Eternal Smile > Limited War
 

第二幕

 
シーン２　新顔（承前）

 
　現在の嵐王寺流通の株価は、１２０００円。
　１０万株を購入するには、単純計算で１２億円が必要となる。
　果たしてどのようにその資金を捻出するか。プレイヤーの手腕が試される。
 

ＧＭ：それでは、企業戦争１ヶ月目、企業を実際に動かしていきます。初めに、相場変動表を売ります。上げ相場、普通、下げ相場の３種類があり、この出目によって全企業の株価が上下します。（コロコロ）１４。普通相場で変化なしです。次は、営業活動による株価の変動。 難易度９で〈ビジネス〉の判定をして、いくつ差で成功かを教えてください。

神崎：（コロコロ）６、マイナス５。達成値１２だから、３差ですね。

ＧＭ：３差だと、まあよい成功。５％上がるけれども、利払いできない企業の株価は、自動的に５％下がるので、差し引きゼロです。

勇人：（コロコロ）ポシビリティ使いまーす。（コロコロ）えーと、出目４２なんで、〈ビジネス〉３０。９引いて２１差。

ＧＭ：ぷは！　すごいなー。株価が１５％上がります。

神崎：おお、すごい。株価が一気に上がった。

ＧＭ：５％下がって１５％上がるから、＋１０％。株価が変わると、資産と収益が、同じだけ変わります。

勇人：１９８００円。資産は１９８億まで増えた。

ＧＭ：皆さん終わりましたか。企業売り出しフェイズと、産業スパイフェイズは、今月は飛ばして、企業買収・売却フェイズ。企業を売却したい場合は、〈ビジネス〉で判定します。

勇人：売りてぇ！　超売りてぇ！（笑）

ＧＭ：続けて説明しちゃいます。資金運用フェイズ。一回１億円で、次の行動を行えます。「設備投資」。資産が増えて、株価も上がります。「株価操作」。難易度８で判定して、成功のレベルに応じて、競合相手の株価が値下がりします。

神崎：最終的に、嵐王寺流通の株を１０万株買う。

勇人：ってことを考えると、下げとく方がいいのかな。

ＧＭ：あとは「リストラ」と言って、１社のデータを最初から振り直すこともできます。ただ、振り直しなので、良くなるとは限らない。

イクイリ：それは、流動資金でやるの？

勇人：あははー。流動資金がないから、何もできない。

ＧＭ：流動資金を増やすには、自分の負債を減らせばいいんですが、正直言うと、テストプレイでも、負債を爆発的に減らす方法は、売却しかなかったです（＊１４）。

勇人：売る時に、資産額の何倍売りとかが発生するのかな。

ＧＭ：そうです。今の資産１９８億の、最大で２倍なので、３９６億で売れます。

勇人：よし、売ろう（笑）。

神崎：だったら、こっちも嵐王寺流通を売った方が健全になるんで、飛鳥譲は・・・。

ＧＭ：待って待って！　それをしちゃうと、色々と問題が。

神崎：でもこのままだと、敵が弱すぎて、取り返す前に倒産しちゃうよ。

イクイリ：単純に、「黒幕の会社から、資本が注入されて、嵐王寺流通の債務が帳消しになった。債務を消したことによって、飛鳥譲の影響力がすごく増えた」という風な話にしてしまえばいいんじゃないですか。

ＧＭ：ふむふむ。

イクイリ：このままだと、嵐王寺流通の株価は、順調に下がり続けるんですよ。ゲーム的に、ある程度の難易度を担保するには、飛鳥が肩代わりして、債務を減らしたっていう話にする方が、イケてるような気も。

