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TORGリプレイ

『Limited War』

第三幕

 
シーン2 密使

 
GM:第三幕は、11月の1ヶ月間です。(コロコロ)今月も普通相場でした。株価の変動、難易度9の〈ビジネス〉をお願いします。

勇人:基本的に、嵐王寺流通の株価を下げといて、僕たちの資産を着実に増やして、最後にバッと買って、10万株持って、株主総会に乗り込む、という方向性がよいと思う。

イクイリ:さっき僕振ったから、社長、どうぞ。

勇人:了解。たぁ!(コロコロ)

神崎:(コロコロ)2。うわー。

GM:飛鳥譲のポシビリティを、使ってもいいです。

勇人:ここでボスのポシビリティを減らしとくと、クライマックスで楽になるんじゃね?

神崎:解りました。使います。(コロコロ)19。〈ビジネス〉23。

イクイリ:因みに、神崎さんは、そのポシビリティを使うのを見ているから。

GM:打ち消しはできますけどね。

イクイリ:産業スパイで入ったPCが、NPCのポシビリティ使用を片っ端から邪魔するって、結構夢がある(笑)。

勇人:ただ、それやると、アタッカーの神崎さんのポシビリティも減っちゃうので。

GM:達成値23だと、15%上がるね。11200かける1.15=12880円。

イクイリ:お、だいぶ跳ね上がった。

勇人:こちらは出目が無駄に爆発しまして、48。〈ビジネス〉31で、9引いて22差。

フリオ:うちは13差です。

GM:すげーなー! みんな15%アップです。

勇人:クライマックスで欲しい。この出目(笑)。

GM:現在の株価はいくらですか?

勇人:14300の1.15倍=16445かな。

フリオ:8855円。

イクイリ:ごめんなさい、先月の株価変動を足し忘れてたから、さらに1割上がる。18090円。

勇人:ひゃー。素晴らしい。

GM:しまった、株価変動の演出を、やってもらえばよかったですね。今更ですけど、何か思いつけば。

勇人:そしたら僕のところは大変わかりやすく、社長の自分がCMに出るわけですよ。

GM:面白社長キター!

勇人:キャラの押し出しが強いですからね(笑)。で、ドクターと一緒に、「すごいテクノロジーで、すごい飛んで、すごい宇宙に行く!」ぐらいの。

イクイリ:科学的な説明をしようとする度に、女性に見つめられて、「あっ、えっ、うっ、あっ」(笑)

GM:いたりあ商会さんは。

フリオ:うちは、広告塔のアイドルがいるので。

勇人/エリス:「あ、受けます受けます。他の仕事なんて、全蹴りの勢いで受けます!」

フリオ:「いや、そ、そこまでしなくていいからね?(笑)仕事の邪魔にならない程度に」

神崎:俺は、「いっけねー! 間違っちゃった!」って言いながら、データを片っ端からリセットしたりとか(笑)。

勇人:うわ、地味だけど凶悪!

神崎:社外秘って書いてあるデータを、シュツルムリッター社に転送するとか。

GM:それ、クビになりますよね、バレたら。

神崎:バレて、「君はクビだ!」って言われた時に正体明かせばいいだけなんで。

勇人:あと、ゼロを1個つけ忘れるとか。

神崎:桁を間違ったら、えらいこっちゃね。というわけで株価が下がったよ。

GM:ありがとうございます。次は、産業スパイフェイズ。お待たせしました!

勇人:来たっ! 鈴木さん、よろしくお願いします。

GM:神崎さんが、会社内部で情報を収集した、という扱いにします。〈説得〉とか、聞き込みできそうなもので判定してください。

神崎:技能ないから《魅力》だよね。(コロコロ)9です。

GM:そうすると、秘書の円さんが、勇人とドクターの前で言います。「総帥」

勇人:「ああ、私のことは、ヴァイス様で」(笑)

イクイリ:「僕のことは、ドクターもしくはジーニアスで」

勇人:めんどくさいキャラクターが2人になったぞ、と思ってるかな(笑)。

GM/円:「ヴァイス総帥。ジーニアス総帥」

イクイリ:「(目を逸らして)いや、ドクターでいいよ。なんだい?」

GM/円:「鈴木正人様からの情報です。嵐王寺真輝子会長が、勇人総帥の事故死を信じようとせず、遺骨の鑑定を、依頼しようとしているそうです」

勇人:「ほう。先に亡くなった、嵐王寺とやらには気の毒なことだが、まあ、人の情としては、むべなるかなというところだね」

GM:ドクター。〈科学〉で判定していただけると嬉しい。

イクイリ:〈科学〉はそんなに得意じゃないんですけどねぇ。(コロコロ)ポシビリティを使います。(コロコロ)26。

GM:素晴らしい。遺骨の鑑定、というところに引っかかります。現在のニッポンの技術では、火葬した骨でのDNA鑑定は、できないらしいんですよ。DNAが壊れちゃうから。

勇人:できないです。はい。

GM:なので、通常のDNA鑑定以外の方法で、骨の素性を明かそうとしているようです。「続けてよろしいでしょうか」

勇人:「ええ、どうぞ」

GM/円:「真輝子会長は、アイルから、死体の専門家の魔法使いを、呼び寄せようとしている、とのことです」

神崎:(笑)

フリオ:イタコじゃなくてネクロマンサー。

勇人:それって、お祖母様が、自分のコネクションで呼んだ人、ってことで合ってます?

