TORGプレイレポート

『Keynumber is THE "6"

 
 

第三幕:Year of No.6

 
シーン3 一人勝ちの法則

 かつて東南アジアは、最強のハイロードであるゴーントマン及び
 彼に従う怪物によって支配されていた。
 人々はその地を、恐怖のレルム、オーロシュと呼んだ。

 スクサーカは、「ナイトメア」という地位に就く魔物であった。
 シンガポールに会社を作り、邪悪な陰謀を巡らせていた。
 しかし・・・彼は自嘲的に語る。今の自分は、ビジネスに失敗し
 薄汚れた路地で暮らす、文字通りの「負け犬」である、と。

アーウィン:「お前のいたオーロシュは、どうなったんだ?」

「オーロシュは酷かった。戦争開始から21ヶ月目に、ゴーントマンが復活する兆しを見せた。すると金輪龍一は、インド洋に巨大な戦艦を持ってきて、主砲からとんでもない弾丸を発射して、イルマウンド要塞にぶつけたんだ。その弾丸は、自由の女神だった」

一同:(笑)

「復活した途端、彼は自由の女神砲の直撃を受けて、再び嵐の中に閉じ込められた。あと100年は出て来られないだろう。金輪龍一はこう言ったよ。『我々はあいつにエタニティ・シャードを贈ってやった。彼はありがとうと言ってそれを受け取った』」

 最強のハイロードであるゴーントマンにも、弱点がある。
 エタニティ・シャードというアイテムに触れると、即座に大嵐が起き、
 そこから脱出するまでは無力化されてしまうのだ。
 金輪はそれを知っていて、世界最大のエタニティ・シャードである
 自由の女神を彼にプレゼントしたのであった。

 続けてスクサーカは、各レルムとハイロードの末路を語る。

アイル:戦争初期、ペラ・アーディネイ女王はユーソリオン卿に身体を乗っ取られていた。恐らくその時期の物だと思われるが、ニッポンのテレビ局が、サイバー教皇ジャン・マルローとアーディネイが会談している映像を公開した。アーディネイは嘘がつけないため、それが自分の身体であることを認めた。ゆえに彼女は失脚、現在行方不明。

ナイル帝国:政府の中枢を握っている悪人たちが、ニッポンから賄賂を受け取り、仕事をさぼり始めた。それによって帝国は著しく弱体化し、コアアースの軍隊に敗れた。ハイロードDr.メビウスは現在行方不明。

サイバー教皇領:ナイル帝国崩壊後、ナイルの正義のヒーローたちはフランスへ渡り、周辺のコアアース諸国と協力してサイバー教皇領を討ち滅ぼした(多くの犠牲を伴ったが)。ハイロードジャン・マルローは現在、金輪が運営するネットワークの管理者を務めている。

リビングランド:ニッポン製兵器で武装したアメリカ軍に度々敗北を喫していたハイロード、バラク・カーを、遂にダークネスデバイスが見限った。バラク・カーはニッポンに捕らえられ、金輪が経営するサファリパークで見世物となっている。

カケル:肝心のニッポンテックは?

「ニッポンテックは一人勝ちを収め、コアアースを殆ど飲み込もうとしている」

稼頭姫:「ちょっといいかしら。4年半前、衛星軌道から白い光は降ってこなかった?」

「あぁ、金輪ビル爆破事件だな。あの暗殺未遂もきっかけだった。これではいけないと、金輪はストームナイトに資金援助をし始めた。それが悪夢の始まりだった」

 沈黙するストームナイト。恐らく衛星からの光線を受けたあの瞬間、
 金輪龍一はTORGとなるための3要件(ポシビリティ判別能力、
 物理的エネルギー、ポシビリティエネルギー)を満たしたのだろう。

「そうだ、お前らには言っておかなければいけないな。今ストームナイトは許可制になっている。『プロストームナイト社』の許可さえ取れば誰でもストームナイトになれる」

阿笠:何だと?

「その社長は誰だと思う? 初めてストームナイトという呼び名を使った人間だよ」

アーウィン:「トルウィン・タンクレッド?! どういうことだそれは」

「あいつはな、ストームナイトという名詞を商標登録して、裁判に勝ったんだよ。今テレビでストームナイトと1回言う度に、彼女の懐に10円入る」

稼頭姫:「世も末ね・・・」

 トルウィン・タンクレッドといえば、アイルで最も有名な聖騎士。
 名誉の体現者であった筈の彼女が、この体たらく。
 ストームナイトは苦笑いする他なかった。
 と、スクサーカが身を震わせる。背後から何者かが近づく気配。

「すまんな。後をつけさせてもらった」

 振り向くとそこにはドクターの姿があった。

「わしのところに隠れていれば生活の保障はできたんだがな。さすがストームナイト、調べずにはいられないか」

カケル:「あんた・・・一体何者なんだ?」

「ついて来れば教えてやろう」
 

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