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TORG往復書簡リプレイ

『MOMO Can Survive』

第四幕

 
シーン4

 
GM:ラストバトル開始! 〈催眠術〉で支配下に置いた船員に殴らせつつ、ファーザーはあなたを〈威圧〉してきます。

GM/マーベリック:「あなたは何も解っていない。ジャングルに隠れ住む人間の存在は、合衆国の敵、トカゲどもを利する結果に繋がるのです。ですから、我々スペシャルズは、残留者を排除する任務を、大統領より直々に賜りました。よいですか? 私に手を上げることは、大統領に反逆することと同じです」

球太郎:〈威圧〉には抵抗! それなりに気圧されますが、「大統領に反逆することになる」というワードは、大統領をよく知らない球太郎にとっては、こうかはばつぐんではなかった。銃でゴリラを威圧するようなもんですな(笑)。

GM:ルール的な補足をしますと、ファーザーの言葉は真実です。リビングランドにいる、コアアースの人々は、ポシビリティを搾取されています。奪われたポシビリティは、ハイロードのものになります。つまり、「これ以上ハイロードにポシビリティを与えないためには、レジスタンス村を一掃すればいい」という理屈は、ある意味、筋が通っています。

球太郎:そうかもしれませんけど、大事なコアアースのポシビリティを根こそぎゼロにしちゃうのは、本末転倒だと思います。

GM:おっしゃる通り。対抗手段としては、ストームナイトが偉業を達成して、奪われた希望(ポシビリティ)を人々に取り戻させるか、レルムを形作っているスティリーをぶっこ抜くか、いっそのことハイロードを倒しちゃうか、辺りですかね。

球太郎:単純に、レジスタンス村の人たちがフィラデルフィアに移住したら解決かな、なんて思いました。

GM:確かに、フィラデルフィアは安全な避難先と言えます。しかし、既に多数の避難民を受け入れており、人口が増え過ぎて飽和状態なのです。サイバー教皇領のど真ん中で、兵糧攻めに遭っているパリと、状況はよく似ています。だからこそ、行きに食糧を運んで、帰りに避難民を連れ出す、メアリィの船の役割が重要となっています。

球太郎:なるほどなるほど。ともあれ、これ以上議論に応じてやる義理はありません。殴りかかってくる船員たちに当て身を食らわせ、無力化します。「闘球ナックル!・・・すまねぇが、ちっとねんねしててくれよ」

GM:「!」「・・・・・」

球太郎:そして、ファーザーに向き直ります。「その大統領とやら、かなり問題アリだな。相手に利益を与えるのが嫌だから根こそぎなくす? 話にならねえ! そもそもが、自分んトコの大事な国民やろうもん! しっかり守ることを考えんかい!」
 

「キュウタロウの言う通りだ」
 

GM:メアリィが甲板に姿を見せます。トレードマークの海軍の帽子は持っていませんが、瞳に表れた意思の強さは、昨日船に乗り込んだ時と同じかそれ以上です。

球太郎:「船長!」心の中で、(やってくれたなヴォルフ!)と呟きます。

GM/メアリィ:「あたしとしたことが、寝坊しちまってね。心配掛けて悪かった」

球太郎:船長かっこよすぎるっす! てゆーかズルいっす(笑)。

GM/メアリィ:「ファーザーだってご存知だろう。あたしたちのミッションには、脱出を望む避難民を乗せて帰ることも入ってる。同胞を殺すなんて、もってのほかだ!」

球太郎:船長、熱い!

