Eternal Smile > Red Giant 『Red Giant』 第一幕
勇人:1体は、現地協力員ってことにしよう。アイルはまだ、政治的混乱のために、捕虜に関する条約には調印していないようだけど、それに準ずる処理はするよ。 GM/エーン:「ホリョってなんだ? 食えるのか?」 勇人:「きみが僕たちに協力してくれれば」 エッジ:「オイシい思いができるよ!」 勇人:ってことで、彼は、僕のプレイヤーズコールによって心酔しているので、知っていることを洗いざらいしゃべってもらいます。 GM/エーン:「むう・・・俺は今まで、死せるものなんてとんでもないと思っていたが、お前のその姿、なかなか、イケている」 エッジ:「あ、いいねいいねー。その表現」 勇人:「では、きみの知っていることを教えてください。あの間欠泉は通路という風に言っていたけれど?」 GM/エーン:「そうだ。俺たちチュートリアル族、まじない師に連れられて、洞窟抜けた。そしたら、霧のない地にやって来た」 エッジ:霧のない地? GM:説明するね。エディーノスは、アメリカ大陸に居を構えており、そこはリビングランドと呼ばれています。リビングランドは、常に深い霧が立ち込めていて、高温多湿。視界は10mほどしかありません。ただし彼らは、女神ラナーラに祈って、加護をもらうと、霧を見通せるようになります。 勇人:毎日、起きてすぐにその儀式をやるっていうのが、彼らの常識になっております。 GM:(地図を見せながら)リビングランドの「東の地」は、ニューヨークを中心とした、異世界からのブリッジが降りてきたところです。ここは、侵略者たちと、近代兵器のアメリカ軍との大戦場になっております。次に「西の地」。カリフォルニア州の辺りですが、ここには、こっそりとニッポンが食指を伸ばしていたりします。 エッジ:ほう。 GM:最後に「北の地」。ここは、あまり有名ではありませんけれども、何か恐ろしい企みが進められている、という噂を、そうですね、エッジがいるから知っていてもいいでしょう。エッジはかつて、エディーノスとして、暴れていた頃に聞いたことがあります。 北には、近づかねぇ方がいいと。 勇人:さらに、この説明を聞く限り、「え、きみたち、はるばるアメリカからこんなトコまで歩いて来たの?」みたいな。 エッジ:何が起こっちゃってんの? GM/エーン:「ここは、とてもいい狩り場。地上に出れば、いつも人間、群れている。すぐ人間捕まえてこれる。そう聞いていたのに、人間全然いなかった。やっと見つけたの、お前だった」 エッジ:「んー、ゴメンな、人間じゃなくてな」 GM/エーン:「まじない師の言っていたこと、当てにならない。だから俺、まじない師のこと、もう信じない」 勇人:「それがきみの、正しい、気づきというものですね」 GM:と言っている辺りで、“警戒”カードがあるから、気づいてよいでしょう。勇人は、エーンくんの背後に、ゆらりと揺れる、何者かの気配を感じます。 勇人:彼を庇って、すぐに、キャプテンとカイルの間に転がり込む。 GM:ぶんと、空気を切る、音。 エッジ:「お前の言っているの、このまじない師か?」 GM:「あがが・・・!」びびって、ビックリしています。 ライトニング:これは、半透明な怪物、の方? GM:はい。怪物です。身長3mぐらいで、背中にとげとげ。 エッジ:穴って、その大きさでも通れるくらいなの? 間欠泉ってすごく狭いってイメージなんだけど。 GM:どう見ても、間欠泉の穴は、こんなでかい怪物が通れそうな大きさではありません。そしてですね、どこからか声がします。『お前の、死せるもの、強いな。それ、おれがもらう!』と言って、カイルを攻撃。 エッジ:いきなり殴りかかってきた。 GM:(コロコロ)ポシビリティを使います。 カイル:打ち消します。 