Eternal Smile > Another Misty Day in London
 

 
TORGリプレイ

『ロンドンは今日も霧』

 

第二幕

 
シーン4 Wisdom of Ancient

 
GM:気がつくと、あなた方は、人工坑道じゃなくて、明らかに何者かが掘った坑道の中にいます。

マッコイ:あーあ。迷っちゃった。

ディアン:因みに、そこにいるのは、1振った人間だけ?

GM:全員ですよ。だって10じゃ足んないんだもん。

マキシム:あ、どっちにしろ迷っちゃうんだ。

GM:するとですね、奥の方から声がします。「(威厳たっぷりに)我が寝床に近づく者は誰ぞ!」

一同:!!

ディアン:えーと、プレイヤー的には解ったんですが、どうしよう。

GM:「名乗らぬつもりか? ならば・・・」

ディアン:「ストームナイト、ディアン・オブロー!」

GM:「ストームナイトだと? では我も名乗ろう。我が名はアースドラゴンのザルムート!」

マッコイ:きゃー(笑)。

ディアン:「ザルムート。オレたちは、ザルムートの眠りを、覚ます気はなかった。闇の軍の企みを探るために、地下に入り、帰り道を間違ったらしい」

GM/ザルムート:「なるほど。上で何やら騒ぎが起こっていたのは、お主たちの仕業か」

マッコイ:「騒ぎを起こしているのは、連中だ。我々ではない」

GM/ザルムート:「ほう。では、先ほどの、水漏れ騒ぎとやらも、お主たちがやったのではないと言うのだな?」

マッコイ:「ああ、それは私だ」(笑)

GM/ザルムート:「・・・まあよい。で、お主たちはここへ何しに来た? 我を退治しに来たとでも言うのか?」

マッコイ:「いいや。そんなことに興味はない。我々はただ、地上に戻りたいだけだ」

ディアン:「オレたちが戦う相手は、別にいる」

GM/ザルムート:「なるほど。あの連中とは違うわけだな」

マッコイ:「あなたも連中には困っているのかな?」

GM:「いいや。協力を要請されたが、拒否した。代わりに邪魔をしない約束をした」

ディアン:「どんなことを、頼まれた?」

GM:ここから先は、〈説得〉ロールが必要になります。

ディアン:(コロコロ)ポシビリティを使います。

GM:はいどうぞ。

ディアン:(コロコロ)26、+9。“貫禄”つけて、〈説得〉23。

GM:ではザルムートは言います。「我が力を使って、このロンドンで地震を起こせ、と。ハードポイントを破壊するために」

一同:!!

マッコイ:やはりか。

GM/ザルムート:「連中と我が戦えば、ただでは済まん。そう、互いにな。だからこの程度の妥協で済んだ。もっとも、我の代わりにリヴァイアサンの協力を得たようだが」

ディアン:「なに?」

マキシム:ま、関係はあると思ってたけどな。

GM:因みに、リヴァイアサンっていうのは、アイルのアクアティックドラゴンが、サイバー教皇領に変身した、サイバー水竜。ビーム兵器やら、ギガテイックミサイルやらを、がちゃがちゃ身体にはめてる。

マッコイ:要するに、生きた潜水艦ってワケだ。

リン:「協力するように頼んできたのは、誰なのですか?」
 

「角笛の主、ヴォータン」
ザルムートが発した名に、ディアンとマキシムの表情が険しくなる。
 

リン:その名前は、知っていますか?