ＧＭ：そうですね。では、この月の途中で、嵐王寺流通の債務２００億が帳消しになったことにします。理由は、墜落事故の保険金がおりたからです。

イクイリ：きゃー、すごーい。

ＧＭ：利払いの２億もなくなるから、収益１億が、そのまま流動資金になります。

フリオ：金輪産業からこう、ぐるぐる回って。

勇人：ロンダリングされていったんだろうなー。ってことでマスター、倍の値段で売るにはどのくらい成功すればいい？

ＧＭ：難易度１０の〈ビジネス〉判定で、すごい成功、１２差以上。

勇人：（コロコロ）ポシビリティ使います。（コロコロ）＋９つくから、余裕。

ＧＭ：では資産の倍の、３９６億で売れました。３９６億の手持ち資金を得て、借金が返せる。

イクイリ：債務は３０億しかないよ。

フリオ：うちは１０億。

ＧＭ：２４０億を払って、３社分の債務がゼロになって、残りの１５６億が流動資金になる。

イクイリ：それだけあったら、嵐王寺流通が買えちゃう？

ＧＭ：（しまった、予想外だ）資産総額を上回れば買えますけど、ここで買われたら終わっちゃうので、買わないでね？（笑）

イクイリ：おう、せ、せやな。

神崎：嵐王寺は、会社を売った後、もう１回作り直すってこと？

ＧＭ：作り直さない。残り２社のうち１社を親会社という扱いにして、運営することになります。

勇人：ではドクター、２人で運営しましょう。合弁会社にした、みたいな扱いで。

イクイリ：そうすると、我々の流動資金は６８億。

フリオ：９８億入って、流動資金８８億。

勇人：まあ、景気良く逆転するにはこのぐらいあれば。

ＧＭ：飛鳥譲はどうしましょうか。１億の流動資金で。

神崎：設備投資するのが一番無難だと思う。

勇人：うん。一番安定です。

ＧＭ：設備投資によって、資産が１０％増えます。株価も上がって、１３２００円になります。

勇人：こっちも設備投資は、とりあえず１回しておきましょう。

ＧＭ：他に、資金運用フェイズで、やりたいアクションがある方はいますか？

イクイリ：嵐王寺流通の株価を、２回ぐらい操作してみようかな。お互い１回ずつ振ろうよ、社長（笑）。

勇人：そうですね。ジーニアス、お先にどうぞ。

イクイリ：（コロコロ）〈ビジネス〉２０。

ＧＭ：１２差。（株価操作表を見て）１０００円値下がりしました。

勇人：さらに追い討ちをかけにいくぞ。とお！（コロコロ）１８振った。ヒャッホウ！〈ビジネス〉２３。

ＧＭ：同じです。一気に、２０００円値下がりしました。

神崎：１１２００円ですね。初めが１２０００円だから、初めより下がってますね。

イクイリ：「社長。やりおりますな。くっくっく」

勇人：「しかし、これだけの攻撃を受けても、２０００円程度しか値下がりしないとは。さすが敵も、やるものです。では、１億円を用意して、神崎さんに繋ぎを取りましょう、いや、鈴木さんでしたね」（笑）

ＧＭ：産業スパイとして送り込まれた、神崎さんが得た情報は、次の月にお教えします。
 

　【１ヶ月目企業データ】

 
ＧＭ：これで１ヶ月が終わりました。そういえば、まだ皆さんの会社の名前を聞いてなかった。

勇人：会社名はシュツルムリッター。まあ、ここまで堂々としていて気づかれないとはね。

ＧＭ：日本語に訳すと？

勇人：嵐の騎士だ（笑）。シュツルムが嵐で、リッターが騎士。本人は、ヴァイス・シュツルムリッター（嵐の白騎士）と名乗っています。完全に、マスコミ要員の、面白社長として。

イクイリ：社長。私も仮面を被りますか？

勇人：あ、いいですね。じゃあ被ってもらっていいですか？

ＧＭ：円さんが、サングラス掛けて、「・・・これでよろしいですか」

イクイリ：目を合わさず、「う、うん。似合ってると、お、思うよ」

勇人：「さすがデキる秘書だね。円くん」

ＧＭ：「お揃いの仮面の方がよろしいのでしょうか？」

イクイリ：「そ、そこまではしなくて、い、いいと、思う」だらっ（冷や汗）。

ＧＭ：「かしこまりました」

フリオ：うちは、ひらがなで、いたりあ商会（笑）。

勇人：味わい！　いい味わいですね。

フリオ：うちのアドバイザーのエリスが、「今ニッポンではひらがなが流行っています」と言っていたので、「そうか、ひらがなというのは、なかなか、丸い感じでいいね」みたいな。

神崎：こっちは、鈴木正人としての立場で帳簿を見ながら、「うわー、２００億も資本注入してるよ！　どっから来たんだこの金！」みたいな（笑）。

勇人：うわー。真っ黒ー。

神崎：真っ黒だねー。だってこれ、明らかに、政府機関からの圧力による、注入だよね。飛鳥譲が、本当にこの会社が欲しくて自分の金を突っ込んでるとは、俺の感覚では全く思えないんで。

勇人：迂回資金が入ってる感が、すごい。

ＧＭ：では第二幕終了です。皆さんに１ポシビリティ差し上げます。

 
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