GM:はい。

イクイリ:まあそんなものかな、という顔をしている。うちの世界の数学魔法使いも、すっげぇ頑張れば、ミイラになった人を生き返らせることが可能なので。

勇人:そ、そうですね。何百年に一度でしたっけ。ははは。おかしなことになってきたぞ。TORGらしくなってきたぞ。よし!(笑)

GM/円:「大方、来るのはただのぺてん師でしょう。魔法など存在する筈がありません」

勇人:ですよねー。

GM/円:「ですが、その者に、遺骨が間違いなく勇人総帥のものである、と証言をされてしまえば終わりです。真輝子会長は、二度と、勇人総帥の生存を信じようとしなくなるでしょう」

勇人:「・・・ふぅ。仕方ありますまい。秘密は蟻の一穴から漏れるということで、敢えて知らせずにおりましたが、そうもいかないようですね」

イクイリ:えーと、ごめんなさい。私は天才なので、人々の感情の機微がよく解らないんですよ。なのでこう言います。「あなたのお祖母様が、あなたの死を知って絶望してしまったとしても、彼女の人生に暗い影を落とすぐらいで、あなたが実力で会社を勝ち取る分には、何ら影響はないと思うのですが。ただ、それはあなたの心の平安であったり、彼女の心の平安、もしくは幸せに結びつかないであろうということは、論理的推論上に成り立っているわけで」

勇人:「そうですね、はい」

イクイリ:「社長は最終的にどうしたいのですか?」

勇人:「僕は、全てを取り返すつもりです」

イクイリ:「彼女の心も取り返そうとしている?」

勇人:「ええ、勿論、その通りです」

イクイリ:「あまりこういうことは好きではないですが、『信じさせる』ことは、できなくもないですよ。ただこれは最後の手段ですが」

勇人:「いえ」
 

 勇人は首を横に振り、イクイリと、連絡を受けて現れた神崎、フリオに、頭を下げる。
 

勇人:「申し訳ないけれども、不徳は後で詫びるとして、ここは計画通り進ませてください。もう既に、僕はお祖母様のことを悲しませてしまっている。であれば、早く株を買って、株主総会に出て、そこで申し開きをすることが、償いになるだろうと僕は思います。不出来、不義理な孫だと思うかもしれませんが、協力をお願いできないでしょうか」

一同:・・・・・。

イクイリ:因みに、金ならあるんですよ。5億8千万円くらい、はした金を、ポーンと投げて、遺骨を鑑定する日を、株主総会の日までずらすという工作をしてはどうでしょう。ネクロマンサーを直買いでもいいし、警察機構に金をバンバンばらまいてもいいし。

神崎:でも、お祖母さんが信用して呼んでくる人は、お金では動かないと思うな、俺は。

勇人:多分、ちゃんと能力のある人が来るでしょうし、まあ、詐欺師でもいいです。遺骨が偽物だとわかることは、僕にとって何のデメリットもないので、鑑定結果が出るのを引き延ばす理由はないです。

イクイリ:僕は、秘書から、敵の工作によって、社長の死が確定されるという報告を受けたと思っている。それを確定させてはいけないから、グレーゾーンのまま、株主総会に突入しなければならない、と進言をしています。要は、鑑定自体を、引き延ばす。

勇人:なるほど。その進言は、納得です。ただ、結構、危ない橋を渡っているので、あまり動きは見せたくないところでもあります。

神崎:俺は、お祖母さんに会いに行った方がいいと思うな。けど、ゲーム的に言うと、会うためには、10万株手に入れないとダメなんだよね。

GM:はい、そうです。ビギドルではキーパーソンシーンと呼ぶんですが、条件を満たした場合だけ、追加シーンが発生します。

神崎:だったら、きっちりと株を買って、条件を満たした状態で、会えばいいんじゃないかな。そうじゃないと、お祖母さんにも危害が及ぶだろうし。

勇人:ですね。僕が生きていることや、連絡していることがバレると、例えばお祖母様を人質に取れば、敵はやりやすくなるだけなので。

フリオ:であれば、正直、私はビジネスは得意ではないから、きみのお祖母さんの動向は、私の方で調べておこう。もし何かあったらば、救い出すように手配をしよう。

勇人:では、すいませんが、フリオさん、レディをよろしくお願いします(笑)。

 
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