Eternal Smile > Another Misty Day in London
 

 
TORGリプレイ

『ロンドンは今日も霧』

 

第三幕

 
シーン2 On My Honor

 
 大英博物館の収蔵庫は、まるで小型の体育館並みの広さがあった。
 棚には多種多様な物品が無造作に置かれている。梱包すら解かれていない物もある。
 ストームナイトは目を皿のようにして、力を貸してくれそうな物品を・・・エタニティ・シャードを探す。
 

GM:〈発見〉できた物を言います。まず、古代アッシリアの、きらびやかに見えるけど、鉄の王冠。

ディアン:かぶると締め付けられるとか。

GM:いや、ただの鉄の王冠ですよ。

リン:呪われてはいないようだ。

GM:因みに古代アッシリアで、最も貴重な金属は鉄です。あと、小型の土偶みたいなヤツ。上半身が髭の生えた人間で、下半身が馬。要するに、エジプトのスフィンクスのベースですね。

マキシム:空飛べそうだな。

GM:次にヨーロッパ。1つ目、エリザべス1世が着けたと言われる印章指輪。

マッコイ:そんなものが本当に(笑)。

GM:2つ目、かなり古い盾。これこそ、かのパーシヴァルが持って、昇天したと言われる、聖なる盾。

マキシム:怪しすぎる、怪しすぎるぞ。

ディアン:「この盾は、なかなか持ち応えがある」ちょっとだけ喜んでる(笑)。

GM:あとは、短剣が1本と、剣が2本。1本は、獅子心王リチャードが佩いていた剣、と言われるブロードソード。もう1本は、片手剣です。ジャンヌ・ダルクの剣だって。

マキシム:胡散臭ぇなー。戦士の目から見て、その盾とか剣は、立派な物なのか?

GM:獅子王の剣は、かなり立派ですね。黄金と宝石で、ものすごい華麗に装飾してありますよ。ジャンヌ・ダルクの方は、えらくあっさりした感じで、剣全体が十字架の形を模してます。

マキシム:ふーん。

GM:この中から、どれを選ぶか。

マキシム:〈リアリティ〉ロールしよう。それ以外確かめようがない。

マッコイ:するしかないな。

一同:(コロコロ)

GM:一番高いのは24かな。では、3つからポシビリティエネルギーを感じます。短剣と、2本の剣です。

マッコイ:ほう。

GM:まずは、「ソード・オヴ・ライオンハーティドキング」。リチャード獅子心王の剣。

マキシム:強そうだなー。

マッコイ:そんなモン、出自が判ったら、貸してくれねぇんじゃね? って気がするよ。

GM:〈リアリティ〉難易度が20。アイルの名誉に殉じた者が、必要とする任意の行動に対して、+3のボーナスを得る。ただしこのパワーは、通常シーンではシーンごとに1回、戦闘シーンでは3ラウンドに1回しか使用できない。グループパワーは【センド(伝達)】。死のうとしているヒーローの魂を他のコズムへ送る。制約があります。剣の持ち主が、不名誉な行動をした場合、その幕の間は、ポシビリティやグループパワーを含め、全てのパワーの使用ができなくなります。

ディアン:エタニティ・シャードを持っている人は、〈リアリティ〉の判定に成功すると、そこからポシビリティを引き出して使えるんです。自分のポシビリティやカードと別に、最大で5点。

リン:5点も使えるんだ。

マッコイ:ただ、難易度20ってのは結構ハードル高いな。

GM:次、銀の短剣、「ライフ・オヴ・ガーディアン」。難易度は15。〈白兵戦〉〈格闘〉の受動防御に+2のボーナスがつきます。ただし、必ず逆手に、つまり、武器を持ってない手に、この短剣を握っていること。積極防御時は、達成値に+5のボーナスがつきます。制約は、守るべき者がない者は、使用できません。

マキシム:ディアン向きだね。

マッコイ:うん。

GM:グループパワーはありません。ただし、全能力と引き換えに、特殊能力を発動することができます。4レベル以上の負傷を受け、死に至る者を、この世に引き戻す。これを使用すると、ライフ・オヴ・ガーディアンは、エタニティ・シャードとしての力を失い、ただの銀の短剣となります。また、相手が使用者と、何らかの心の繋がりを持っていることが必要です。例えば、親子、兄弟、恋人とか。

