TORG・ABCリプレイ

『LIBERTY』

 
 

第二幕

 
シーン4 五里霧中(承前)
 

蓮翔:で、どっちの方向に動くかを決めようか。

ディアン:ヴェルムは、今のところ、何処にいるのか判らないんだな。

GM:そうですね。約一ヶ月前に、記録が途絶えている状態です。

蓮翔:自分から行方くらましたのか、抹殺されたのかも判らない?

GM:判らないですね。

ディアン:ザルマンが、呼んだ、とはなっている。

蓮翔:そうすると、ザルマンが限りなくクロに近い。っていうか、ザルマンむかつく。

マキシム:(笑)まぁな。

GM:「アイツと友達になりたい」って人がいたら僕は遠慮します(笑)。

ディアン:スペシャルズに、魔法の力を与えるために(*19)、ナイルの知識と、ニッポンの金が使われた?

GM:そう。他にサイバーテクノロジーが使われてる可能性もアリアリ。そりゃあ精神も病むわあの人、って感じですけど(笑)。

マキシム:スペシャルズはさ、何かを捜してたよな。多分捜してたのはロレーヌだと思うんだけど。

蓮翔:あ。ロレーヌに、あれだけ固執してるってことは、ヴェルムを逃がしたんだよ、多分。で、ロレーヌから、ヴェルムの居場所を訊こうとして、それが失敗に終わった。

ディアン:そうか! 『隠すとためにならん』と言っていたし。

リリアン:そうか!

ディアン:では、チップに手掛かりが入っているということか。

蓮翔:もう一回調べておくれ。

リリアン:「なるほどねー」とか言いながら、内心「え? ロレーヌたんにザルマンたんが懸想したんじゃないの?」っていうオチかと思ったんだが。

ディアン:そういうオチだったら、吊り上げて殴ったりはしない。

GM:そうですね。ヴァイオレンスっぷりにも程があるだろうっていう(笑)。

リリアン:とりあえず、外部との接続は切った上で、解析始めます。(コロコロ)気合いが足りねぇー。えーとね、達成値12。

GM:ではですね、さっき判ったことで、全てだと思ってたけど、もう一回調べたら、まだ何かある、ってことまでは気づきます。

蓮翔:え、途中で、パスワードが必要っていう画面か何か・・・。

GM:出ます。

蓮翔:そしたらそれにロレーヌ(Lorraine)って入れれば?

リリアン:うん。それを入れてみるんだが?

GM:そうすると、プロテクトが解けます。で、ヴェルヌの姿が画面に映り、画像メッセージが流れます。
 

『このメッセージを見ている者が、心ある者であることを祈る。
私は、このフォートレスに、大いなる災いが眠っていることを知った。
私の愛する者たちを守るためにも、これを、止めなければならない』

『ロレーヌ、君が見ているならば、できるだけここから遠くに離れてくれ。
ここは、君と僕とが望んだ国ではなかったようだ。
もし、ロレーヌ以外の者が見ているならば、
ここから離れるようロレーヌに伝えてくれないか。そして、
これを見たあなたに危害が及ばないことを、せめて祈らせてもらう。
神に祈ることを認められぬこの身なれど、最後の祈りが届きますように』
 

リリアン:そういえばフォートレスの設計図入ってたわよねー。

GM:それを一枚一枚見ていくとですね、センター塔付近から杭が随分下まで続いていて、地下に打ち込まれてるんですけど、先端がブラックになってますね(笑)。

リリアン:うーん、どうもこれはクサいわねー。

蓮翔:大いなる災い。

マキシム:多分、シャレになんないことになりそうだな。

リリアン:自爆兵器?

蓮翔:それに、『ここから離れろ、そのまま放っておくことはできない』ってメッセージを残してるってことは、ヴェルムは、このフォートレスの中にいるってこと?

マキシム:可能性は高いな。

ディアン:取引をしているのかもしれない。ザルマンと。

マキシム:それか、このフォートレスを破壊するなり、止めるなり、しに行ってるんじゃないか。

蓮翔:うーん、ザルマンと取引をしていたら、ザルマンはここまで強硬な手段に出ないと思うな。若しくは、取引の途中でチャラになって腹立ててるか。

リリアン:口封じで消されたか。
 

これで、4人が捜し出さねばならない人間は2人となった。
セントラルパークに潜伏していた臨月の女性ロレーヌと、
その夫と思われる、元サイバー騎士のストームナイト、ヴェルム。
 

蓮翔:ロレーヌに今から接触できる? メッセージを見た以上、彼女を逃がすことを最優先するべきか。

リリアン:とりあえずロレーヌがどこら辺にいるかは判るの?

GM:今仮に、ソニアさんに調べてもらえば判るとは思います。

蓮翔:ザルマンに見っかんないようにロレーヌを逃がすことは難しいですか?

GM:そうですね、あなたたちの力をもってしても簡単ではないでしょう。

リリアン:普通に考えると、まずスペシャルズが何人いるか掴まないことには動けない。

GM:それは、さっき頑張ってたので全部だから、お付きも含めて4人です。

リリアン:筋力バカ、スケベ、ガキ2匹でしょ。

GM:全くその通りなんですけど。わたくし、ぐうの音も出ないんですが(笑)。

マキシム:あっ、因みに仕事請けたってことは、指揮下に入っちゃってるってこと?

GM:勿論。

蓮翔:だから今スペシャルズは、上官扱い。

GM:向こうはここの指揮官クラスの権限を持っているので、今やりあうと、「うち(アメリカ)と戦争する気ですか?」って話になるわけ。

リリアン:ま、尻尾はそのうち出るでしょ。

蓮翔:尻尾出してくれてふん縛れればいいけどね。多分尻尾出ないだろうなー。

ディアン:なら、ザルマンを直接問い質しに行けばいい。

マキシム:(頷く)

蓮翔:・・・・・。えー、さすがだ。

マキシム:俺もね、正々堂々と、殴って、奪って、逃げてやろうって思ってたんで。

GM:うん。小回り利かないんですよ、この2人。

蓮翔:タバコをぷかーっ。「染みるなぁー」みたいな。

リリアン:「戦場では後ろから弾が飛んでくるってことあるのよねー」

マキシム:「そんな卑怯者と取引するつもりはない!」

GM:男らしい!(笑)

リリアン:それ聞いて頭抱えてる。

蓮翔:とりあえず、このままだと、バカ2人が真っ直ぐ突っ走って暴走になる可能性があるので、何か仕事を与えといた方がいいかなーと思う(笑)。
 

NEXT → 出掛けようとするリリアンに、あのダメ男が迫る……
 


PREVIOUS

back to Eternal Smile


"Eternal Smile" Since 2002.02.02
Copyright (C) 2002-2020 Charmy. All Rights Reserved.

E-mail:charmy_s@mac.com