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TORGリプレイ

『Red Giant』

 

第三幕

 
シーン3 さらば、昨日を脱ぎ捨てて

 
 騎士カイルの伝説的な一撃によって、赤き巨人(Red Giant)の脅威は去った。

 ゴスポグとスタレンジャーをまとめて凍りつかせ、肩で息をしているカイルの後ろで、
 エディーノスのカッティングエッジは、特攻服を着た少女ユキと、
 生まれたままの姿で(*10)ハイタッチをかわしながら、女神ラナーラへ生の喜びを捧げていた。
 

勇人:えーと、偉業を世界に伝播するのが、僕たちの任務なんですけど、「すごく面白いオチがある話なんだ」って前置きしなくちゃいけない(笑)。大丈夫きみたち?

エッジ:どうしよう。めっちゃ楽しくなってる。

ライトニング:ラナーラサイコー!

エッジ:サイコー! この感情を、あなたに!

GM:助け舟を出しましょうか。あやめさんが、メガネを指で押し上げながら、「ところで、ミスター・カッティングエッジ。こんなところに、あなたの自慢のレンチが、落ちていますけれど」

エッジ:「レンチってなんだ?」

勇人:これのこと、これのこと(握らせる)。

エッジ:「・・・はうーっ?!」

GM:リンク回復チェックをお願いします。難易度は18。

エッジ:(コロコロ)出た。ぴったり出た。

GM:9? マイナス1ですよね。

エッジ:出てないじゃん(笑)。ポシビリティを使います。(コロコロ)20。

勇人:よかったよかった。科学の心が多分、20を。

エッジ:出したってことですね。

勇人:キャプテンにも、落ちたメットをスポッとかぶせて、「お願いします。戻ってきてください。僕たちにはあなたが必要です」

ライトニング:(コロコロ)ポシ。(コロコロ)〈リアリティ〉20です。「はっ! わたしは今まで、何をしていたんだ!」

カイル:戻ってきましたね。

ライトニング:おお! さっきのきりもみで、両方倒したんだな! 素晴らしい。

エッジ:おかしいな、俺、スイッチは押してないんだけど。どういうことだ?

ライトニング:多分、あれだ、きみは押して、凍らせたんだよ。そこにわたしは突っ込んだんだ。

エッジ:なるほどなるほど。

勇人:キャプテンのきりもみをきっかけに、あなたの手がスイッチを押して倒したのは間違いない。流れとしては間違ってない。

GM:でも、それだとカイルが立場ない。

勇人:とどめを刺してくれたのがカイルさん。大丈夫大丈夫。

カイル:あそこで倒してなかったら、俺らはボコボコですよ。

GM:そうですね。【アニマル・レイジ】付きで殴ると、結構痛いよ。

勇人:試しに振ってみます?

GM:(コロコロ)5足す、(コロコロ)20。(コロコロ)32。〈格闘〉の命中は29。

エッジ:何点ダメージいくんだろ。

GM:32点。

エッジ:ダメじゃんそれ!

勇人:多分、見せ場宣言して、“緊急行動”を切って、やられるまえにやれ、になったと思います。よかった。本当によかった。

GM/あやめ:「素晴らしいチームワークですね」

勇人:「あやめさんあやめさん。僕ら、情報操作を頑張りましょう。これから、いい話に脚色しましょう」

GM/あやめ:「同感です。ユキ様は、見当違いの方向へ走っていってしまわれましたので、私も少し立場が」

勇人:「あ、いいですいいです。多分、こっちに来る筈だった、ボス増援を、倒してくれたんでしょうから」(笑)

カイル:そういえば、警察官、一体どうなったんですかね。

GM:まだ縛られてます。

勇人:気を失っているので、助けてあげてください。

ライトニング:そうですね。人命救助最優先。

エッジ:早く、帰ろう。俺はここにいちゃいけないと思う。

カイル:リンク切れの最中の記憶って、あるんですか?

GM:あります。けど、生きてることは素晴らしい、って浮かれてた。

勇人:変な、悪酔いしてる自分を覚えてる感じですかね。

エッジ:だから、もうここにいたくない。俺の黒歴史だもん、これ(笑)。

勇人:そうですね。明らかに今夜、ベッドの中で、「あああー!」ってなるレベル。ノリ的には、超悪酔いして、気づいたらマッパ、ですから(笑)。

GM:どうやって、靴脱いで布団の中に入ったか覚えてない状態。

勇人:しかも、自分の家に帰ってからじゃなくて、みんながいる時に、宴会が終わってない最中に、素に返っちゃった。

エッジ:自分の中では、昔リビングランドにいて、コアアースのリアリティに変身したので、感覚的には、ハーフだったんですよね。アメリカ人と、リビングランドのハーフ。

勇人:はいはい。で、田舎に戻ったら。

エッジ:うっかり酒飲んで、うっかりマッパになって、うっかり女の子とハイタッチしちゃった、みたいな。

カイル:久しぶりに田舎帰ってきて、友達と一緒に、イエーイ!

エッジ:キャプテンの後ろに今、隠れてる。もう、恥ずかしくってしょうがない。

勇人:解った解った。よし、帰ろう帰ろう。

GM/あやめ:「皆さん、お気をつけて。心配は無用かもしれませんけれど」

勇人:「あやめさんも、お気をつけて。北の地は、多分これで、しばらく立て直せないと思いますけど、奴らの侵略自体は、止まったわけではないので」

GM:警察官を見て、「彼のことも、よろしくお願いいたします。きっと恐ろしい目に遭ったのでしょうから」ユキ様に聞こえないように、そっと言う。

勇人:そうですね。精神的なケアも必要だと思います。あとユキちゃんは、カッティングエッジくんの背中叩くのやめてあげて(笑)。

エッジ:「さわらないで! だから言ったじゃないか、北は危ないって!」

勇人:今、彼は、すごいセンシティブな人になっているから。

カイル:バンバン叩かれるたんびに、精神が悲鳴を上げる。

GM/ユキ:「どうした? わたしなにか、おまえにわるいことしたか?」

エッジ:「いや・・・悪いことはしてないよ、大丈夫、大丈夫」

GM/ユキ:「そうか。おまえも、おまえも、ありがとう! そして、ありがとう!」

ライトニング:「礼は要らんよ。ヒーローはこうあるべきだからな!」(サムズアップ)

GM/ユキ:「おまえもりっぱなストームナイト族だな! わっはっは!」

勇人:では僕は、あやめさんと、メアド交換して。

カイル:え、そんなのあるんですか? リビングランドに?

勇人:あやめさんだけは持ってます。彼女、キャラクタークラス、ハッカーなんで。

カイル:なんと! やるなー。

GM/あやめ:「ではまた。良い話がありましたら」

勇人:「是非。今後とも良きビジネスをやっていきましょう」

エッジ:ウィン・ウィンの関係で、ってやつだね。

GM:はい! では、邪悪なゴタックの野望を打ち砕いた皆さんは、意気揚々とアイルへ引き上げていきます。

カイル:嵐王寺さんに、ぼそっと、「剣の話は内緒で」

勇人:わかりました。大丈夫です。剣が大きくなって、ぶった斬ったとか言われても、誰も信じませんから。ただ、人々に偉業を伝える時には、少し脚色が必要ですけど。『その時、デュナドの奇跡が起こったのです!』みたいな(笑)。
 

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