TORGリプレイ

『HEAVEN』

 
 

第三幕

シーン3 月に吼える(承前)
(ラウンド進行=戦闘シーン  1/2/3/4
 
 

時はわずかに遡る。
門付近で必死に猛攻を食い止めていたセバスチャンとマキシミリアンも、
光の「回廊」に変化が起きていることに気づいていた。
 
 

セバス:「何故じゃ、何故ジェシカが上に行っている? マキシミリアン、お前ちょっと、突っ込め! ここはわしに任せい!」

GM:うわ、言い切った! 言い切ったよ!

ディアン:漢(おとこ)だ・・・。セバスすげぇ・・・。

GM:多分後ろでうぉーっと吼えた人がちょっと、励みになったっぽいんだけど(笑)。来れば何とかなる、みたいな。そういう老獪な計算もあるっぽい。

セバス:あいつ来た方が絶対早く終わるからな。

マキシム:「・・・死ぬなよ、爺さん」〈間合い〉をかけて、突破しましょう。

セバス:その前に、〈威圧〉で。「どけ、こわっぱども!」(コロコロ)ダメだ!(笑)

ディアン:やっぱ老獪な計算が入ったのがいけなかったね。

セバス:ポシビリティ。(コロコロ)んっとねぇ、18。

GM:ふふふふふ、実は効くんだよっ。くそっ。ということで、セバスに(カードを渡す)。ではマキシム、〈間合い〉をしといてください。

マキシム:(コロコロ)

マッコイディアン:20!

マキシム:やっぱね、仇敵がいる時は。(振り足して)えーと、37。

GM:ポシを使います、か?

マキシム:使わなくていいんじゃねーの?

ディアン:え、そう? だってここドラマチックシーンだよ。偉業行けるよ、頑張れば。

セバス:“偉業”持ってるよ。

ディアン:俺も、持ってる。

マキシム:ホント? じゃあ、ポシ使いましょう。(コロコロ)あっ、10。(コロコロ)

ディアン:行った、61!

マッコイ:すげぇ! 1ポシで行きやがった!

GM:(興奮)すげぇー、1ポシで決めた。では・・・。
 

驚異的な速度で基地の屋上に駆けつけたマキシミリアンが、
その速度を乗せた一撃をアークに見舞う。
楯を削る耳障りな音。「! 貴様は!」
 

GM:「貴様らを通すわけにはいかん、そこをどけ!」という風に、マキシムとディを見ながら一応言いますけど。

マキシム:「俺の剣を止めたのは貴様が初めてだ。ここで決着をつけてやるっ!」

GM:おおー。わかりました。そうすると、「それが望みならば良かろう!」と言って、認めてくれました(笑)。

一同:いぇーい!

マキシム:良かったー、無視されなかった!

マッコイ:でも大変だよ、この一撃を一人で受けるってのは。

和歌:頑張ってー、頑張ってー。

ディアン:では見せ場宣言で、偉業を場に出して交換します。こう、剣を抜いて、マキシムに、「マキシミリアン! 俺はこの剣に賭けてジェシカを救う。ここは、任せた」

マキシム:「(ニヤリ)任しとけ相棒!」“偉業”を使います。

マッコイ:確かにいきなり敵の前に現れたら偉業だよな。

GM:ここは今回の大きな見せ場その1です。マスター的には予想通りになった。でも思ったよりパーティが散った。マスタードキドキ。みんな男らしいなぁー(笑)。ということでようやく敵ターンに入りまして、ディが光の方へ走っていくとですね、ひとりの男が、立ち塞がるでもなく、すっと立っているのに気が付きます。黒いスーツを纏った男で、バラのタイピンを着けています。あなたは、見たことは無いけど、判ります。あれがローゼンクロイツと呼ばれている男だと。すごく邪悪な笑みを浮かべて、あなたのことを見つめます。ニコッと。
 

「蛮族よ。愛などという愚かしい幻想に縛られし者たちよ。
 月は無慈悲な夜の女王。貴様等には相応しくない」

ローゼンクロイツが指を鳴らすと、月への光がだんだん細くなっていく。
このペースからすると、30秒もしないうちに光は消えてしまうだろう。
 

 
 
 

4ラウンド目

 

ディアン:はい! “イニシアティブ掌握”。前ラウンドのイニシを持続させます。

一同:おお。

GM:とすると、ヒーロー先攻、活力ー。はい、みんなにカード1枚ずつ。くっそぉー、おかしいなー。あと、このターン含めて3ターン後には、光の柱が消えてしまいます。

マッコイ:俺は間に合わない。目の前に敵がいる。

セバス:〈間合い〉で突破できる状態じゃないもんね。

和歌:無理。

GM:ということで、今度は光に近い所から解決します。

ディアン:俺ですか? ではローゼンクロイツに「時間がない、そこを通せ」って言って〈間合い〉をします。

GM:どうぞ。走り出して気づくのは、幽霊みたいな動き方で、あなたの目の前に来ている!