GM:〈知識(アイル伝承)〉で、難易度6ぐらいかな。

リン:(コロコロ)10。(コロコロ)24。+8だから、20。

GM:はい。角笛の主ヴォータンは、アイルのアンガー・ユーソリオン卿の、四天王のひとりです。一時的にリビングランドのバラク・カーに貸し与えられたこともある、強力な戦士で、魔界の馬にまたがった恐ろしい悪魔です。曠野の狩人という魔物を配下にしており、角笛を使って、彼らを自由に操れます。だから角笛の主。

マッコイ:なるほど。

GM:因みに、曠野の狩人は、自らの姿をあらゆる姿に変えることができます。つまり、頭のない馬にも、頭のない鎧武者にも変身できます。

マキシム:「なるほどな。あのデュラハンは、ヴォータンの配下だったのか」

マッコイ:「やはり向こうから来るな、いずれは」

ディアン:・・・・・。

GM/ザルムート:「我としては、地震を起こして上の街を破壊するのは、本意ではない。この街がアイルのリアリティに変われば、快適にはなるがな」

マッコイ:「しかし、そこをもう一度、変な方向に歪まされたら、結局過ごしにくいことになるのではないかな? コロコロコロコロと、リアリティが変化するのは、あまり良くないと思うが」

GM/ザルムート:「ふむ、なるほど。で、何が知りたい?」

マッコイ:「我々が一瞬で地上に出られるのが一番有難いのだが、そうもいかないだろうから、出口への道が解ればいい」

GM/ザルムート:「それだけでよいのか?」

マッコイ:「上のことは人間の問題であって、あなたにはあまり関係がない。というより、あまり、巻き込んでほしくない、というのが正しいのではないかな?」

GM/ザルムート:「はっはっはっは! 面白い奴だ。出口ならば簡単だ。我の後ろを通れば、地上に出る階段がある」

リン:え?!(笑)

ディアン:ああ、地下鉄の出口近くだったようで。

マッコイ:そういうことか。「なるほど。それはすごく有難い提案だ」

GM/ザルムート:「ひとつ、教えてやろう。ロンドンの街は、地上の、あの時計塔の鐘を中心に、複数のハードポイントの力が合わさって、街全体がコアアースのリアリティとなっている」

マッコイ:「つまり、こう言いたいわけだ。その中心を撃ち抜けば、全ては連鎖的に崩壊する」

ディアン:「ヴォータンは、リヴァイアサンを呼び、ハードポイントを破壊させようとしている・・・」

GM/ザルムート:「そして、リヴァイアサンのことだ。テムズ川を遡ってくる間に、途中のハードポイントを軒並み破壊するであろう。その結果、ロンドンはリアリティ・ウォッシュに襲われる」

一同:・・・。

GM/ザルムート:「大英博物館を守る軍隊なども、相当な打撃を受けるだろう。そうすれば、闇の軍勢や、それに与する連中は、あの博物館の中の物を取り放題、というわけだ」

マッコイ:「ふむ。そこまで教えてくれるということは、あなたにとって、この均衡状態は、ある意味理想というわけだな?」

GM/ザルムート:「我は、邪魔をしない約束はしたが、我の元にやって来る者を、助けない約束をした覚えはない」

マキシム:なるほど。

GM/ザルムート:「いずれにせよ、曠野の狩人を倒さぬ限り、リヴァイアサンはやって来る。この世界の武器がいかに強力でも、あのリヴァイアサンには、そうそう勝てるわけがあるまい」

マッコイ:「一理ある。なるほど。貴重な助言、感謝する。さて、我々はこのままここを通ってもいいのかな?」

GM/ザルムート:「勝手にするがいい」

マッコイ:「では有難く。いずれ、この礼はまた」

GM:上って行く前に、ザルムートは言います。「もし、曠野の狩人と戦うための、力を欲するならば、大英博物館に助力を求めるがよい」

マッコイ:ほう。大英博物館。

GM:といったところで、第二幕が終わります。皆さんに3ポシビリティずつ差し上げます。“探索”が発動するかどうかは、これから次第。今この時点で決めてください。大英博物館に行くかどうか。

マッコイ:行きます。

GM:では発動します。“個人的利害”ですけど、曠野の狩人を倒さぬ限り、強制労働させられてる人たちは助けられません。

ディアン:了解しました。

 
NEXT → 大英博物館には、厳重な警備体制が敷かれていた……
 


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