Eternal Smile > Limited War
 

第四幕

 
シーン２　飛翔

 
１ラウンド目

ＧＭ：ドラマチック（＊２４）。悪役先攻、ヒーロー疲労。２ショック受けてください。

神崎：しょうがない。

ＧＭ：会場では、飛鳥譲が壇上に立って、経営戦略を語り始めます。「夢や希望を運ぶなどと言うお題目は、時代遅れなのです。その証拠に、ビジネスジェットの実験は失敗しました。業績の悪い部門は、存続させるだけ無駄です。私はＣＥＯとして、航空機部門の売却を提案いたします。株主の皆様にご賛同いただきたく・・・」

イクイリ：そうすると、まばらな拍手が。

神崎：だって、飛鳥譲は、２００億の負債を、ゼロにしてるからね。すごい手腕ですよ。

ＧＭ：どこから金が入ってきたのかはわからないけどね。

勇人：じゃあ、ぴっ！　と手を挙げて、「質問させていただいてもよろしいですか」

ＧＭ／飛鳥：「質問者の方には、お名前を頂戴したいのですが」

勇人：「ああ、失礼いたしました。わたくし、ヴァイス・シュツルムリッターと申します」

ＧＭ／飛鳥：「ヴァイス・・・」（失笑）

勇人：「ああ、白薔薇の騎士で結構」（笑）

神崎：会場は、あの面白社長か！　みたいな空気になってるよ。

ＧＭ／飛鳥：「では、ご質問をどうぞ」

勇人：「実はですね、あのビジネスジェットの事故は、このように（資料を示し）、不正、陰謀、謀殺などが疑われる事例だ、という情報が入ってきておりますが、それに関しては、いかなる調査をされたのでしょう？」

ＧＭ：なるほど。開幕演目「ＣＥＯを論破しろ」の判定をどうぞ。

神崎：指定技能は、〈トリック〉か〈挑発〉。

勇人：〈トリック〉で。「また、そちらの財務諸表の情報を、某所から手に入れまして。このように、手腕という一言では解し得ない、大変、不自然かつ不透明な会計操作が、行われているようなのですが」

神崎：内部にいた俺から言おう。粉飾（笑）。

勇人：情報を入手した経路が不思議、って意味での〈トリック〉になると思う。言ってることはただの本当のことだから。

ＧＭ：積極防御しまーす。

勇人：了解。（コロコロ）さすがにここは押したいので、ポシビリティを使います。

ＧＭ：打ち消します。因みに、行動したので、勇人はもう２ショック受けてください。

勇人：〈トリック〉、向こうも高そうだにゃー。２３。

ＧＭ：負けた！　萎縮しました。

神崎：よし！

勇人：「ああ、そうそう。私は名乗らせていただきましたが、改めてお名前を伺ってもよろしいですか、ＣＥＯ？」

ＧＭ／飛鳥：「あなたは、どこか外国からいらしたんですかね？　私の名前は、飛鳥譲です」

勇人：「そういえば、そんなお名前でしたね」（冷笑）

ＧＭ：他の皆さんは？

イクイリ：行動すると、２点ショックダメージ受けるんですよね。

フリオ：うん、ここは様子見かな。

 
２ラウンド目

ＧＭ：勝利は近い！　ヒーロー疾風、先攻。

神崎：やった！

ＧＭ：第一演目は、「魅力的なビジネスプランを提示せよ」。技能は〈ビジネス〉か〈説得〉です。

イクイリ：疾風で２回行動したら、４点ショックダメージ受けるんですか？

ＧＭ：いえ、２点でいいです。

勇人：チャンスっちゃーチャンスかもしれない。

神崎：２回判定に成功した場合、カードは２枚もらえますか？　あくまで１枚だけだっけ？

ＧＭ：別々の推奨行動を取れば、２枚もらえることにします。今回だと〈威圧〉と〈威嚇〉。

勇人：これもマスター次第のところ。ルールには、はっきり書いてないんですよ。

神崎：なるほど。すごい、わかりやすいです。

勇人：ということで、僕が喋っても大丈夫ですか？　幕間で回復ができるから、それを踏まえて１回くらいは動けますけど。

イクイリ：どっちかっつーと、ここは社長の独壇場じゃね？

フリオ：そう。なかなかうまく入りにくいんですよね。流れ的に、今。

勇人：ではやっちゃいます。「引き続き質問させていただいてよろしいですか。航空機部門に関して、不備があるというのも、正直疑わしい、というのは、先ほど証明した通り」あ、詭弁です（笑）。

ＧＭ：証明はしてないもんね。

勇人：「ですから、売り飛ばすというのはいかがなものかと思います。ただ不採算部分を売って資金を得るのでは、結局、自分の足を食って生き延びるタコと同じです。それでは未来などありません。夢や希望を売るなど馬鹿馬鹿しい、などということをおっしゃっていたが、あなたの考えこそ馬鹿馬鹿しい。それを売らずに何を売るのですか！」

ＧＭ：おぉっ！

勇人：「人は、商品を通じて、己の未来や可能性や繋がり、そういった、目に見えないものを買っているのです。もしくは、便利な道具があるならば、それを使って浮いた時間で、その人の人生を買っている。我々はその手伝いをしているのです。我々が売っているものは、本来、目に見えないものです。その対価としてお金を受け取っているにすぎない。・・・ああ、ちょっと言葉が過ぎましたね。お金という、とても大切なものを、やりとりさせていただいている、と言い換えましょう」

 
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