和歌:怖ぇー。

ディアン:(コロコロ)〈間合い〉達成値21です。

GM:21。ついてくる。

ディアン:嘘でしょ・・・? 24(“アクション”カードを出す)。

GM:抜けた。光の中に入ると、あなたはすごい勢いで持ち上げられる。空を飛ぶ感覚がして、ふっと意識が遠のきます。みんなにも入ったのは判るんで、ずっと見てれば、ディがすごい勢いで月に昇っていきます。

ディアン:やだなぁー(笑)。
 

ローゼンクロイツは、切れ長の双眸でディアンの後ろ姿に一瞥をくれる。
「ほぅ、予想以上だ。さすがはエデンの乱を鎮めたストームナイトのひとりだな。
 だが二度はない。月で死ね」
そして再び、邪悪な笑みを浮かべる。
 


GM:次に近い人、マキシム。えー、目の前の宿敵と、もう一対一ですよ。

マキシム:素晴らしい。「さて、これで心置きなく闘えるな」

GM(アーク):「そうだな。貴様を倒して(光の方を見ながら)ジェシカ様を護らねばならぬ」

マキシム:「俺も貴様みたいな相手と闘えるとは天に感謝しなければな」

GM:「確かにな」と言いながらアークはニヤリと笑います。

マキシム:では、攻撃。(コロコロ)ポシ。

GM:打ち消します。

マキシム:あい。えーっと、−8かぁ。10で白兵。

GM:それはもう、振るまでもないです。

マキシム:ちょっと気合が足んねぇな。

GM:では次、セバスはですねぇ、しのいでます。ドキドキです。あー敵が押し寄せてきたー。うわ、怖ぇー、みたいな感じです。

セバス:っちゅーか、〈威圧〉したいな、って感じなんだけどね。早く来てーとか思いながら。

和歌:ゴメンねー。片付けてからね。

ディアン:それこそ“アイデア”使用したいよね。

セバス:あ、そっか。ぴきーん。

マキシム:爺ちゃんの知恵袋(笑)。

GM:(“アイデア”を受け取って)な、何が聞きたいのかな?

セバス:この場をどうやれば防げるかなー。

GM:んー、入口崩しちゃえば?

セバス:道具無いよ。

GM:〈威圧〉で、入口に密集させちゃって、そこで倒しちゃえば、結局詰まっちゃうから。

セバス:プレイヤーズコールくらいしないと無理?

GM:プレイヤーズコールがベストだけど、そこまでいかなくても引き返して合流する時間は全然稼げる。

マキシム:引き返せば、ほら、連係を取れるし。

セバス:とりあえず、構えて「出て来んじゃねーよ」と〈威圧〉。(コロコロ)4・・・。

ディアン:頑張ろう。まだまだ次がある。

GM:そんなトコですね。次に遠い、和歌。敵はもう、ほぼ凍り付いています。

和歌:(さらっと)じゃあGM、二十人斬り。

一同:うわーーっ!(笑)

GM:わーっ、どうぞ。やな予感ー。

マッコイ:マジかよ・・・。

和歌:いくよー。とぉーっ。(コロコロ)19! ポシ使います。

GM:ポシ使わないと届かないのは確かだけど、使うと届くんだよなー。

和歌:そして“ヒーロー”使います。(コロコロ)12足して41だから・・・命中32ですー。

GM:無理、無理! ダメージくださいダメージ!

和歌:ダメージ31! はい!

GM:じゃあですね、貴女の雄叫びで、動きが止まった相手に対して、一条の銀光が走ったと思ったら・・・。

セバス:いや、もう(刀を鞘に収める動作)こうでしょ。

和歌:その前に、言いたいことがあんねん。振り向いて、「ディが行ったか。じゃあ、こっちも片づけなきゃな」

一同:うわーーっ!

GM:キン、ズバッ(効果音)。そうして、血の雨が降ります。ブラッディレインが。

和歌:その雨をくぐり抜けて走っていきます。

GM:すると、必死っぽい人が見える。

セバス:「わぁぁー」バン、バン!(ショットガンの銃声)

和歌:「爺さん、先行くぞ!」

セバス:「何しとんじゃ、遅いわぁっ!」

GM:最後、一番上の、マッコイ。で、丁度そこの二人がやりあってる近くを、ディが抜けていきます。・・・あ、カード交換できるよ(爆笑)。

和歌:かっこいいー!

