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TORGリプレイ

『Limited War』

第四幕

 
シーン2 飛翔(承前)

 
 勇人は、貫禄たっぷりに聴衆を見渡すと、言葉を続ける。
「このように、ただ否定するだけなら、誰でもできる。
 より良いビジネスプランを提示してこそ、否定は意味のあるものになります」
 

勇人:「航空機部門を売却するならするで、私と、イクイリ氏が共同経営する、シュツルムリッターが、手を挙げましょう。こちらは、航空宇宙開発業でしてね」

GM/飛鳥:「競合相手、ということですか」

勇人:「ロケットは一段であれば、地球を脱出するのもせいぜいですが、二段三段と重ねれば、より遠くへ飛ばせるでしょう。より遠くへ、より速く。それが流通。それが人々の希望!」

神崎:なるほど。そういう話なら、20万株を買った理由になるね。

イクイリ:そして〈ビジネス〉判定ですね、社長。

勇人:たぁー(コロコロ)。ポシビリティを使う。

GM:打ち消す。

勇人:ですよねー。〈ビジネス〉21。

GM:積極防御しないとまずいー。(コロコロ)萎縮してるから、ポシビリティを使っても振り足せない。成功です。

勇人:よし!

フリオ:では、おもむろに立ち上がって、彼の発言に拍手をします。「素晴らしい! 我が社はこちらの方にぜひ投資したいと思います。皆さん、そう思いませんか?!」

勇人:カッコいい!

フリオ:と言って、オーディエンスに対して〈説得〉をします。

GM:見抜かれたな、と今、思いましたよ。実は私、飛鳥譲との達成値の差分をこっそり記録して、何人が勇人の側についたか、決めようとしていました。

フリオ:ベースは12。(コロコロ)ああっ、こういう時に1か! 1ポシ使います。

GM:消します。

神崎:でもそうすると、静かになっちゃうね。反対意見も多い感じかな。

フリオ:むしろ、見せ場宣言してもいいのか。

勇人:悩むところですね。この後、荒事が発生するかもしれないので。

イクイリ:あなたはナイルなんだし、活劇の法則を使って、ポシビリティを払って、向こうの動静を見て、その上で見せ場宣言するかどうかじゃないかしら。

フリオ:やってみよう。活劇の法則。もう1ポシ。

GM:消しません。どうぞ。

フリオ:(コロコロ)15、足して16。+3して〈説得〉達成値15。

GM:15ですね(メモを取る)。

イクイリ:僕、株は持ってないけど、喋っちゃっていいのかな。

勇人:大丈夫。共同経営者ですから。

イクイリ:了解。「で、嵐王寺社長、じゃなかったですね、飛鳥社長でいいんでしたっけ」

勇人:あ、いいですね。

イクイリ:「ここまで色々言われてますけど、あなたのビジネスプランは、イマイチよく見えないんですよ。もう一度、しっかり解説してもらえませんか?」と、相手の目をじーっと見ながら、〈威圧〉する。(コロコロ)22と言っておこうか。

GM:うわー。萎縮しました。

イクイリ:カード1枚いただきます。

GM:彼は、ドクターに気圧されながら、先ほどの話をもう一度繰り返し、かつ、これは墓穴なんだけど、「私は、私のビジネス手腕によって、負債を帳消しにした」と語ります。

勇人:財務諸表を突きつけて、「あなたは不透明な利益供与を受けている可能性があり、粉飾決算のおそれもある。商安局の手が回ったら・・・」と脅かしつつ、〈ビジネス〉で、さらに追い討ちをかけます。「もし、部門を売るのであれば、我々シュツルムリッターに」(コロコロ)ダブル!

GM:20か、すげー。

勇人:(コロコロ)30。(コロコロ)43。ポシビリティを使います。

GM:消します。

フリオ:“リーダーシップ”使用。“ひらめき”と“ヒーロー”を送り込みます。

イクイリ:その“リーダーシップ”を“計画”で拾うよ。「ここまでは僕の計画通り」

勇人:“ヒーロー”使います。

GM:消します。

勇人:見せ場宣言! “ドラマ”を使います。

GM:消します。

勇人:“ヒーロー”使います。

GM:どうぞ。

勇人:(コロコロ)43に14足して、57。あと3!

