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TORG往復書簡リプレイ

『MOMO Can Survive』

〜そして、これから〜

 
GM:3人は無事、メアリィの待つ船に戻ります。芹奈さんにも釘を刺されたし、近いうちにニッポンへ里帰りしないとなぁ。そんなことを考えているあなたを、モモは頬を染めて見つめています。あなたが視線に気づくと、慌ててよそを向きます。

モモ:「その・・・何だか、色々なことがありすぎた、ハネムーンでしたね」

球太郎:一瞬、あっけに取られ、そして、プッと吹き出します。「冗談言っちゃいけねえな! こんなんがハネムーンじゃ、あまりに勿体ねぇ・・・よっと!」唐突に、モモをお姫さまだっこします。

モモ:「!」

球太郎:「まぁ、この航海も楽しかったけど、ハネムーンが仕事ってのは味気なくて行けねぇ。改めてきっちりやろう!」
 

 どこに行こうか、と胸踊らせた刹那、ふと、芹奈さんとの会話が頭をよぎる。
 「なぁ、これもハネムーンっぽくなるかは微妙だが・・・
 役目が終わって船から出ることになったら、ニッポンに行かないか?」
 少しうつむいて、そして覚悟を決め、また目を合わせる。
 「両親に、会って欲しいんだ」

 

モモ:「そういえば、ニッポンに連れて行っていただくのは、初めてだと思います」

球太郎:まだだったんですね(笑)。あとはリビングランドだけ、と思い込んでましたが、考えてみたら、あの短期間で他の可能性を全部潰すのも無理がありますね。

モモ:「球太郎さんの、お父様、お母様に会うのですね」

球太郎:「そうだ。・・・紹介するからな。俺の、嫁さんだって」

モモ:「・・・はい」

GM:(よし、サプライズいくぞー)ラストシーンは、帰還の時を迎えた船上での会話です。

球太郎:うう、淋しいなあ(泣)。

GM:河口まで迎えに来た海軍の船に、ファーザー・マーベリックを引き渡す際、彼はあなたの視線に気づき、自嘲するような薄笑いを浮かべて言います。

GM/マーベリック:「まさかあなたのようなヒーローが、私の計画を邪魔しに現れるとは」

球太郎:「・・・・・」

GM/マーベリック:「どうやら私は、デスホークに騙されたようです
 

 何ぃーー!?
 ハネムーン発言でニヨニヨしてたら、デスホークで全部ぶっ飛んだっ!!
 昼から仕事にならないじゃないですかどうしてくれr(ry

 

球太郎:「なっ・・・何・・・だと・・・」聞こえた言葉に一瞬思考が固まります。

GM/マーベリック:「・・・・・」

球太郎:「おい待てっ! それってどういう・・・!?」我に返り、噛みつくように問い掛けますが、時すでに遅く、彼は自嘲の笑みを残して、海軍に連行されて行くのでしょうね。

GM:はい(にやにや)。

球太郎:「デスホークって・・・あの、デスホーク、だよな・・・?」

モモ:「球太郎さん。デスホークさんとは、どのようなお方なのですか」

GM:黒ずくめの覆面ヒーロー、と説明を受けると、モモはハッとした表情で、ヴォルフを見ます。

モモ:「ヴォルフさんを襲った方も、黒い影のような外見、でしたよね」

球太郎:「そういや、ジゼルの奴が言ってた。アメリカ行きを決めたのはファーザーだ、とある筋から、いいスポンサーを紹介されたからだ、って・・・。一体全体、どういうことなんだ・・・」
 

 唐突に生じた疑問に、立ち尽くすばかりの球太郎でありました。
 とある筋=デスホーク、スポンサー=大統領、と推理していいもんでしょうか、これは・・・?

