Eternal Smile > Another Misty Day in London
 

 
TORGリプレイ

『ロンドンは今日も霧』

 

第二幕

 
シーン1 Vanishing Point

 
 撮影した映像には、デュラハンの姿が細部までしっかりと映っていた。
 マッコイはその映像をスコットランドヤードへ渡し、地下鉄の駅出入口を軒並み封鎖するよう依頼する。
 しかし―――
 

GM:次の日の朝になりました。警部から連絡があり、全部の駅を封鎖するのは、物理的に不可能だと言われます。

マッコイ:人出が足りない? 資材が足りない?

GM:それもありますが、現在、地下鉄のトンネル及び地下鉄の駅を支配しているのは、ロンドン市局ではなくて、ギャングとか、低級種族の連中です。

マッコイ:あー、面倒くせぇこった。

GM:それにたとえ、一時的に駅を封鎖できたとしても、数時間もしないうちに、バリケードぶち破られるのがオチなんで、最初からそんな無駄なことに労力は使えない、って言われます。やるとしたら、例えばコンクリートを駅の階段からがーっと流し込んで、徹底的に塞ぐしか、方法はないです。

マッコイ:どうしたもんかな、これは。

リン:ギャングに話を聞いてみる?

マキシム:そうだね。何人かやられてる筈だからね。

マッコイ:ただ、伝手をたどろうにも、〈裏街〉(*8)はないんだ。技能取ろうとして、忘れてた。

GM:そうやってあなた方が悩んでると、担当警部が教えてくれます。デュラハンが地下に降りたというのを聞いて、謎がひとつ解けたと。さっきも言ったんですが、デュラハンは、突然ぱっと消えたりすることがありました。

ディアン:あっ、地下に入ってたからか。

GM:そう。だから、音に関する証言を使えば、どの辺の駅をメインで行動しているか解るんじゃないか、と話してくれます。

マッコイ:なるほど。しかし、そうは言っても、全部の駅の周辺で聞き込みをすることに・・・いや、そうでもないか。どこで急に消えたとかって、証言はあるんだっけ。

GM:あります。〈手掛かり分析〉をどうぞ。

リン:(コロコロ)17。+4で、〈手掛かり分析〉が15だから、19。

GM:19あれば解りますよ。メインの駅は3つに絞られます。昨日デュラハンが消えた、チャリング・クロス駅。2つ目は、タワーヒル駅。そして、ウエストミンスター駅です。場所的にはここです(地図を出す)。トラファルガー広場の真横が、チャリング・クロス駅。ウエストミンスター駅は、国会議事堂の真横。最後のタワーヒル駅ってのが、ロンドン塔の真横です。

マッコイ:トラファルガー広場と、国会議事堂と、ロンドン塔。ふーむ。

GM:もっかい〈手掛かり分析〉してもらえます?

マキシム:(コロコロ)一番高いの俺か。達成値14。

リン:“援助”します。

GM:では17ですね。この3つの駅には、共通点があります。まず、チャリング・クロス駅。トラファルガー広場には、ネルソン提督の英雄像という、ハードポイント(*9)があります。

マッコイ:なるほど。

GM:次、タワーヒル駅。ロンドン塔ですね。あと、ちょっと外れた川沿いのところに、古代エジプト、トトメス3世の遺物。

ディアン:オベリスク?

GM:そう。クレオパトラのオベリスク。これも、ハードポイントになってます。で、最も重要なのが、ウエストミンスター駅。近くにある、国会議事堂と、ウエストミンスター寺院そのものが、ハードポイントです。

マキシム:ふーん。

GM:つまり、テムズ川沿いのハードポイントの周辺を、デュラハンは動き回っています。もっとも、地下で何やってるかは解りませんが。

マッコイ:そう、そこが気になった。上でうるさくしている間に、下で何かやってたら、って。

ディアン:下で・・・。

マッコイ:ロンドンの地盤って軟弱でしたっけ?

GM:いいえ。地下水道を掘れるぐらいですし、あの辺は元々、古くからある地盤ですからね。大体、石造りの建物が建てられるってことは、基本的に地震がないってのと同義語です。

リン:事件が起きてから、どれくらい経ってます?

GM:そろそろ一月超えますね。

マッコイ:引っかかるなー。下で何か起きてるって考えるべきだな。

ディアン:だが、ハードポイントが、目的なのであれば、直接攻撃を・・・。

マッコイ:ハードポイントの下を掘って、勝手に倒れるようにしてしまう。

ディアン:! そうか。ハードポイントは、移動すれば、効力を失う。

マッコイ:そう。何も破壊する必要はない。

マキシム:だったら、地下道に潜って探索すりゃいいんじゃないのか? 場所の見当もついたんだし。勿論、マッコイはヘリから降りなきゃいけなくなっちゃうけど。

マッコイ:あー、俺、途端に役立たずになる。

マキシム:大丈夫だ。奴が地上に出た時こそが、マッコイの出番だからな。

マッコイ:地下で奴と出くわす可能性もゼロではないが。

ディアン:一番退路を確保しやすい場所から、降りればいい。

GM:ウエストミンスター駅だったら、大きな駅なので、地上施設はスコットランドヤードが押さえています。地下は、ギャングやら何やらが、縄張りにしちゃってるけども。

マッコイ:よし、そこのギャングに当たってみよう。掘ってるような音、要するに、地下で工事しているような音を聞いたことがないかどうか。

GM:では、ウエストミンスター駅へ聞き込みに向かうところで、シーンが変わります。皆さんカード交換どうぞ。

ディアン:マスター。“個人的利害”引きました。

GM:使いますか?(頷くのを見て)はい、オッケー。ネタを考えなくては。

 
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