神崎:惜しい!

イクイリ:マスター。僕は見せ場宣言するよ。

GM:“リーダーシップ”を使えば、手札から直で場に置けますよ。

イクイリ:そうなんですけどね。ここは敢えて見せ場宣言にさせてほしい。まず“リーダーシップ”で“ドラマ”と“ひらめき”を渡すよ。

勇人:さすがジーニアス。素晴らしいひらめきですね。“ドラマ”を使って振り足します。(コロコロ)15だから、72。“偉業”を使います!

イクイリ:その“偉業”を“計画”で回収するよ。

神崎:ほうー! そういう考え方か。

GM:お見事! 偉業達成です!(一同拍手)

勇人:ありがとうございます! よし、言うか! 正体を明かします。

GM:うん。偉業だし、第二演目に進んじゃっていいですよ。
 

「怪訝な顔をされておりますね。私の名前をお忘れか?」
 勇人は、舞台俳優のように堂々と飛鳥譲の前に進み出て、彼に白薔薇を差し出す。
 

勇人:「白薔薇の花言葉は、純潔、汚れのない、そして・・・あなたを忘れない! あなたのしたことを忘れない!」

GM/飛鳥:「私は何か恨まれるようなことをしましたか? あなたの恨みを買った覚えはないのですけど」

勇人:「(喉の奥で笑って)そうですか。なるほどなるほど。私も、売った覚えはありません。どちらかと言うと、喧嘩を売られた方ですがね」と言って仮面を取ります。

GM:色々完璧だなぁー。

勇人:「嵐王寺コンツェルン総帥、嵐王寺勇人。その財閥は僕のものです。買い戻させていただきましょう!」

GM:「なっ?!」会場は騒然となります。一応〈ビジネス〉の達成値を教えてください。

勇人:72だから+18。達成値35。

GM:はー、すごい。さすがです。会場にいる2000人のうち、相当数があなたの味方になった感があります。

勇人:「ゼロ、いや、マイナスからシュツルムリッターを立ち上げた僕が、株主の皆さんに、これまで以上の利益をお約束しよう! より高い手腕の者を支える方が、皆さんの利益も大きくなるはず。皆さんの未来のために、可能性に投資してください!」

GM:飛鳥譲は、こう言うのがやっとです。「随分と、よく似た、ニセモノを連れてきたものですね」

イクイリ:「社長じゃない人は、とっととその席から退くんだな!」ちょっときつめに言いながら、〈威嚇〉をするよ。(コロコロ)うん、どうしようもない。

フリオ:〈威圧〉。「あなたは嵐王寺氏をニセモノだと言うが、そもそもあなたは本当に後継者なのか? あなたの素性こそ、私は、ついぞ聞いたことがないやね」

GM:いいトコ突いてきますねー。

フリオ:(コロコロ)低いなー。ポシビリティを使っておこう。

GM:どうぞ。

フリオ:(コロコロ)18で〈威圧〉。

GM:成功です。萎縮が取れないー。カードどうぞ。

フリオ:(受け取って)“奮起”。

勇人:素晴らしい! 全員が手札を好きなだけ捨てて、4枚まで補充できるカードです。僕は見せ場宣言こそできませんが、手札が増えるのは大変ありがたい。

GM:さて、ここで前半戦が終了し、幕間なのですが、向こうは、休憩を挟みたいという感じになっています。応じますか?

勇人:応じてあげる、という体裁を繕います。実際には、僕もボロボロなので。倒れ伏すように、ガクッとなって、「ちょっと肩を貸してもらっていいですか、ドクター?」

イクイリ:では、〈応急手当て〉をしましょう。

GM:難易度は8。成功すればショックダメージが消えます。

イクイリ:(コロコロ)ゴメンな、5振っちゃった。でも10あるから消えるね。

GM:本当は、幕間のタイミングで、飛鳥譲が円さんに連絡して、乱入するはずだったんですよ。だいぶ前倒しになりました。

勇人:神崎さんの“警戒”で、潰してくれたんですね。確かにここで、襲ってくるのは、よくあるパターンですからね。ありがたいです。

 
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