Eternal Smile > Highlord of Earth
第三幕
古代都市テオティワカンに降り立った、5人のストームナイトとヴィクトリア。
カカルメカの杖が、ウィチロポチトリの在り処を指し示す。この都市の一番奥、「月の神殿」で、マルコム・カーンとウィチロポチトリは、神=ハイロードを誕生させるための儀式を行おうとしている。
「死者の通り」と呼ばれる大通りを進んでいくと、途中の「太陽の神殿」に、虚ろな瞳の人々が吸い込まれていく。声を掛けても揺さぶっても、彼らの歩みは止まらない。恐らく、カーンに何らかの暗示を掛けられているのだろう。
月の神殿では、アステカ風衣装を身に付けた老人が台座に横たわり、マルコム・カーンの黒曜石の短剣によって生命を奪われたばかりだった。
老人を生贄に捧げることでウィチロポチトリと契約し、「アステカ帝国」のハイロードとなったカーン。彼の短剣はみるみる膨れ上がり、一振りの大剣へ姿を変える。また、黄金の蛇のブレスレットは、光と共に彼の全身を包み、黄金の鎧となる。
カーンが邪悪に微笑み、指をパチンと鳴らすと、台座の背後で吊るされていた女性が、糸が切れたように落下する。
「シンシア?」
リディアとレオンが異口同音に叫ぶ。彼女は瞳を開き・・・凶悪な光を瞳に宿して襲いかかってくる。
さらに、カーンの両脇には、いつの間にか、ジャガーと槍の戦士が控えていた。
「「我ら、再生アステカ超人ッッ!!」」
「さあ、恐怖するがよい!」
カーンはアステカ帝国の世界法則を使い、全力で攻撃してきた。
ダイスの目は1。リンク切断。
次のラウンド、「・・・リ、リンク回復しまーす」
「その行動に“敵方失敗”使えます?」
「素晴らしい!」
「グッジョブだ、ジョー!」
そうやって時間を稼いでもらっている間に、エルモはシンシアの洗脳を解くため、彼女に【チャーム・パーソン】で訴えかける。
「キミの心にも、届いているだろう! キミの身を案じる、リディアとレオンの声が!」
そしてジョーは、威力抜群のサイコガンで、アステカ超人を1体ずつ確実に仕留めていく。
本来の力を取り戻したマルコム・カーンは、恐ろしい敵であった。
手にしたダークネスデバイス、ウィチロポチトリから技能を借りることができ、なおかつデバイスの分も含めて2点のポシビリティを使うことができるため、攻防共に隙を見つけることは困難。
レオンはロケットレンジャースーツの防御力と己の底力で、カーンの猛攻にひたすら耐え続ける。
やがて、ジョーが攻勢に転じると、ストームナイトに追い風が吹き始める。
カドフェルが静かに問い掛ける。
「カーンよ。貴様は、デバイスの力を本当に手に入れられたと思っているのか?」
これにカーンは大きく動揺。意外にも彼の〈威圧〉技能基本値は11しかなかった。
逆転負けによって、一時的にウィチロポチトリを使用不可にしたところで、再び奇跡【磔刑(クルシフィクション)】が炸裂。カーンを逆さ磔にすると同時に、2レベル負傷KO5ショックダメージを与え、遂に彼を倒す!
だが、まだ終わりではない。
GMは卓紹介の時に予告していた。「ラスボスは、ハイロードではありません」と。
『我と新たな契約を結ばぬか?』
ストームナイトの脳裏に、ウィチロポチトリの声が響く。
『考えてもみるがよい。地球は多くのハイロードに狙われている。汝らの力だけで、奴等に敵うとでも思うのか? 我が完全な力を取り戻せば、全てのダークネスデバイスとハイロードを地球から追い出すことができる。・・・奥で待っておるぞ』
月の神殿の頂上、巧妙に隠されていた扉をくぐろうとした時、アイルの聖騎士トルウィン・タンクレッドから魔法で通信が入る。
『皆さんは、どうするおつもりなのですか?』
ウィチロポチトリをはじめとするダークネスデバイスは、野心持つ者(ハイロード)に強大な力を与える道具である。逆に言えば、己を使ってくれる者がいなければ、力を発揮することができない。
また、ダークネスデバイスの効果範囲は、スティリーで区切られた土地(レルム)に限られる。スティリーがない場合や、レルム内に生物が全く存在しない場合には、単なるガラクタと化す。
このままウィチロポチトリを放置すれば、いずれ誰かがその誘惑に負け、新たなハイロードが誕生してしまうだろう。
残された手段は2つ。
アステカ帝国のスティリーを除去するか。
ウィチロポチトリの誘いに乗るふりをし、騙してその力を使わせ、無人の世界へ放逐するか。
スティリー除去の難易度は比較的低いが、問題の先送りにしかならない。
一方、ウィチロポチトリを騙す難易度はものすごく高いと推定される。
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