Eternal Smile > HOPE 『HOPE』〜世界の中心で愛を叫んだけもの〜 第二幕 「オーナー! 大丈夫ですか!」 渡辺:「なるほど。あなたが本物の、龍大人(ロンターレン)でしたか」 ディアン:「えっ?」 「ああ、そこにいるのはわたしの影武者です。あなたの世界では、身分を偽ることは好まれないのでしたね」 龍嘉誠によると、今夜このホテルでは、チャリティ・オークションが開催されるとのことだった。目玉商品は、アメリカ合衆国が売りに出した、青く美しい「ホープ・ダイヤ」。ホテルのオーナーである彼は、自らそれを落札し、代金を合衆国に「寄付」することで、宣伝と節税を同時に行おうとしていた。 ホープ・ダイヤには、呪いの力があると言われている。龍嘉誠はそのような「非現実的」な力を一笑に付しているが、精霊をも手懐ける魔法使いのイリスと、ヴァンパイアも一目置くハンターのジョンが、懸念を表明すると、困った顔になる。 「そんなものだと知っていたら、手を出さなかったかもしれないな」 渡辺:「今からでも遅くありません。龍大人、考え直し・・・」 「実はもう、内々に買う約束をしてしまったのだよ。あとは、契約書にサインをするだけだ」 イリス:「気になることがあります。ジルコニアという名前の宝石があって、それは、ダイヤモンドの代用品として使われるんです。私たちが追っている、魔法使いのジルコニアが、もしも、ホープ・ダイヤを狙っているとしたら・・・」 出火元は下層階。搬入口の近くは、恐ろしく高温になり、ウー・ハンの持ち込んだ荷物=巨大な「檻」の中で、「それ」は苦しんだ。怪力を発揮し、金属の檻をぐにゃりと曲げて、外へ逃げ出した。そして、何か不可思議な力に突き動かされるように、ホテルの外壁を登り始めた。 さらにもうひとつ、異変が起きていた。ホテル屋上のプールで、水の精霊が突如狂乱状態に陥った。それによって、プールの水が大量に溢れ、階下へ押し寄せようとしていた。 上は大水、下は大火事。延焼を防ぐために降りたシャッターによって、地上への脱出経路は塞がれてしまう。宿泊客や、ショッピングを楽しんでいた客は、パニックを起こすばかり。 ディアン:「オレたちは、ストームナイト。大丈夫だ。必ず、助ける」 ジョン:「よう! 久しぶりだな!」 ディアン:「ウー・ハン?!」 ジョン:「なんだディアン。きみはこいつの知り合いか」 ディアン:「ナイル帝国十総督のひとりだ。(向き直って)ウー・ハン! 今度はどんな悪事を働こうとしている?」 「失礼アルよ! 人の顔を見たら、まるで悪党みたいに!」 ディアン:「違うのか?」 「いや、そんなことないアル」 ディアン:「あるのかないのかどっちだ!」 渡辺:「計算外でしょ?」 ディアン:「切り札、とは?」 「ふん、話すわけがないアル」 ジョン:「え? マスター、ここにキングコングを盛るの?」 GM:「当たり前じゃないですか! 盛れるだけ盛りますよ、映画ネタ!」 ディアン:「イリス!」 渡辺:「ひょっとして、お前の切り札というのは、『あれ』?」 渡辺:「今、この状況を何とかできる方法を、必死で考えろ。金ならいくらでも出す」 「えっ。・・・わかったアル」 渡辺:「おいお前、本当は金なんて必要ないのに、この機に乗じてふんだくろうとか考えてるんだったら、ぶっ飛ばすからな?」 ジョン:「問題は、どうやってその首輪をつけるか、だな」 「はっ! ビルの中は地獄! 外はゴリラ! 壁を登ろうなんて無理に決まっているアル! そんなことやろうとするヒーローがいるなら、顔を見てみたいアル!」 ディアン:「わかった。オレが行く!」 ジョン:「そんな装備で大丈夫か?(*5)」 ディアン:「大丈夫だ。問題ない」 何故か壁が崩れ、ホースがすっぽ抜ける! 落下するディアンに迫るは、死の運命のみ! ジョン:「きみが最後の希望だ」 渡辺:「ウー・ハンっ!」 「合点承知アルっ!」 こうしてディアンは命を救われ、イリスはリンクを回復してゴリラをなだめ、危機を脱する。 (→Act 3) "Eternal Smile" Since 2002.02.02 E-mail:charmy_s@mac.com |