Eternal Smile > Another Misty Day in London
 

 
TORGリプレイ

『ロンドンは今日も霧』

 

第二幕

 
シーン3 Diabolical Scheme

 
GM:ではあなた方はそのまま、地下の坑道へ入って行くことができます。通行料払ってるんで、自由に通れます。

ディアン:中にいるのは、人間? 人間以外?

GM:色々いますよ。ドワーフもいれば、普通の人間も、半人も。半人は、あからさまに奴隷扱いですね。特にケンタウロス辺り。隅っこには、ぼろきれを着た難民が、暗ーい目をして、うずくまってます。

ディアン:・・・・・。

GM:ここでは、力が全てなんで、オーガとかジャイアントとかが、非常にでかい態度取ってます。

マッコイ:ああ、上からフードかぶっときましょう。全員。

リン:そうだね。見られない方がいいもんね。

GM:因みに、マンティコア(*10)が人間の死体をずるずる引きずってても、誰も何も言いません。マンティコアは人間食いますが。

マキシム:ま、そういう世界なんだろうな。

GM:有り体に言えば、弱肉強食ですね。

マッコイ:さて、入ったはいいが、どこから調べるか。多分地図持ってるだろうから、ウエストミンスター寺院の方に向かっている坑道を進んでみるか。

GM:では、ある程度行ったところで、ちょっと〈発見〉してもらおうかな。

マキシム:(コロコロ)19。+6で、〈発見〉17。

GM:17だったら解りますよ。前方に簡単なバリケードがあって、ジャイアントとトロールが立ってます。

ディアン:つまり、ここから先には行くなって感じなんですね。

マッコイ:位置的にその上は?

GM:上ですか? ウエストミンスター寺院の、大通りです。

マキシム:じゃあ、みんなに声を掛ける。「あの先に、何かあるみたいだ」

マッコイ:何かしているな、やはり。

マキシム:ぶっ飛ばしてもいいよ? ぶっ飛ばそうか?

ディアン:(小声で)違うから! 全員敵に回すから!

GM:今の時点では、連中は完全にだれきってて、タバコをぷはーっとやりながら、馬鹿話して、ゲラゲラ下品な笑いが聞こえます。

マッコイ:今来たところって、道1本?

GM:いや、勿論、地下鉄なんで、どっかにメンテナンス用のサブ坑道もある筈ですよ。

マッコイ:ふむ。それを使って迂回できないかな。

GM:〈発見〉してみてください。

マッコイ:(コロコロ)10!(コロコロ)18。+5の、20。

GM:20あればいいです。ぼろ布とか、腐った木とかで見づらくなってる、側道を見つけることができました。鍵は勿論掛かっていません。

マッコイ:じゃあ、そいつを行きましょう。

GM:では、側道に入って、移動していきます。しばらくすると、坑道自体が、土砂に埋まっちゃってるところに突き当たります。

マッコイ:土砂?! 思いっきり、横を掘ってるってことじゃないか、それは。

ディアン:盾でガンガンと叩いてみるけど、堅い?

GM:いや、結構量はありますが、掘れないことはない。

ディアン:どうする?

マキシム:ま、掘って進むしかないだろうな。

マッコイ:ただ、音が響くのが気になる。とはいえ、他に道はないな。

GM:音に注意してやるんだったら、相当時間が掛かります。

マッコイ:よし。できるかどうか解らないけど、俺だけ少し戻っていって、途中で火災報知器みたいなものってありましたっけ?

リン:あっ!

マキシム:なるほど、火災報知機鳴らして気を引くんだ。

GM:ないことはないでしょう。ただ、生きてるかどうかは不明。電源を落としてる可能性もあります。

マッコイ:やってみよう。〈トリック〉。(コロコロ)9、ポシ。(コロコロ)19、28。+9で、26。

GM:26ですか。えーと、火災報知機はダメですけど、非常用の放水システムが発動します。それで大騒ぎになります。

マッコイ:よし、今だ。

マキシム:掘ったれ掘ったれ。

GM:というわけで、〈重量挙げ〉ロール。

マキシム:(コロコロ)ポシ使う。(コロコロ)+8で、23。

ディアン:“アドレナリン”使って20。

GM:では、2人でガラガラガラと土を掘り続けると、向こう側が見える小さな穴が開きます。その奥には、人が、いや、人だけではないですね。

ディアン:人だけではない?

GM:はい。例えばケンタウロスが、荷物を運ばされてたり、いかにも難民っぽい人間が、もっこをふらふらしながら担いでたり。

ディアン:!!