ディアン:ちょっと難しい。

GM:最後、「オルレアン・ラ・ピュセル」。これは来歴が面白いですね。ジャンヌ・ダルクが、神からの預言により、教会の庭から掘り出した剣です。目的は、不幸な人々に慈愛の手を差し伸べる。〈リアリティ〉難易度は25。パワーとしては、《知覚》《知力》《魅力》《精神力》ベース技能のうち、どれかひとつに+3ボーナスを与えます。どの技能にボーナスを与えるかは、自由に決められます。グループパワーは【インサイト(洞察)】。なお、キャラクターは女性であることと、〈信教(キリスト教)〉が必須になります。聖別されているため、信仰アクシオム12以下では矛盾します。

マッコイ:コアアースの信仰アクシオムは9だから、無理じゃん。

GM:聖地で使えばいいんですよ。例えば、キリスト教の大きな教会の中とか。

マキシム:聖地以外では使いづらい。

マッコイ:も、あるんだけども、女性かつキリスト教徒でないと使えないというのが。

マキシム:じゃあ無理だべ。

GM:ということで、ソード・オヴ・ライオンハーティドキングか、ライフ・オヴ・ガーディアンですね。

ディアン:ライオンハーティドだと、任意の行動に、3ラウンド毎に+3。

GM:ライフ・オヴ・ガーディアンは、完全に防御系ですね。

マキシム:〈リアリティ〉高い人が、盾代わりに使ってもいいよね。

ディアン:一番〈リアリティ〉が高いのは、リン。

マッコイ:リンは、銃の方が強いから、って気もしないではない(笑)。そもそも、エタニティ・シャードからポシビリティを取り出すのには〈リアリティ〉判定が要る、っていうのであって、プラス修正とかを得るには、判定は不要。

GM:ひとつ、いいことを教えてあげましょう。エタニティ・シャードは、“正体”“仇敵”などの、サイドストーリーを持っている者を優先させることになります。この場合、マッコイは探索そのものがサイドストーリーなんで、ディアンに優先権があります。

ディアン:ライオンハーティドを持って、ボーナスを得て殴るか、ライフ・オヴ・ガーディアンで、防御に専念するか。

GM:どうします?

ディアン:曠野の狩人を、倒すためには、ライオンハーティドの方がいいのかな。ライフ・オヴ・ガーディアンだと、個人的にはすごく憧れるんだけど、防御にしか使えないから。

GM:いや、ポシビリティを攻撃につぎ込むことはできますよ。ただ単に、制約として、守るべき者がない者には、使用できないだけです。

マキシム:だったら、俺はその、なんとかガーディアンの方がいいと思うけど。防御も上がって、なおかつ攻撃にもポシビリティを追加できるんだったら。

マッコイ:キャラ的にどっちが合うかで決めちゃえばいいんだよ、そういう時は。

ディアン:了解。ライフ・オヴ・ガーディアンを選ばせてください。

リン:うん、いいんじゃないかな。

GM:これは、誰が持つんですか?

ディアン:預かっていいですか?

マッコイ:どうぞ。どうせ俺〈白兵戦〉取ってないし。

ディアン:あれ、習熟してないんだ。ダガー持ってるのに。

マッコイ:うん。要するに、これは、飾りの装備なんだよ。メンテナンスの時に、「あ、マイナスドライバーねぇや。いいや、こいつで」(笑)

マキシム:俺は斬神刀以外の剣を持つ気はないし。

GM:ということで、結局あなた方は、金銀宝石でピカピカに飾り立てられた剣ではなく、地味な銀の短剣を選んだわけです。そして館長から、「このシャードは、あくまでも貸し出すのであって、必ず返却するように」と念を押されます。

ディアン:「持ち帰ることを、約束する」

マッコイ:念のため確認しますけど、1個しか借りられないんですよね?

GM:「は?」とか言われますよ(笑)。

マキシム:貸してくんないよな、そんな沢山。

リン:当たり前だろ、っていう顔をされちゃったね(笑)。

GM:第三幕はここで切るんで、全員に2ポシビリティ差し上げます。“探索”と“個人的利害”の分は、もう1点足しといてください。因みに、“探索”の内容はこれ以降、「デュラハンを探し出して、打ち倒す」に変わります。

マッコイ:なるほど。

 
NEXT → リヴァイアサン出現の報を受け、ストームナイトも行動を開始する……
 


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