GM/メアリィ:「ここは海軍の船だ。軍隊だ。ファーザー・マーベリック。あなたにこんなことを言うのは残念だけど、船長として、今回の件はきっちり報告する。何らかの処分を受けることになるだろう」

球太郎:パチパチパチ! 球太郎は、ファーザーへの警戒を緩めないまま、力強い瞳で見守るだけですが、プレイヤーは力いっぱい拍手しますね。
 

 これで、ファーザーに同情して躊躇する線はなくなりました。
 彼女もまた、ひとりのストームナイトなのですね!
 球太郎としては、これ以上言葉を重ねることはしません。
 ここは海軍の船。船長の言葉が全てであり、これ以上ないトドメだと思うので。

 

GM:「ちっ!」不利を悟ったファーザーは、モモに駆け寄り、片腕を首の前に回してモモを胸の前に引き寄せます。

モモ:「きゃっ!」

球太郎:「モモ! くっ、どこまでも卑怯な奴!」

GM/マーベリック:「動くな! 動けばこいつの記憶を消去する!」

球太郎:良い話で終わらせてくれないのがファーザー・クオリティですね。警戒するって行動宣言に書いてたのにひどいー。

GM:すみません。“警戒”カード、場にありましたね。

球太郎:いえいえ、大丈夫です。〈トリック〉で、ファーザーの動揺を誘い、隙を作ろうとします。「はっ! やれるもんならやってみろ! その前に俺の必殺魔球がお前の頭蓋骨を砕くぜ! その魔球はノーモーションで投げ、コンマ1秒で頭に当たる。おあいにくさま、ザマアミロ!」勿論、単なるハッタリです。実際の勝負球は、かなり大掛かりな予備動作がいります。

GM/マーベリック:「見え見えですよ。嘘はもっと上手におつきなさい」

球太郎:「くっ・・・」

GM/マーベリック:「形勢逆転ですかね。ああ、ひとつ、提案があります。先ほどあなたは私のことを、奪うしか能がない、と評しました。しかし、私なら、『それ』の記憶を元に戻すことができます。奪うだけではなく、与えることもできるのですよ。さて、あなたは、どちらをお望みですか?」

モモ:「・・・!」

球太郎:「そんなもの、考えるまでもねー! お前が『元に戻す』っていう記憶だって、元々奪ったものじゃねーか! それを単に返すんだから、与えるとは言わねーだろ。論理が崩壊してるぜ。ヤキが回ったようだな! それになぁ・・・」
 

 この先を言うには、かなりの覚悟が要ります。
 たとえ挑発のためのハッタリだって、発言自体は、モモの心をないがしろにするものに他なりません。
 それでも、モモの目をまっすぐ見つめて、球太郎は叫びます。モモを信じて!

 「たとえ今までの記憶を消されたって!
  俺たちはまた出会う!
  そして、必ずまた一緒になる!!
  俺たちは約束した!
  記憶がどうなっても、約束は永遠だ!
  お前なんかのちっぽけな悪意に、負けはしない!!」

 

GM:カッコいい・・・。

球太郎:ありがとうございます! 頑張った甲斐がありました(笑)。

GM/マーベリック:「いいえ。出会うはずがありません。『それ』は私のものです! 記憶を消去し、ヒーローに対する新たな撒き餌として使うのですから!」

モモ:「お父様。・・・お断りします!

GM:モモが、ファーザーの腕に噛みつきます!(ラピュタでも確かこーいうシーンあったよね)悲鳴を上げ、拘束が緩んだところで、力いっぱい振り払い、あなたの元に駆けてきます。

モモ:「球太郎さん!」
 

 選択肢A。モモを受け止め、抱きしめる。
 この場合、ファーザーはメアリィと船員に取り押さえられる。あなたがファーザーを殴ることはできない。
 選択肢B。ファーザーをホームランバッティング。
 この場合、モモのセリフは、「球太郎さん! 今です!」というニュアンスになる。
 

球太郎:小悪党的悪あがきからの、逆転キター! モモ、グッジョブです! そして、これこそ究極の選択! 悩みましたが・・・Aで!!
 

