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TORGリプレイ

『Limited War』

第二幕

 
シーン1 起業

 
GM:では第二幕、いざ、企業戦争に入っていきます。お渡しした「企業戦争ルール」をご覧ください。
 

 GMは、A4サイズ1枚のレジュメをプレイヤーに示す。
 レジュメはこちら(別窓で開きます)。
 

GM:手順A。まず、財閥の概要を決定します。親会社は勇人、2つの子会社は、ドクターとフリオさんに、動かしてもらいます。嵐王寺流通のデータを決めるのは、神崎さんにお願いできないでしょうか。

神崎:いいですよ。でも、嵐王寺流通って名前でいいの? さっきの、ライバルの人の会社名に変わるんじゃないの?

GM:会社名はそのままです。株主総会で決議が成立するまでは変更できません。飛鳥譲は、あくまでも、嵐王寺流通のCEO代行なので。

イクイリ:のれんとか結構色々関わるから、名前はそうそう変えない。

勇人:で、一番最後に名前を変えようとして、「ふふふ、これで完全に俺のものだぜ!」っていうのがクライマックスだと思う(笑)。

神崎:ああ、なるほどね。確かに。

GM:次は業種の決定です。ルールブックの100ページにある表で、1から20まで、出た目によってランダムに決めようかと思うんですけど、もし、敢えてこれにしたい、という希望があれば。

勇人:元々の僕の企業が、運輸・流通だったので、同じ業種でぶつけてもいいし、全然違う業種をやるのも、それはそれで面白いと思う。

神崎:(表を見ながら)運輸をやってたんだとしたら、航空宇宙産業とかも面白いんじゃない? あれだよ、新しいはやぶさみたいのを作って、プロジェクトを立ち上げたりするとか。

フリオ:まさに下町ロケットな感じ。

勇人:あー、いいですね、燃えますね。よし、この前フランスに行ったので、フランスは亜軌道シャトルとかも打ち上げているから、それで宇宙産業にも興味が出たということにしよう。

GM:では、航空宇宙産業で決定ですね。続いて、手順B。6つの企業データの初期値を決めます。

勇人:きたよ。これだよ。

GM:株価、資産、収益、債務の少なさ、利払いの少なさ、流動資金。ダイス1発振りです。それぞれ、出目が高いほど有利になります。まず、初期株価の決定からです。ダイスを振ってください。

神崎:(コロコロ)11。

GM:嵐王寺流通の初期株価は、1万2千円。

神崎:高いなぁ!

勇人:ニッポンは今、超景気だから(*12)。じゃあ振る。たぁ!(コロコロ)18。

GM:お、いいねー。18は1万8千円。

勇人:よっしゃー! おっし!

GM:子会社をお持ちのお2人もお願いします。

イクイリ:(コロコロ)13。まあこんなもんでしょ。

GM:13は1万3千円。

フリオ:(コロコロ)おぅ! 1。

GM:1は7千円。

勇人:神崎さんがいい目を振ってくれると、将来的に、ああ、あんなすごい会社を取り返すんだ、っていう、モチベーションになる。

GM:次は資産。株価の100万倍です。株価が高いと、資産も増える、という謎ルールです。

フリオ:7千円の100万倍だから、70億か。

イクイリ:1万3千円の僕は、130億。

神崎:120億。

勇人:僕は180億。ひゃっほう。出目が良かった。

イクイリ:もしかして、新しい会社の方が、儲かってるんじゃないですか、社長?

GM:次、ダイスを振り、資産と出目の交差するところが、収益となります。ご自身の資産を教えてください。

勇人:資産180億で、(コロコロ)出目は9です。

GM:180の9。初期の収益は8千万円です。

イクイリ:資産は130億。(コロコロ)15。

GM:130の15だと、1億。

神崎:(コロコロ)17。

GM:120の17。同じく1億。

神崎:1億か。結構儲かってるな。

勇人:資産はあるが、意外に収益が少ない。黒字だがな。

フリオ:(コロコロ)10。

GM:70の10は、3千万の収益。問題は、この次に決める債務です。出目が高いほど、債務は少なくなります。20だと、債務ゼロです。

神崎:債務ゼロはいいね。

勇人:そう。出目が低いと大変辛い。(コロコロ)ギャッ。3。

GM:出目3。資産180億だと・・・200億の債務、一月の利払いが2億。ぎゃー。

神崎:え、2億?! うわ、すっげー。

イクイリ:B/Sが沈んでるよ。バランス取れてないから、多分マイナスになってるよ。

神崎:休眠会社買ったら、その負債がすごかったってやつだね。

勇人:うはー! いい逆境もらったわー。

イクイリ:(コロコロ)15。

GM:債務30億。利払いが月3千万。

イクイリ:ああ、それなら全然。

GM:大丈夫そうですね。

神崎:最初の出目よりも、むしろこの出目が重要じゃね?(コロコロ)2! あはははは!

GM:嵐王寺流通もかなり背負っちゃったなー。資産120億で、同じく債務200億。

神崎:このままだったら、嵐王寺流通、潰れるよ。何故かっていうと、収益が1億で、利払いが2億で、問題なのは、元本が消えてないんだよ。

イクイリ:最初でかくても、この出目が低いと、比例して債務がえらいことに。

フリオ:(コロコロ)15。

GM:70億の15。債務10億。利払いが月1千万。

神崎:いい企業だなー。低そうに見えるけど、実はすごく安定してる。3千万の収入があって、利払いが1千万だから、収益2千万で、それを元本消すのに使える。

勇人:それは大変いいですね。

GM:最後、収益引く利払いの金額が、流動資金となります。

勇人:マイナスに決まってんじゃん! マイナス1億2千万だよ!

神崎:嵐王寺流通、資産は120億あるんだけどさ、負債が200億あるって、破産しちゃうよ、こんな会社?(笑)

フリオ:多分、あれじゃないの? 契約のペナルティを結構食らったんじゃない?

勇人:でしょうね。あの、大変、取り戻したくない会社になりました(笑)。

GM:ということで、皆さんの会社のデータが次のように決まりました。
 

 【開始時企業データ】

初期株価資産収益債務利払い流動資金
勇人18000円180億円8千万円 200億円  2億円なし
イクイリ  13000円 130億円  1億円 30億円3千万円 7千万円
フリオ 7000円 70億円3千万円 10億円1千万円2千万円
飛鳥12000円120億円 1億円200億円 2億円なし

 
勇人:さすが芭蕉。そのまま運用するだけで上手くいく企業など渡してくれるわけがない。

神崎:飛鳥譲も、このバランスシート見た瞬間に、愕然とすると思う。ここの社長になれって言われたら、それいじめ? って言うよ、俺は。

フリオ:明らかに、清算するために、送り込まれたんでしょ。

勇人:僕的には、これで、飛鳥譲に言うことができるわけです。「お前も騙されたんだ」と(笑)。トカゲの尻尾切りで、押し付けられただけなんだ、と。

イクイリ:基本的に、会社の規模が大きくなると、畳んだ時に、色んなところに影響が出るから、色んなところが資本注入して、何とか残そうとすることが多い。または、逆に株価をどんどん下げていって、買いやすくして、自分の持ってる会社に、安く吸収して、のれんだけ持ってくとか。

GM:何だか、会社のデータを決めただけで、自然とドラマが生まれた感がありますね。ここでマスターから、今回の企業戦争におけるノルマを発表します。2ヶ月後の株主総会までに、嵐王寺流通の株を、10万株以上持っていただくことです。

 
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