GM:〈格闘〉15です。同値かな? 勇人:同値だと当たります。因みに、積極防御って宣言すると、最低+1がつくので、宣言さえすれば避けられます。 カイル:じゃあ、積極防御。2センチだけ避けます。 GM:了解です。怪物は、あなたの手を狙って攻撃しましたけれども、あなたはそれを2センチだけ見切ってかわしました。 カイル:返答していいですか?「これは剣が強いのではない。私の心が強いのだ」 エッジ:やばい、カッコいい! カイル:「だから、お前も心を鍛えるのだ」 エッジ:これは死せるものではない、と言っているってことですよね。私は心で攻撃してるんだぞ、っていう。 勇人:比喩が通じるかな?(笑) GM:まぁ無理と思う。かわされたので、素直に退きます。 勇人:ほう。どう退きますか? GM:間欠泉の中に、霧状になって、プシューッと消えてしまいます。 エッジ:霧キター! やだー。そういうのやだー。科学的に説明つかないじゃん! GM:〈科学〉、振ってもらってもいいですよ。 カイル:霧状に変わる生物って、ヴァンパイアしか知らないんですけど。 エッジ:(コロコロ)19。 GM:こんなこと、科学的にあり得ねぇ。むしろ、これは昔あなたが知っていた、奇跡の力だ。 エッジ:おお、なるほど、そういうことか。「あいつはリビングランドの住人、のような気がする」 勇人:「確かにそうですね」 エッジ:ちょっとその、間欠泉を調べたいんですけども。 カイル:え、間欠泉に入んの? 勇人:蒸気が吹き出していない時なら入れそうかな。「エーンくん。きみは、あの怪物のことは知っていましたか?」 GM/エーン:「いや。全然知らなかった。見たこともない」 エッジ:「因みに、まじない師のところまで、一緒に連れてって、って言ったら、連れてってくれる? 来た道を帰れる?」 GM/エーン:「当たり前だ。俺、霧の中でも迷ったことない」 エッジ:よし。加護を受けてるってことだね。 勇人:「あと、まじない師の、名前とか姿とかを教えてもらえますか?」 GM/エーン:「まじない師、ギラグ=ウル。俺たちと同じ、エディーノス」 勇人:・・・ナイルの悪漢かと思った(笑)。悪そうな名前。 カイル:邪悪なマジックユーザーか。 エッジ:「そのまじない師は、お前たちに、霧がよく見えるように手伝ってくれたの? それとも・・・」 GM/エーン:「何を言ってる? ラナーラ様に祈れば、誰でも霧ぐらい見通せる。お前、何故それができなくなった? だらしないぞ」 エッジ:「でも、お前が知らない、カネっていう、キラキラしたものを知ってるぜ。ほら!」 GM/エーン:「!」 勇人:「きみがもっと頑張れば、さらに2枚3枚と差し上げましょう」 GM:懐柔されちゃったよ、エーンくん。 勇人:懐柔したり籠絡したりするのが、僕の仕事ですから。さて、ではこのまま追撃にかかりますか? カイル:熱くないのか? GM/エーン:「熱いぞ」 勇人:ただ、きみたちエディーノスは、別に熱に強いという設定は全くないので、知的生命体が通れるぐらいの、温度ではあるんだよね? GM/エーン:「熱さもラナーラ様への捧げものと思えばいい」 勇人:(棒読みで)ああ、そうだったなー。きみたち、死ぬほど熱いって時でも、「わー、死ぬほど熱いです、ラナーラ様!」で済むからな。痛いんだけど、イヤじゃない、っていう。 GM/エーン:「ラナーラ様喜ぶなら、俺も嬉しい」 エッジ:ドMだな(笑)。 カイル:ファイアー・プロテクションとか、そんな呪文はないッスか? GM:そうするとカイルは、思い出します。アイルには、環境マントという、便利なアイテムがあるんですよ。 カイル:何それ? GM:そのマントを着けていると、温度変化に強くなれる。クローク・オブ・レジスタンスです。 勇人:どこに行っても快適。