マッコイ:とりあえずこんなトコ(ディアンに手札を見せる)。

ディアン:うーわ、いいのばっかだなー。

マッコイ:ちゅーかね、俺の中で今“アイデア”カードを使う方法を思いついたのよ。これは、こっちの戦闘終了後に役に立つ。

ディアン:なるほど、じゃあ、これ(“アイデア”)が必要なんですね。オッケーです。

GM:では、一瞬チラッと、そういうやりとりが、行われて。

マッコイ:(親指を立てて)こんなものかな。

ディアン:それを見て、頷く。

GM:そしてディがすごいスピードで上に昇っていき・・・マッコイに対して、一度連絡が入ります。『仲間を一人で死地に追いやったな。死ぬぞ、あいつ』

マッコイ:「奴は判ってて行ったんだ。そしてな、独りでじゃねぇんだ。俺も遅れて行くさ、遅れてな。どうなるかは運命の神様次第さ。運命に見限られたお前が言えるセリフか? 自分で運命の絆を断って、機械という名の鉄の檻ん中に自分を押し込んだ、その身でその口を言うのか? 今更人間っぽいことをな」・・・〈挑発〉。

GM:うわー、綺麗に入ったー。えー、+5(笑)。

ディアン:何てアバウトなマスターなんだ!

GM:今ね、キーワードが何個か入ってたから。しょうがないんですよ。

マッコイ:(コロコロ)うぇ、ポシを使いたいぞ。これは。

GM:使っていいっすよー。消せないし。

マッコイ:えーと、+8+5で、〈挑発〉26。

GM:ほう。・・・ちょっと待ってー。・・・待ってー?(泣)

マッコイ:全力防御しないと大変なことになると思うけど。

GM:・・・プレイヤーズコール、まで行きます。どうしますか。

マッコイ:こういう場合は、奴に人間としての死を選ばせるってのが一番かっこいいんだよな。

マキシム:あぁー、ドラマチックだなぁ。

マッコイ:要するに、自分自身を機械化したことをすごく嘲笑していた奴だから。どうしたものかなぁー。

GM:背反する部分ですよね。別に、機械である自分を認めてないわけじゃないんだけど、やっぱり人間性と乖離してしまう部分はどうしてもあるって感じで。

マッコイ:最初ね、アンテナへぶつけてしまうっていう手も考えたんだけど、それをやってしまうと駄目なのよ、俺的にゲームオーバーになってしまうから。

マキシム:飛行機の一騎打ちってないのかな。一直線上に並んでさ。チキンレースみたいに。で、最後撃ち合って死ぬ。

GM:それもアリ。勝負そのものはついているので、内容だけ決めてもらえれば、その通りになります。

マッコイ:「スネーク。お前、人間として死にたいか? 機械として死にたいのか?」

GM:そうしたら、敢えて答えましょう。『俺は俺だ』彼は、幾つか死んでしまったチューブを引きちぎって、血液と他の液体が混じった紅いものに身を染めながら、あなたを見つめている気がする。ブチブチって音が聞こえたんで。

マッコイ:「最後の勝負だ。あの基地の根元にチキンランかましてみな。付き合ってやるぜ?」

GM:ニヤって笑って、『死んだ方が月に召されるというわけか』

マッコイ:「それもいいだろうよ!」

GM(スネーク):『よかろう』
 

二機のヘリコプターは大きく一度旋回し、
アンテナの根元に向けて猛スピードで突っ込んで行く。
マッコイは、人間として減速すべきだと感じるタイミングの一瞬後まで我慢して、
己の腕と度量で機体を操り衝突を避ける。
スネークは、そのタイミングでも減速することを選ばなかった。
そして・・・蛇のエンブレムの施された機体は、アンテナ基地の根元に激突。
爆風が基地の屋上を薙ぐ。
 

GM:えー、火がぶぁっと入って、気が散らされる。

マキシム:「何だ?!」

GM:「無粋だっ!」君が止めなければ、アークは去る気配を見せます。

マキシム:えーっと、去るってことはつまり、光に乗って飛んでくってことだよね。

GM:戦場がこんな状態では、戦ってられそうにないっていう判断を、彼はします。

マキシム:うわー、逃げられちゃ、困るなぁ。

マッコイ:でも正直勝てる相手?

GM:一対一だと、ま、ちょっときつい。

マッコイ:でしょ?

GM:不利なのは確か。絶対勝てないとまでは言わない。

マキシム:でも、やりたいじゃん(笑)。最終回だし。最終回は決めなきゃ。

マッコイ:なーるほど。

マキシム:「ここで決着をつけろ! アーク!」

GM:一声掛けるわけですね。そうすると、彼個人は振り返ろうとしたんですけど、楯が。

ディアン:うわー。

GM:すごい勢いで彼を引っ張って、彼は腕を押さえると、こう、無念そうな顔をして、「貴様に運があるならば、決着は月でつける!」と言って光で昇っていきます。

マッコイ:光ってまだ残ってたの。

セバス:さっさと追え。

マキシム:追いましょう。

GM:間に合うかどうか、〈間合い〉をしてください。

マキシム:“アドレナリン”で敏捷上げて、15。

GM:では光の残滓に手がかかり、あなたもそこに飛び込みます。次の瞬間、光は完全に消えます。
 

...to be continued HEAVEN Act 4
 


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