第三幕:Year of No.6
シーン2 ストームナイトの嘘と真実(その2)
- ストームナイトは療養所へ引き返すことにする。
その途中、道行く人に向かって演説する老人を見かける。
「皆さんは絶望しているが、必ず救い主が現れます!」
- 阿笠:救い主か・・・。
「救い主はおっしゃられました。貧しい者、虐げられた者が解放される未来が来ると!」
稼頭姫:(阿笠を見て)どこかで聞いた話よね。
- そこへ、ニッポンの商安局員、ナイルのショックトルーパー、
サイバー教皇領のサイバー騎士から成る一団がやって来る。
「こんな所でそんな物語を語る許可をした覚えはない!」
「く、くうっ、ストームナイトの馬鹿野郎!」(逃走)
- カケル:え、ストームナイトの馬鹿野郎って?!
「ふん、我々ストームナイトに楯突くとはな」「ん、何だお前?」
- カケル:「い、いや、ストームナイト様、万歳ー」
「はっはっは。我々は、ニッポンテック、ナイル帝国、そしてサイバー教皇領混成部隊。まさにストームナイトだ」
商安局員たちは満足げに引き上げ、カケルは自責の念に囚われる。
どうやら現在ストームナイトという名称は、
「ハイロードに対抗する誇り高き嵐の騎士」ではなく、
「金輪龍一子飼いの兵隊」という意味合いで使われているようだ。
稼頭姫:今追い払われた彼に話を聞けば、詳しいことが判るかもしれないわ。
- 阿笠:追いかけてみよう。「大丈夫ですか? ご老人」
「ぜぇはぁ。あぁ、ありがとう」
- アーウィン:「先程の話を詳しく聞かせていただきたいのですけど」
「な、なに! その物言い。お前、騎士だな!」
- アーウィン:「私は決して、あなたが思うような悪い人間ではない!」
「信じられるものか。アイルの騎士といえば、ストームナイトの最先鋒ではないか」
- アーウィン:「何故、騎士やストームナイトが悪いとおっしゃっておられるのですか?」
「確かにストームナイトは世界を救ったかもしれんが、我々貧乏人にとっては敵だ! アイルの騎士はその中でも最悪の連中だ。裏切り者の代表。なにせトップが、女王が悪い奴だった」
- アーウィン:陛下が・・・(絶句)。
「お前らは知らないだろうが、昔、本当のストームナイトがいた。彼らはきっと戻って来て、この世の中を良くしてくれる」
- 阿笠:「ご老人。ひとつ忠告してもよろしいか。救世主救世主と、他人に頼ってばかりでは、いつまでもこの状況は変わらない」
「確かにその通り。しかし、胸を打つ物語なんじゃよ! あの金輪龍一を倒したという物語は!」
一同:!!
驚いたことに、4年半前、阿笠が金輪ビル襲撃の前夜に
芭蕉たちの前で語った伝説が、今も語り継がれていたのだった。
この事実はストームナイトを少なからず勇気づけたが、
残念ながら老人の誤解を解くことはできなかった・・・。
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