砂漠だろうが、極寒の吹雪の中だろうが、快適、っていうマントです。 カイル:そのマントは、どこで手に入るんですか? GM:女王陛下に頼んでみるとか、嵐王寺さんが、ポケットマネーでどうにかするとか。 エッジ:宅配! まさかの宅配!(笑) カイル:陛下に、手紙を書きます。『このような状況になりましたので、申し訳ございませんが、我にご加護を』 ライトニング:親書を書いて。 勇人:それ、写メで撮って送ります(笑)。 エッジ:うまい! カイル:(携帯をいじる勇人とエッジを見て)こいつら何してるんだ? エッジ:わからないか? 天に祈ってる。 勇人:お金は別に幾らでもいい。僕が払うから。ただ、急いで送ってほしい。 GM:ではしばらくすると、ギューン! バッサバッサ。 勇人:お、来た来た。早い。 GM:善のドラゴン、ドラコニス・アイスレが、超速で飛んできたらしくて、上空から箱を落とします。 カイル:すげー。 ライトニング:飛んで、拾いに行く。 GM:『ストームナイトに、デュナドのご加護がありますように』って書いてあるよ。 ライトニング:デュナドか。それは神の名前ではないのか? おおー。 勇人:ありがたく開けさせてもらって。もう、鶴の一声でしたね。あっという間に来ましたよ。 エッジ:素晴らしい! さすがのカリスマッスね。 カイル:どうやって伝わったんだろう。不思議だ(笑)。 勇人:このマントを皆さん着けていただいて。問題は、リンクを切らないかどうか。僕たち魔法アクシオムが足りないから。 GM:環境マントは、魔法アクシオムの賜物なので、カイル以外の人は、矛盾チェックをして、1を振ると、リンクが切れてアイルのリアリティに染まります。アイルに染まればマントは問題なく使えるんですが、幕が終わった時にポシビリティがもらえない、という難点があります。 ライトニング:強引に、すごいスピードで抜けちゃうのはどうでしょうか。 GM:なるほど。そしたらキャプテンは、〈飛翔〉と《耐久力》判定をやってもらえれば、マントを使わなくてもOK。他の皆さんは矛盾チェックをお願いします。 エッジ:(コロコロ)うん、快適。なかなかいい技術だな! 勇人:(コロコロ)よかった。快適。これは素晴らしい。 ライトニング:うりゃ!(コロコロ)20で〈飛翔〉。 GM:充分スピード出てますね。《耐久力》は、難易度10でいいです。 ライトニング:(コロコロ)13です。ちょっと熱いけれども、ヒーローたるもの、この程度では大したことない! エッジ:さすがだ。 GM:キャプテンは、他の3人をぶっちぎって、間欠泉の中を飛んで行きました。しばらくすると、なんか霧が深くなってきたぞ? と思った拍子に、地上に出ました。 ライトニング:えーと・・・メタな話、レルムがちょっと変わった感じしませんか? GM:しますねー(笑)。霧で何も見えません。蒸し暑いです。そして、霧の中から、声が聞こえます。「そこにだれかいるのか?」 ライトニング:声だと相手が善か悪かはなかなか判らないッスね。 勇人:言い方とか、発音とかによっても、印象は違うと思います。 エッジ:でも、判断するのは難しいよなー。 ライトニング:ヒーローたるもの、問われれば答える。「うむ、ここにいるが」 勇人:ここにいる! ゴーッ!(ロケット噴射の音) GM:そうすると、「おお、音がしたからすぐわかったぞ」と言って、あなたの前に現れたのは、真っ黒に日焼けしていて、筋骨隆々とした、少女。特攻服を着ております。 勇人:えっ? エッジ:ヤンキーきた! ライトニング:ナイルヒーロー的には、奇抜な服装はさんざん見てるから、別に驚くことはない。「そなたは何者だ?」 GM:「わたしは、ストームナイト族のユキだ!」 "Eternal Smile" Since 2002.02.02 E-mail:charmy_s@mac.com |