Eternal Smile > Another Misty Day in London
 

 
TORGリプレイ

『ロンドンは今日も霧』

 

第一幕

 
シーン3 The Headless Knight

 
夜の帳が下りると、国会議事堂の時計塔、ビッグ・ベンが、赤と青にきらきらと輝き始める。
4人は、テムズ川に架かる大きな橋の上に降ろしたヘリの中で、息を潜めてデュラハンを待ち構える。
 

GM:しばらくすると、えー、見つけられるかどうか、〈発見〉ロール。

マッコイ:(コロコロ)ポシビリティを使おう。(コロコロ)23。+8の、〈発見〉23。

ディアン:「そちらに、何か見えたか?」と、“援助”。26で。

GM:そんだけあれば解りますね。橋の向こう側を、蹄の音も高らかに、石畳を噛む車輪の音も、がちがちと、チャリオットが走っています。

マッコイ:エンジンスタート。サーチライト、オン。

GM:では、バタバタバタバタと飛び上がると、市街なんでそんなに低くは飛べないんですが、確かに、首のない鎧騎士が、手綱を握って、二頭立ての戦車に乗っているのが解ります。

マキシム:おっ!

GM:その戦車は、街の中を疾走していきます。たまに、ふらふらと出てくる、浮浪者とかグールとかを無視して、がんがんがーんと弾き飛ばして。

マキシム:ひでぇ。

マッコイ:あー、宣言。録画しておきます。

GM:はい。その様子から、ものすごいパワーで走ってることが理解できると思います。

ディアン:マッコイ、何とか止められないのか?

マッコイ:しかし、ここでミサイルをぶち込むとなー、後が面倒だ。

GM:よく見ると解るんですけど、当然、馬も頭がありません。ヘッドレスホースです。

マッコイ:電波か何か出ていないか、〈知識(機械工学)〉でチェックできるかな?

GM:いいですよ。

ディアン:イヤだなー、遠隔操作されてたら。

マッコイ:(コロコロ)18。〈知識(機械工学)〉20。

GM:あなたの無線機には、怪しい電波は、入ってきてないですね。

マッコイ:そうすると、純粋に魔法か魔物か。

マキシム:飛び移れないかな?

マッコイ:すごいこと考えるね(笑)。落ちると痛いよ?

マキシム:大丈夫。〈軽業〉持ってるから。

GM:別にいいですけど、やりますか?

マッコイ:まぁ、ロープぐらいはあるけどさ。

マキシム:ホントに? じゃあ〈軽業〉で、飛び移っちゃおうかな。へへへへへ。

マッコイ:ホントにやんの?! 多分まずこっちのチェックが入るんじゃないか?

GM:はい。まず、このごちゃごちゃしたロンドン市街で、安定飛行して、なおかつ、スピードを合わせられるかどうか、〈航空機操縦〉。

マキシム:「マッコイ、飛び移るぞ! ヘリを寄せろ!」

マッコイ:「はぁ? 無茶言いやがってこの野郎!」(コロコロ)16、+3。〈航空機操縦〉24。

GM:24あればできますね。相対速度ゼロになります。

マキシム:よっしゃ!

GM:ただし、地面まで、優に100mぐらいはあります。

マキシム:じゃあ、ロープを降ろして、〈軽業〉でいきます。(コロコロ)ポシを使います。

GM:打ち消す!

マキシム:うえー!(笑)そしたら4しかないじゃん!

リン:“ヒーロー”渡しましょうか?

GM:それでもいいですけど、誰か“アイデア”カード持ってます?

ディアン:“アイデア”あります。

GM:使いますか? では、思いついていいです。飛び移るのはいいけど、一対一でデュラハンと戦うことになります。他の人たちが合流するには、ヘリコプターで軟着陸するなり、ロープで降りるなりして、そこからまたこの場所まで来なきゃいけないんで、最低3、4ラウンド掛かりますけど。

マッコイ:別に、戦わなくても、ただ相手の正体を確認して逃げ出すのでもいい。だけどその場合、時速60キロで疾走してる馬車の上から、今度こそ地面に叩きつけられることになる。