 

GM:ご名答。デスホークは、表向きヒーローを招集してカイロのヴィランを一掃しておきながら、その裏でヴィランが落ち延びる手伝いをしていました。改造人間の生みの親であるファーザーと、ジゼル、ランの3名を、アメリカ合衆国大統領デニス・クオーターメインに繋いだのは、彼です。大統領は、自分の手足となって働く特殊部隊が欲しかったので、需要と供給が一致、晴れて再就職斡旋完了、となったわけです。

球太郎:・・・・・。

GM:何故そんなことを、と疑問に思うでしょうね。ここで最後の種明かし。デスホークとは、ナイル帝国ハイロード、Dr.メビウスが変装した姿なのです。

球太郎なっ、なんだってぇー!?(驚愕)まあ、あからさまにダークヒーローもしくはアンチヒーローといった印象であるので、何かあるなとは思いましたが、まさか「その人」だったとは。

GM:ただし、ストームナイトにはバレていません。彼がデスホークに扮しているのは、ヒーロー側の情報を得るため、そして、ヒーローを油断させ罠にはめるため、と言われています。しかし、どうも趣味でヒーローやってる感が否めない(笑)。

球太郎:球太郎はおろか、ストームナイトは誰も知らないわけですから、「どうやら、ろくでもないヒーローがろくでもない大統領と結託して悪巧みをしているらしい」と疑いを持つが、確証もないし、なかなか尻尾を掴めない、本気で暴こうとしたら1キャンペーンじゃとても足りない、という感じでしょうか。

GM:ですね。

球太郎:プレイヤーとして考えると、メビウスはナイルのハイロードという重責(笑)を担う傍ら、どうやら趣味でヒーローを副業として営んでいる。そして副業の旨味としてヴィランの補助にも勤しんでいる。今回の一件も、ヒーローとしてナイルからヴィランを駆逐しつつ、働き口を斡旋する自作自演であったが・・・。
 

 A:それを邪魔するストームナイトの登場は想定外であり、彼の遊びの範囲内のことではあれ、
   一泡吹かせることができた、とプレイヤーは考えてよい。
 B:ヴィランがストームナイトにやっつけられてショボンヌ、それを見てプギャー! までが
   彼の遊びのワンセットであり、プレイヤーは彼の掌で踊らされていたにすぎない。

 どちらでしょう?
 

GM:やはりAでしょう。生来、ストームナイトはヴィランの邪魔をする生き物ですが、球太郎とモモが船員として雇われるところまでは、メビウスにも予見できなかったと思います。

球太郎:そう言っていただけると、スカッと終われます! ありがとうございます!

GM:いえいえ。

球太郎:ただし、シナリオとしては、謎を残して終わった、ということになりますね。しかし、モヤっとするどころか、球太郎としては随分良い目を見せていただきました。何と言っても、恋愛成就、即結婚! 夢が叶いました。もう思い残すことはありません。

GM:(笑)

球太郎:モモについては、キャラクター・関係性ともに、まさに理想であり、大変、なんというか、ごちそうさまでした、と言いたくなるくらい、満足しました。

GM:モモの正体は、予想通りでしたか、それともショックを受けたでしょうか?

球太郎:そりゃあショックでしたねー! 自分への好意が、ヴィランの悪意によって造られたものだ、ということですからね。しかし、ロールプレイを通じて「それでもいいじゃないか」と受容できたのは、大変面白く貴重な体験でしたよ!

GM:今回のシナリオは、私がサイトに載せている三題噺シナリオ『桃缶・サバイバル』を、改訂したものです。「桃缶を食べて変身するヒーロー」と、球太郎の理想のヒロインが、どうしても結びつかなかったので、方向転換しました。モモがブリキ缶の中から出てくるのは、桃缶の要素をどこかに残したかったから。単なるダジャレです。

球太郎:桃から生まれた桃太郎のイメージですね。自分はてっきり、ビーナスの誕生かと思ってました。大概ズレたイメージです。

GM:ああ、言われてみれば。
 

 今までありがとうございました! 本当に、本当に楽しい時間でした。
 これからも、伴侶を得てますますパワーアップした球太郎が、
 諸先輩方の背中を追って、または肩を並べて、はたまた後輩諸君を導きながら、
 戦い続けていくことを強く願います。

 

GM:こちらこそ、ありがとうございました! エンディング2と3、書けたら読ませてくださいね!
 

 限りなく今に近い未来………
 今夜、あるいは明朝、さもなければ来週……ほんの少しだけ未来の物語
 

 TORG Replay『MOMO Can Survive』Fin.

---Thanx a lot for your reading! I wish you have a happy life ahead!
 


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