 「モモ!!」
 両手を広げて、駆けてくるモモを迎え、ぎゅうっと抱き締めます。
 「ずっと、一緒だ・・・!」
 これ以上、言葉が出ません。

 

球太郎:ファーザーにトドメを刺すのは船長であるメアリィの役目。その思いも強くあり、ホームランはやめときました。大体、場外ホームランで行方不明にしちゃったら、また復活フラグ立っちゃいますし(笑)。

GM:モモはあなたの胸に顔をうずめたまま涙声で言います。

モモ:「球太郎さん。どうか、信じてください。たとえプログラムされた行動だとしても、球太郎さんのことを、ずっと見ていたいという気持ちは、本物です。これからもずっと、ずっと、『大好きな人』のおそばで、『大好きな人』の素敵な姿を見ていたいです」

球太郎:何を改まってそんなことを、と思った後、いや違う、と苦笑します。約束について思い出すきっかけのモモとの会話は、実は球太郎の心象風景に過ぎないし、思いは、改めて言葉にしないとですね。

モモ:「・・・・・」

球太郎:抱き締めたまま、「勿論、信じるさ。プログラムだろうがなんだろうが、関係ねえ。俺だって、モモをずっと見ていたい。ずっとそばにいたい。おんなじ気持ちだ。気持ちが通じあうって、こういうのを言うんだな。・・・いいもんだ」

モモ:「・・・はい」

球太郎:さすがに我に返って、少し体を離し、モモに笑顔を向けます。「大体、人はみんな誰かしらの影響を受けてる。親父お袋に限らず、いろんな人の。プログラムされてるって話にしろ、マーベリックという男の影響を多少受けてるんだって考えれば、なんてことはねえ、普通のことだ」

モモ:「球太郎さん・・・」

球太郎:そして、拘束され地べたに押し付けられたファーザーを見下ろします。「けどな・・・モモ、もう二度と、お父様なんて呼ぶんじゃないぞ。俺もこんなやつがお義父さんだなんて、ごめんだからな」

GM:モモの顔が、みるみる真っ赤に染まっていきます。

モモ:「! きゅう、太郎、さん? お義父さん、って・・・?」

球太郎:こっちも真っ赤になります・・・が! 今回は天然発言ではありません。なんと、考えて発言してます! いつまでも天然坊やではありません。人は日々成長するのです。
 

 「一緒に、お父さんを探そう。その時には、ちゃんとご挨拶をする。
  なあに、焦ることはないさ。少なくともひとりは、家族が出来る。モモさえ、よければだけど」
 真剣な瞳で、すう、と一息吸って、
 「結婚しよう」

 

GM:メアリィもヴォルフも、振り返ってあなたをガン見します(笑)。モモは、驚きすぎて呼吸すら忘れるほど驚いて、ふぅっ、と息を吐き、顔を上げ、あなたに向かって柔らかく微笑みます。

モモ:「私と一緒にいることが、あなたにとっての幸せだと思ってくださるのなら・・・。よろしくお願いします。・・・大好きです。球太郎さん」

球太郎:いただきましたー!(喜)ありがとうございます! この日を待ち望んでおりました!
 

 「いよっしゃあああ!!」
 

球太郎:両拳を天高く突き上げて、喜びの声を上げます! そして、モモを高く抱き上げ、笑いながらくるくる回ります。

ヴォルフ:『けっ、やってらんねぇぜ。タマキチの野郎、俺より先に彼女作りやがって』

GM/メアリィ:「Excuse me, Mr. Wolf? うちの船員にならないか? あたしを助けてくれたんだ。特別待遇で迎えるよ」

GM:まだ、目の前の狼がランだったとは気づいていないメアリィ。球太郎とモモを見て、苦笑します。

GM/メアリィ:「あの2人を、ここに繋ぎ留めておくわけにはいかないからね」

球太郎:ほうほう、メアリィはそう来ましたか。こちらは別の結末を考えてたんですよねー。「そのことなんだけどよぉ・・・」と、会話に首を突っ込みます。

ヴォルフ:『ん?』

球太郎:「今回の件で、船は結構な戦力ダウンなんじゃねえか?・・・そこでだ」
 

 二人に近づき、モモの肩に手を置くと同時に、ヴォルフの首っ玉に乱暴に腕をかけます。
 そして、大きな笑みを浮かべて、言い放ちます!
 「俺たち三人、スペシャルズ(笑)!・・・どうだ? ダメか?」

 

球太郎:意外な提案ですが、球太郎なりに考えたものです。メアリィの返答やいかに?!

 
NEXT → そして船は、フィラデルフィアに「希望」を届ける……
 


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