マッコイ:やっぱり運んでるのか。

GM:低級種族のゴブリンなんかも働かされてます。力尽きて倒れた人間には、オーガとかマンティコアが群がってて、それを見たトロールが、「そんなことをしてるヒマがあったら、お前らも掘れ!」

ディアン:・・・・・。

GM:どうやら、トロールの監視の元に、一生懸命穴を掘ってるようです。勿論、掘ってる方向にあるのは、ウエストミンスター寺院です。

リン:やっぱり、ハードポイントを・・・。

マッコイ:恐らく、これだけ大掛かりなことをやっていれば、どうしても上に音が響くと考えたんだろうな。デュラハンは、それを誤魔化すためのものだろう。

マキシム:ただ、デュラハンの奴はいないな。見回してみると。

GM:いないですね。いるのは、低級種族、半人、難民、あとはドワーフです。手足にロープを結ばれて、逃げ出せないようになってます。このままだと、ウエストミンスター寺院の下に、穴が穿たれるのは確実でしょう。
 

 目の前で繰り広げられている行為の許し難さに、ディアンが声を上げようとした時、
 「ディ」
 マッコイが冷静にディアンを呼ぶ。
 

マッコイ:今はまだ『その時』じゃない。やる時に一撃でカタをつけなくちゃ駄目だ。毒素の根を残すことになる。

マキシム:俺たちだけで、この場をどうこうってのは、できないよな。繋がれてる奴がいるから、そいつを解放してやれば、敵に回ることはないと思うけど。

ディアン:なら、どうすればいい?

マッコイ:ものすごい数なんですよね。

GM:はい。マンティコア、ゴブリン、オーガ、トロール、ジャイアントが、2〜3ダースはいると思ってください。

マキシム:ま、デュラハンを見つける方が先かな。

マッコイ:・・・いや。いずれ向こうからやって来る。今のデュラハンは陽動だ。上に注目を浴びさせておいて、なるべく人気(ひとけ)がない状況を作り出す。そうすれば、下の工事の音はなかなか聞こえない。だから我々が、どこかで妨害行為を行えば、恐らく向こうから出てくる。

マキシム:なるほどね。

マッコイ:問題は、それを行うためには、こちらも数が要る。ヘタをすれば、三箇所一気に抑え込まないといけないということだ。或いは、優先度をつけて。

ディアン:最も壊しやすいハードポイントは、どこだ?

GM:むき出しになってるのは、トラファルガー広場の英雄像か、クレオパトラのオベリスクですね。

マキシム:どちらにせよ、一度地上まで戻ろう。ここにいても埒が明かないだろ。

マッコイ:何かできないかな。逃げる前に何か。

ディアン:心情的には、必ず助けに来るからって、メッセージを残していきたい。

リン:うん、それはリンも同じだろうな。

マッコイ:(考えている)要は、思ってもみないトラブルが起きる。よし。発煙筒を奥に放り投げて、ここからトンズラしましょう。

ディアン:えっ?!

マッコイ:発煙筒自体がどこから来たかは解らない。連中には、ね。でも、地下で火事が起きたように見えれば、間違いなく大混乱だ。その間に我々は逃げる。

GM:ふむふむ。では〈トリック〉ですね。

マッコイ:(コロコロ)ポシ。(コロコロ)23。

GM:それなら充分です。「火事だ、火事だァー!」「火事が起こったぞー! さっきの水は火事のせいだったんだー!」

マキシム:ああ、さっきの〈トリック〉か。

GM:右往左往してる中を、あなた方は無事に逃げ出します。ただ、向こうから、「助けてくれー!」「俺達もここから出してくれー!」というすごい声が聞こえますけど。

ディアン:!!

マッコイ:大丈夫だディ。あれは本当の火ではない。死ぬことはない。

GM:と言いながら、坑道の中を移動していきますが、無事、入った場所に戻れるかどうか、〈方位感覚〉(*11)。

ディアン:そんなスキルはなーい!

マキシム:〈手掛かり分析〉で・・・。

マッコイ:〈追跡〉で自分の来た道を・・・。

GM:無理。技能なしなら《知覚》ですね。

ディアン:トラップだ。エディーノスしか持ってねーよ、そんなの!(コロコロ)うわっ。

マッコイ:(コロコロ)なんか、もっと深いところに行け、って言ってるんだよね、出目が。

ディアン:マッコイも? オレも1振った。

マキシム:やばいやばい。俺は一応10。

リン:“ヒーロー”とか、“アクション”あるけど、どうしよう。

ディアン:もう、1を振ったから諦める?

マッコイ:うん。ダイスがこの状況を楽しめと言っている。

ディアン:了解した。マキシミリアン、リンを頼むぞ?

マキシム:あれ、ついて来てねーぞ、あの2人!

GM:(笑)では、そのままシーンが変わります。

マッコイ:1枚くださーい。“探索”。おお、ダンジョンで迷って探索って、素晴らしい引きだ。

リン:マッコイの不思議なダンジョン(笑)。

 
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