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TORGプレイレポート

『HOPE』

〜世界の中心で愛を叫んだけもの〜

 

第三幕

 
シーン1

 
 サムズアップするウー・ハンに、上半身裸の渡辺がつかつかと歩み寄り、いきなり平手打ちする。
 

ディアン:「ワタナベ! 何をする?」

 
 渡辺はディアンの方へ振り向き、そして目を伏せる。
 

渡辺:「すまん。どうかしてた

 
 ゴリラは、両の手のひらで優しくイリスを抱え、仲間のところにそっと降ろす。
『ごめんね。痛くなかった? 大丈夫?』
 イリスは笑顔で応え、彼から事情を聞く。
 彼は元来、善の本性を持っていた。ウー・ハンに捕らえられて香港へ渡り、ホテルの中で何か不可思議な力の影響を受けて、我を忘れたのだと言う。

 状況を鑑みるに、彼を狂わせたのは、ホープ・ダイヤに込められた呪いの力。ホープ・ダイヤは、暫定的な持ち主である龍嘉誠に、破滅をもたらそうとしているのだ。その証拠に、彼の所有するホテルは、次々と災難に見舞われている。
 

GM:「上は大水、下は大火事、外はゴリラ。さて、なーんだ?」

一同:「このホテル!」

 
 先ほどの水の精霊がイリスの元にやって来る。彼/彼女の不倶戴天の敵である炎の精霊が、下層で大火事を引き起こしたらしい。ジルコニアに命じられたか、呪いの力を受けて狂乱したのか。いずれにせよ、一刻も早くジルコニアを発見する必要がある。

 ストームナイトにとって、ウー・ハン一味の存在は僥倖だった。ジルコニアは計算高い魔法使いだが、ゴリラがホテルの外壁を登るという状況は、確実に彼の予想を超えているはずである。そのため、魔法による変装やアリバイ工作などにも、綻びが生じているかもしれない。
 イリスは、仲間の助言を受け、もう一度、【アウェイ・サイト】を試みる。

『火災は鎮火に向かっております。今しばらく、こちらでお待ちください』
 オークション会場に近い、関係者控え室。その中で、悠然と座る龍嘉誠の影武者。
『あ、はい。ホープ・ダイヤはそちらです。ご覧になられますか?』
『ほう、これが、ホープ・ダイヤか』

 ガイアがジョンに彼だと囁く(*7)。ジルコニアは、龍嘉誠の影武者に成り代わっている。
 

「何だね、きみたち。ここは関係者以外立入禁止だ」

ディアン:「ならば、お前も出て行くべきだろう。ジルコニア」

「ほう、慧眼だな。よくここがわかったものだ」

ディアン:「イリスが見つけた」

「小娘と侮っていたが、なかなかやるものだ」

イリス:「アイルの魔女ですもの」

「あの高慢で、汚れなど知らぬような顔をした魔女の手先か! あの女こそ、地獄の劫火で焼かれるに相応しい! 代わりに貴様らを地獄の劫火の薪にしてやろう! 溺死でもいいぞ!」

 
 ジルコニアは挑発を続ける。
「貴様らのそんな姿を見たら、あの魔女はどんな風に思うだろうなぁ!」
 

ジョン:「いや、何とも思わないと思うぞ」

「・・・え?」

ジョン:「私はヴィクトリア人だ。アイルの女王とは面識がない」

 
 キメ顔でジルコニアに説くジョン。一同、そういう意味じゃねぇよ、と総ツッコミ。
 

ディアン:「お前が女王陛下の心配をする必要はない。ストームナイト、ディアン・オブロー。ジルコニア、オレはお前を斬る」

「やれるものならやってみろ!」

 
 ジルコニアは高らかに嗤い、いつの間にか手にしていたホープ・ダイヤを顔の前に掲げる。
「呪いの力で闇の魔力が増幅されている。この場所は我らにとって有利だ。その証拠に、我が僕を召喚することも容易い。いでよ、リヴァイアサン!」
 水路から、巨大な顎門を持つ水龍が現れる。人々に危害が及ばぬよう、ディアンは水龍を止めに走る。

「楽しそうなパーティ会場ね。私も混ぜてくださらない?」
 戦力が分断されたことを見透かしたかのように、吸血鬼サラサが、夜の闇よりさらに深い闇をまとって現れる。彼女もやはり、ホープ・ダイヤが持つ呪いの力に惹かれているのだ。

(→Scene 2)
 


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