーって?

ライトニング:ニュースペーパーとは、色々な話が書き記されている書物だ。

カイル:おお、それは素晴らしい。

ライトニング:(コロコロ)おおう、出目が低い。さっぱりわからん! 相変わらずDr.メビウスはひどいことをしておる!

勇人:何読んでんの!(笑)それ、あなたのトコの地元紙!

ライトニング:すまん、ついつい。ヒーローたるもの、常に悪に関する情報を仕入れなければならない。

エッジ:グーグル先生使って〈手掛かり分析〉で調べるとかできますか?

GM:できますよ。

エッジ:(コロコロ)うわ、全然ダメだ。マイナス10出ちゃいました。なんか、ネット繋がんねぇんだけど。

勇人:物理的にリンク切れてんのかなー。ケーブルが(笑)。

カイル:マスター。大英図書館へ行って、アイスランドについて調べていいですか?

エッジ:おお、いいですねー。

カイル:〈説得〉で振ります。(コロコロ)カード使っていい? “貫禄”使って20。

GM:でも、図書館だと〈手掛かり分析〉な気がするな。

勇人:〈説得〉で、資料出してって言って、イケメンオーラで押し通しちゃってもいいと思います。

GM:なるほど。

勇人:あとは、軽くロールプレイをして、“援助”カードを交換して、自分に対して使ってもらうと、さらに3上がる。

カイル:じゃあ、「トカゲ、俺を手伝ってくれ」

エッジ:「うん? なんで俺をトカゲと言うんだ? まぁいいけど」一緒に行って、俺の口添えで、現代の図書館がどういうものか教えてやるよ。これで23。

GM:ではあなたはイケメンオーラによって、書架に案内してもらい、カッティングエッジから検索の仕方を教わって、アイスランドの情報を入手します。

カイル:ご当地情報(笑)。

エッジ:あれかな、温泉あるのかな。

GM:・・・すみません、実は、あまり深くは調べてないんです。

勇人:であれば、現地へ行った時に、「情報を集めていたので、何々することができました」って処理にしていただければ。

エッジ:(スマホで検索しながら)今は、間欠泉の活動は止まってるらしい。だけど、1日3回ほど、60mの噴出が見られる、と書いてある。

カイル:貴公、なかなかやるな。ところで、それは何をしとるんだね?

エッジ:えーと、そうだな、魔法の箱みたいなもので、魔法の賢者に、話を聞いてる。その賢者たちは、Wikipediaと呼ばれている団体なんだな。

カイル: なるほど。素晴らしい。解ってないけどうなずいてます。

勇人:今、あなたの頭の中では、ローブを着た、白髭の、Wikipediaと呼ばれる魔導師集団のイメージが(笑)。

カイル:透明な怪物について、過去の情報とか事件とか、見つかりましたか?

GM:いいえ。過去に、そのような怪物の目撃情報はないようです。

カイル:っていうか、透明の怪物って、言い方によっては矛盾してるじゃないですか。要するに、D&Dのインビジブル・ストーカーみたいなものが地球では認知されてるのか。

エッジ:透明なのに何故怪物だって判るのか、って話だな。ガワ見えてんの?

カイル:例えば、インビジブル・ストーカーだと、一切合切見えないんで、「殺された、気づいた」って感じなんです。

GM:そういう意味では半透明って言えばいいのかな。何かがうごめいているのは目視できたようです。

ライトニング:恐ろしい! 異形の怪物だ。

GM:アイル人のあなただと、ウォーターエレメンタルの暴走か、あるいはゴーレムか、と考えるのが自然かもしれません。

カイル:よし、もう調査はいいから、行くぞー。

勇人:その前に、僕はテレビ電話とかを使わせてもらって、アイスランド政府に話をします。「アイルの女王から依頼されて、僕のビジネスとは全く関係なく、あなたたちを助けに行きます。ついてはこの事件の概要を教えていただけませんか」と、真実を隠して〈説得〉。

GM:うわ、ごりごりボーナスを入れようとしてるー。

勇人:そして、今回の件に関して、色々大変だったろうから、僕からのちょっとした寄付ということで、ジャパニーズマネーをこのくらい、切らしていただいて。

エッジ:おお、小切手に字書いてる。

GM:賄賂を渡すことでボーナス+3。合計+6(笑)。

勇人:で、振ります。(コロコロ)ポシビリティ使いまーす。(コロコロ)えー、〈説得〉23。

GM:充分充分。そうすると、行方不明になった警察官の話とか聞けますね。

カイル:ほう。

GM:遺体が発見されてないだけ、というぐらいの、消極的な意味での行方不明なんですけど、装備品も一切合切、なくなっているそうです。

勇人:ホントに、丸ごとなくなって、パトカーしか残ってない、みたいな感じなのかな。

GM:はい。「怪物が出たぞー!」で、その辺にいた警察官が、慌てて駆けつけたけれども、戻ってこない、みたいな。殴られて襲われて、逃げた人もいたようなんですね。その人からは、『俺の彼女の仇を討ってくれ!』と、切実な願い事をされたりします。

勇人:「殴ってきた相手が、どんな姿かは解りますか?」

GM:『でかかった!』

勇人:大きな人型? それとも人型ではない?

GM:人型ですね。身長がだいたい3〜4m、人間の倍ぐらいあるんじゃないかと。

カイル:半透明の巨人。

勇人:きっと、そういう生き物もいるのでしょう。魔法の世界も近くにあるし。

エッジ:今のところ観光地のエリアでしか、事件は発生していない。まだ外には出ていないと思われる、か。

GM:間欠泉の中から湧き出たように見えた、そうです。

勇人:実は中に住んでいる、という可能性が出てきましたね。了解しました。「では、近々現地に伺う予定ですので、ご協力をよろしくお願いします」

GM:行ったら通してくれ、みたいな感じですか。

勇人:そうですね。あとは、追加の情報が入っていたら、教えていただいたりとか、規制を張ったりとか、便宜を図っていただければ。

GM:はい、解りました。

勇人:で、カッティングエッジのスマホに、連絡入れて。

エッジ:お!

勇人:あー、電話連絡ができるだけでも、違うよね(笑)。「こちらはこのような情報が得られました」

エッジ:『俺たちの方も、こんなことが判ったよ。でも、ゲイシール間欠泉は、あんまり、重要な情報ではなかった』

勇人:「あとは現地へ向かう必要があるようですね。これだけ魔法が一般的なところで、半透明の怪物、としか判らなかった以上、行くしかないでしょう」

エッジ:『既にもう、行く気満々な奴はいるから。俺の隣で素振りしてるよ』

勇人:「それは素晴らしい。あー、きみは本当に有能なエージェントですね。前回のエージェントとは違う! 前回のエージェントは、素振りの回数を教えてくれましたよ」(笑)

エッジ:えーと・・・。

勇人:人は外見じゃねぇなー、と思っている。勿論口には出さない。

 
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