Eternal Smile > MOMO Can Survive
 

 
TORG往復書簡リプレイ

『MOMO Can Survive』

第二幕

 
シーン5

 
GM:余程疲れていたのか、朝まで熟睡したあなた。モモが顔をすぐ近くに寄せて、肩をトントンと叩きます。

モモ:「球太郎さん、起きて。起きてください」

球太郎:びっくりして、顔が真っ赤になります!「お、おはよう・・・って、もうそんな時間かっ」

モモ:「上で、何かあったみたいです」

球太郎:「なんだって?」眉を潜めます。部屋におらせたいけど、好奇心旺盛な子みたいだからなー。一緒に連れていきます。

GM:甲板に上がっていくと、ジゼル、ファーザー、そして夜番明けで仮眠に入っているはずのランの姿もあります。

球太郎:「どうしたどうした?・・・おや、甲板長。あんた夜勤明けだろ、大丈夫か?」

GM/ジゼル:「大変よ! 船長が、川に落ちちゃったの!」

球太郎:「な、なんだって!?」すぐ飛び込もうと、まず船長の姿を探します!「くそっ! どこだ!?」

GM/ジゼル:「水音がしてね、そっちを見たら、船長が、沈んでくところだったの」

GM/ラン:「それは一大事だな」

GM/ジゼル:「すぐ車を出しましょ。遠くに流されたら、見つけられなくなるわ」

球太郎:水音も船長の沈む姿も、ジゼルの証言のみ。プレイヤーとしてはなーんか怪しく思いますが、球太郎は船長がどうなったかという危機感でいっぱいです。そして、ん? 車って? とかすかに首を捻ります。

GM/ジゼル:「アタシとランで、行ってくるから、ファーザー、ここはお願いね」

球太郎:げっ、球太郎も救助に行くつもりでしたが、ファーザーが残るならそうもいかないなー。ファーザーとモモの二人きりは避けたい!

GM:(にやにや)

球太郎:しかしなー、反射的に声はかけるだろうなー。「俺も行く! 手伝わせてくれ!」

GM:「「!」」

モモ:「球太郎さん・・・」

球太郎:にべもなく断られても想定内ですが、仲間(と球太郎は思ってます)に任せて放ってはおけない! 万一連れてってもらえるなら、モモには部屋から出ないよう言い置くつもりです。

GM/ジゼル:「いいのかい? あの娘、坊やのアレだろ?」(顔を近づけ、下卑た笑い)

球太郎:「アレって何だよ。いや、確かに心配なんだが・・・」

GM/ラン:「部外者は首を突っ込むな。これは、我らスペシャルズの特殊任務だ」

GM:ジゼルが、ランの言葉を聞いて、このバカ、と思わず口に出します。

球太郎:それは聞き捨てならないので、反射的にランの腕をひっつかんで質します。「おい、それどういう意味だ? 任務? まさかこの事故は・・・」
 

「わかりました。船長に代わって、3名の上陸を承認します」
 ファーザー・マーベリックの、穏やかだが反論を許さない声が、
 核心に入ろうとする球太郎の出鼻をくじく。
 

GM/マーベリック:「では、車の準備を。他の皆さんは、持ち場に戻ってください」

球太郎:まさかのファーザー許可! 仕方なく、それ以上の追求を諦めます。「船長代理のオーダーだ、同行するぜ。すぐ合流すっから、トンズラは勘弁な」

GM/ラン:「・・・・・」

球太郎:川から外れて上陸して探すんですよね。いくつか質問があるんですが、そもそも、川に沈んだとされる状況で、上陸して探すのは、有効そうでしょうか?

GM:さあ、どうでしょう。

球太郎:車は何人乗りですか?

GM:4人乗りの軍用ジープです。実を言うと、車の存在は、船倉で「布を被った大きな物体」として伏線を張っていました。

球太郎:まさかそれだったとは! ポシ使って分かってたら、今回の事故は防げたのかな。

GM:付け加えますと、スペシャルズには出航前から「車が必要になる」ことが解っていたのです。つまり・・・。この先の種明かしは、モモの口からさせたいと思います。

球太郎:種明かしがモモの口からとは・・・なんという推理力。ところで、モモに、部屋に籠って出てこないようきつく言い置いたら、それって、こっそりついてきていつの間にか車に乗ってるフラグになりませんか?(笑)

GM:そのネタいいですね! 採用します。

球太郎:採用されたー! ありがとうございます! 言ってみるものですね!
 

 モモの両肩に手を置いて、
 「俺は行くけど、すぐに部屋に戻るんだ。一歩も出るんじゃないぞ、一歩もだぞ!」
 と、これでもかとフラグを立てます。押すなよ、絶対に押すんじゃないぞ(笑)。
 

球太郎:そして、スバイクの靴紐を結びながら、ぽつりと呟きます。「あいつら、特殊任務って言った。船長が落ちたのは偶発的な事故のはずなのに、まるで最初から決まってたみたいに。どういうことだと思う?」

GM:しかし、モモは既にその場を立ち去った後。返答はありません。

球太郎:顔を上げると、モモがいない、という状況ですね。一瞬、胸をかきむしられるような焦燥感とも喪失感ともつかぬ強い感覚に襲われます。
 

 モモがいなくなった!

 「て、バカか。部屋に戻れって言ったのは自分だろ」
 直後、冷静さを取り戻し、心の中で自分を思い切り殴り付けます。
 

GM:すぐ隣にモモがいて、反応を返してくれることが、いつの間にか日常になっていた。そのことに気づき、あなたの心に不思議な感情が生まれます。

球太郎:・・・・・。

GM:一方その頃、あなたに念を押されたモモは、しょんぼりしながら、持ち場に戻れというファーザーの指示を優先し、船長室に入ります。そこで彼女は、「あるもの」を発見します。球太郎さんに知らせなくては、という一心で、彼女はジープの後部座席に潜り込み、布の下に隠れます。

球太郎:そんなこととは露知らず、モモが部屋に戻ったことを信じて、ジープの方に走り出します。
 

 走りながら、ふと思います。
 いつか、こういう日が来るんだ。
 モモが記憶を取り戻し、いるべき場所に戻り、この旅は終わる。
 ・・・それは、つまり、こういうことなんだ。
 

球太郎:思う間もなくジープにたどり着き、後部座席に乗り込みます。

GM:そこには、布の被せられた、いかにも怪しい荷物がひとつ。

球太郎:きっと、こいつらの怪しい企みに使う怪しい産物に違いない! 後で、二人の隙をついて、覗き見てやろうと決意します(笑)。

 
NEXT → モモの発見は、スペシャルズの欺瞞を示すものだった……
 


PREVIOUS

back to Replay Library

back to Eternal Smile


"Eternal Smile" Since 2002.02.02
Copyright (C) 2002-2020 Charmy. All Rights Reserved.

E-mail:charmy_s@mac.com