リン:間違いなく、それでまた判定だろうね。

GM:まぁ、少なくとも、相手が、ポシビリティを使う、実体がある存在だということは解りましたよ。

ディアン:そしたら、声を掛けます。「待て、マキシミリアン! 相手の力量が解らないのに、ひとりで行くのは、危ない」

マッコイ:「お前、この間もひとりで行って、あいつにぶった斬られた(*6)ばっかだろうが!」

マキシム:うっ・・・。仕方ない。飛び移るのはやめよう。

GM:ちぇっ。これで地面に落ちたら、ごろごろ転がってるところへ、マイナスペナルティがついて、ひき逃げアタックできたのに(笑)。

マッコイ:ああ、そうだ。上から見てて、馬車は、あり得ない動きをしてます? 例えば、ぐんっ! と直角に曲がるとか。

GM:してますね。がらがら音は立ててるんだけど、よく見ると車輪は地面に触れてません。地面からほんの数センチ浮いていて、それがたまに地面にがんっ! がんっ! がんっ! がんっ! と引っかかってるだけ。

ディアン:だから轍が残ってないのか。

GM:あと、“アイデア”カードを使ったんで、もうひとつ教えてあげましょう。鎧騎士は、首を持ってません。

ディアン:・・・なるほど。

GM:片手で手綱を握って、もう片方の手は、腰に当ててます。どこかに首を置いている様子もありません。

マッコイ:ってことは、ただのデュラハンじゃないな。デュラハンはちゃんと、自分の首を後生大事に抱えてるから。

ディアン:首をなくして、探してるデュラハン。

マッコイ:あ! 意外とそれ、あるかもしれない。

リン:馬車で、「俺の首どこだー!」(笑)って、市内を走り回ってる、と。

マッコイ:つまり、首を落としちゃったおっちょこちょいなデュラハン。

ディアン:ドジっ子?(笑)

マッコイ:ちぐはぐだなー。何だかコアアースの伝承を基に、どっか別の世界の奴が無理矢理造ったような感じだ。デュラハンに模したものを、わざわざ走らせる理由は何か。

GM:因みに、チャリオットの馬の方は、鎧着て、完全に戦闘用態勢ですね。

マッコイ:今のところ、こっちに向かって何かをしてくる様子は?

GM:ないですね。勿論あなた方には気付いていると思いますが(笑)。

マキシム:並走しちゃったからね。ヘリで、ばばばばばばって。

マッコイ:とりあえずついて行きましょう。市街地でやり合うわけにはいかない。

マキシム:でも、このまま逃がしちゃうとまずいよね。

マッコイ:それは解らない。どこかに巣があるなら、そこに向かうだろうし、例えば、誰かが召喚したとか、幻影・・・とは思えないけども、別の手段で運んできてるって言うならば、対応する何かが見つかるかもしれない。

ディアン:魔法陣か、起動するためのアイテムか。

マッコイ:まぁそんなところ。今の段階では、まだ様子を見ます。

GM:では、奴はトラファルガー広場の方に向かい、そのまま、地下鉄の駅、チャリング・クロス駅の構内に入って行きます。

マッコイ:おおっと!

マキシム:さすがにヘリだと追えないな。

GM:まぁ、時間帯が深夜ですから、どこぞの交差点の真ん中に、ばーんとヘリ降ろしても何とかなります。どうします?

マキシム:待ち伏せすりゃいいんじゃないかな? だって、地下鉄の線路沿いにしか、奴は移動できないんだから。

GM:その通りですね。ただし、地下鉄は。

ディアン:1本ではなくて、枝分かれしている。

マッコイ:だよなー。どうしたもんかなー。

リン:ホイールロックで、馬撃って、足を止められないかな?(笑)

ディアン:またそんなことを!(*7

マキシム:ナイスだ!

マッコイ:この人、ゴルゴになっちゃった(笑)。

リン:いやいやいや。本体狙ってもどうせ無理そうだから、引いてる馬にダメージ与えれば、スピード落ちるなり停まるなりするかなーと。

GM:うーん、でももう地下に降りちゃいましたからね。

マッコイ:・・・よし。今回は諦める。次の手は考えた。

リン:おおー。

GM:では見失ったってことで、ここでシーン変えましょう。

マキシム:やっぱ、飛び移ればよかったか(笑)。

 
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