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TORG往復書簡リプレイ

『MOMO Can Survive』

第一幕

 
シーン3(承前)

 
配属先、各部の責任者はポシビリティ能力者かつその道のプロばかり。
顔合わせのため、メアリィは彼らを甲板に呼ぶ。
 

GM/メアリィ:「こっちが、機関長のジョゼフ」

GM:最初に紹介されたのは、プラチナブロンドで、女性ものの作業着姿の小柄な男。あなたを頭から足まで値踏みするように見た後、投げキッスを送ってきます。「ジゼルって呼んで(はーと)」

球太郎:そういう手合いは嫌いじゃありません。各地の野球チームを回っていると、少数、しかし確実にそういう層を見かけますが、総じて気のいいやつらでした。「俺は球太郎。よろしくな、ジゼル!」相手の希望する呼び名を、勿論尊重します。

GM/メアリィ:「隣が、ラン航海士」

GM:青い短髪、ランニングに迷彩ズボン。片目に傷跡。「狼(ラン)だ。せいぜい、俺たちの足を引っ張るなよ?」

球太郎:そういう手合いにも慣れてるので、「ああ、頑張るよ。よろしく頼む」と流します。

GM:ランは鮫のように嫌らしく笑います。彼の犬歯を見て、モモが小さく戸惑いの声を上げます。

モモ:「えっ?」

球太郎:「どうした、モモ?」

モモ:「あの方、航海士のランさん。球太郎さんの、お仲間と、歯がそっくりです」

球太郎:ふむふむ。そうきましたか! 球太郎は当然、「狼獣鬼」の変身前をよく知ってるわけですが、まさか、まんま彼だったりします? それとも、外見は違いますか?

GM:彼の「2Pカラー」という印象です。髪は短くて色が違い、目つきも悪い。そして彼は、隻眼ではなかったはず。

球太郎:なるほど。ここでは、「ん? いや、他人の空似か、にしては・・・」とつぶやくにとどめます。

モモ:「・・・・・」

球太郎:「髪は切ったにしても色が違うし、口の悪さは、まあ似たようなもんだが、あれで義に篤くて、あんな目つきじゃなかった。第一、隻眼じゃなかったし・・・」まあ、モモが直感したなら何かあるのだろうと思い、詳しい話を聞こうとしますが・・・。

GM:その前にメアリィが声を上げます。「ああ、貴方も来てくれたか」結果的に割り込んだような形になります。

球太郎:なら仕方ないですね(笑)。

GM/メアリィ:「紹介しよう。彼はマーベリック。船医だ」

GM:船室から階段を登ってきたのは、神父服に身を包む、白髪交じりの紳士然とした男。「人は私を、ファーザー・マーベリックと呼びます。仲良くいたしましょう」

球太郎:医者かー。戦闘要員である自分としては、一番世話になりそう。ペコリと頭を下げます。

GM:モモは驚いて身を震わせ、か細い声で言います。

モモ:「お、父様・・・」

球太郎な、なんだってー!? 衝撃の事実! ある意味ホットスタート!
 

 「お父、様・・・父ちゃんか、あれ!? 良かったじゃねえか! やったやった!」
  球太郎は声を潜めつつ、我が事のように喜ぶ。
 「じゃあ、この後、父ちゃんトコに行こう、な! 一応、俺も一緒に挨拶させてくれよな」

 

球太郎:これがモモ的に嫌、もしくはシナリオ的に危険であれば、そのか細く震える手で、球太郎の袖口を、きゅっ、と握って、止めていただきたい・・・!(希望)

GM:モモは、あなたの袖口をきゅっ、と握って、小さくかぶりを振ります。

球太郎:「・・・・・」まず、己の軽率さを恥じます。親だからって幸せな関係性とは限らず、むしろ逆の状況を、少なからず見てきたはずなのに。

GM:(うんうん、そうだよね)

球太郎:まして、記憶がゼロのモモにとっては、目の前の父親らしき人物と、どういう関係なのか、情報ゼロなのだ。まずは、警戒してかかるべき! プレイヤー的には“警戒”カードを握りしめながら、気を引き締めます。「悪かった、勝手にはしゃぎすぎたな。ごめん」

モモ:「・・・・・」

球太郎:「とりあえず、一緒に様子を見よう。何か思い出したら、そん時考えればいい。まだ状況が見えない以上、モモの安全が一番大事だ」

モモ:「球太郎さん・・・」
 

 「この参集が終わったら、安全なところで少し待っててくれ。
  デッキの船員の多いスペースか、食堂なんかがいいだろうな。
  人の目がいっぱいありゃ、悪さもできねーだろうから」
 「球太郎さんは?」
 「俺は、少し船内の様子を見て回ろうと思う。すぐ帰ってくる。
  すまないが、少しの間、充分気を付けていてくれ」

 

球太郎:独りになった球太郎は、例のお父様先生(ファーザー)のところに行きます。せめて第一印象を推し量りたい、あわよくば部下にでも配置されれば、という思いです。

GM:ふむふむ。

球太郎:モモに見えないように、さらに相手に気取られないように、何となく距離を稼いでから近づきます。「ヘイ、ドクター」まだ親しくないので、ファーザーとは呼びません。

GM/マーベリック:「おや? あなたは・・・」

球太郎:「兵隊として雇われた野原球太郎。一応、ストームナイトだ」控えめに、しかし戦闘要員としてここにいることをアピールします。「よろしく頼むよ。ところで、力自慢のナースマン、もしくはガードマンは要らないかい?」

GM:ファーザーは、医務室は人手が足りていると言って、あなたが配置につくのを断ります。

球太郎:「これは失敬、自己アピールが過ぎたようだ」たはは、と頭をかきます。

GM/マーベリック:「調子が悪くなったら、その時にいらっしゃい」

球太郎:「勿論。ちょくちょく世話になると思うよ」挨拶をして辞去しますが、去り際に、“警戒”カードを出します!

GM:おおっ!

球太郎:ナイルと違って善悪が判るわけではないでしょうが、ファーザーがどんなやつなのか直感できたら。

GM:おっしゃる通り、ナイルなら“警戒”カードを使えば本性の看破ができます。球太郎はコアアーサーなので、本来なら不可ですが、クレバーな行動だと思いますので、もうちょっと後で明かすつもりだった情報をお伝えします。

球太郎:ありがとうございます!

GM:彼は、あなたの後ろ姿を見ながら、小声でこう言います。「It’s worth seeing.」(これは見ものだ)

球太郎:では、随分歩いてから、不意に悪い予感を強く感じて、慌てて振り返ります。

GM:彼の姿はありません。あなたは直感します。モモが記憶を失った原因は、この男、ファーザー・マーベリックである、と。

球太郎:な、なんだってー!?
 

 最重要情報キター! しかし、最重要過ぎて、どう動いていいか、にわかに思い付かない(笑)。
 確証がないので、モモにどう伝えるべきかもわからない。
 あまりに恐ろしい予感に、しばし途方にくれます。

 

球太郎:ランのことも気になります。彼、なのか・・・?

GM:だって、自らフラグを立ててましたし(にっこり)。

球太郎:質問ですが、「狼獣鬼」の本名は「ラン」ですか? 違う名前ですか? もし許可をいただけるなら僕は喜んで名付けます。

GM:彼の本名は、ランではありません。設定をお願いします。

球太郎:では、「ヴォルフ」で。国籍不詳の欧州系ナイスガイ。もしかしたら、アイルやオーロシュ辺りからの変身だったりして(笑)。

 
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