TORGリプレイ

『月光夜曲』

 
 

第一幕

 
シーン3 物語の始まり
 

ポシビリティ戦争に疲れた市民へ娯楽を提供しているテレビ局、
ファースト・エンターテイメントの正面玄関から、
ピンク色のキャデラックが滑り出る。
後部座席に座るは、秘密工作員シグマと、レルムランナーのシュア。
2人は、同局のプロデューサーであるジェイク・ノリという男に、
人狼と戦うドキュメンタリー番組の概要説明を受けている。
 

GM/ジェイク:「・・・というワケなのよー!」(笑)

シグマ:「ジェイク、相変わらず趣味が悪いなぁー、おい」

GM/ジェイク:「なぁに言ってるのよー! 復讐に燃える少女! それを支援する車椅子の女! これは欠損よ、欠損というドラマなのよ! わかる?」

シグマ:「(無視して)お前さん夜になったら酒ぐらいは奢ってくれるんだろうな?」

GM/ジェイク:「あーんもぉ、シグマちゃんたら。いけ好かないわねー」

シュア:「っていうかほら、シャンパンとか積んであるし。うわ、すっげぇ! こんないい酒!」

GM/ジェイク:「ま、とりあえず、アイル育ちの嬢ちゃんのご機嫌取りとか、いい絵を撮るために、色々とあんた達の力が必要なの。ギャラ弾むからさ、よろしくね。ということで、カンパーイ!」

シュア:「カンパーイ!」

シグマ:「ちょっと待て待て待て待て! ジェイク、ジェイク」

GM/ジェイク:「ん、なーに?」

シグマ:「その・・・なんだ、人狼? 聞いたことあるんだけどよ。ニュースでそういう話なかったか、そういえば」

シュア:「あーわかった、流行を取り入れたんでしょ。ヤラセにも流行を」

GM:「ほら、今ロスで、人狼騒ぎが起きてるじゃない。ぴったり符合するのよ。本物だったらそいつを捜せばいいし、ニセモンだったら、適当にでっち上げればいいの!」

シグマ:「ということはジェイク、お前さんが特殊メイク被るんだろ?」(笑)

リック:こいつらー!

シオン:面白すぎる!

シュア:どうせヤラセだと思ってるから(笑)。

GM/ジェイク:「でね、もうすぐロスに着くのよ、その人達。このまんま迎えに行くから。空港まで」

シグマ:「あれ? あんたも行くのかい」

GM/ジェイク:「当たり前でしょ! アタシプロデューサーよ、プロデューサー! あんたたちは、アタシの個人的なボディガード兼、手伝いってことでヨロシク。あと、もう1人呼んであるから。荒事担当をね」

シュア:「何て人?」

GM/ジェイク:「クイン・セバスチャン」

シュア:「あ、あの伝説の傭兵の!?」

GM:説明しますと、クイン・セバスチャンっていうのは、ルールブックに出てるサンプルキャラです。かなりの有名人。

セバス:ほぉー。

シュア:なんだ、すごいなぁ。ますますヤラセっぽくて安心(笑)。

シグマ:「おいジェイク、これだけお膳立てしておいて、金は平気なのか? 俺らのギャラ払えません、は無しだぜ?」

GM/ジェイク:「わかってないわねー。いい? この契約書ではね、アタシ達が、調査を完全にバックアップする代わりに、収益は全部こっち。全取りなのよ、全取り!」

シュア:「でもあんまりアコギなことやると、名誉の騎士が斬り込んでくるよ?」(笑)

GM/ジェイク:「大丈夫よ、あいつら法律守るから」

シュア:「・・・そうだね」

GM/ジェイク:「アタシは、このアメリカ合衆国全土の、迷える若者達に、楽しみを与えようとしているのよ。そう、望まれたストーリーを。OK?」

シグマ:「一応言っておくが、X指定は守れよ(笑)。あまりにもブラックな臭いがするからなー」

GM/ジェイク:「だいじょぶだいじょぶ! 大体この時代に、人狼なんて、いるわけないじゃないのー。インドネシアじゃあるまいし」

シュア:「そうだよねー。ここロスだよロス。ホントだったらギャラいくら貰っても足りないよー!」

シュアシグマGM:ぎゃははは!
 

3人の乗ったキャデラックは、小一時間で空港へ到着。
そこには、迷彩服に身を包んだ1人の男が待っていた。
 

GM:どっからどう見ても軍人。レイバンのサングラスかけて、「また悪趣味な車だな」という顔をしている。

シュア:おー、テレビで見た通りだ。

GM/ジェイク:「あーらクイン、来てくれたのね。時間通りよ、ピッタリねー」

シュア:うわ、カマっぽーい。

GM/クイン:「あーっ! いいから、50センチ以上近づくな!」

シオン:『いやーん、このアタシの親愛の情を、なんで解ってくれないのよクインー?』とか(笑)。

GM:男は、ジェイクをいなすとすぐ向き直って、レイバンの下から、値踏みするような目でじろっ、じろっ、とあなた方を見ます。「クイン・セバスチャンだ。短い間だが、よろしく頼む」

シュア:「シュア・スカイウォーカーっす!」

シグマ:握手して、手の感じを確かめます。おぉー、やってるなこいつ。

シュア:「いやー、あなたみたいな人が一緒だと、心強いッスよ!」

GM/クイン:「・・・(ボソッと)あまり受けたくなかったんだがな、この仕事」

シュア:その辺はほら、大人だし(笑)。

GM:では、そうやっていると、シャンパンで顔の赤いジェイクが、「もう、あんた達、行くわよ! 飛行機着いちゃったわよ!」

シュア:あ、出迎えか。

シグマ:平気な顔して歩いてく。

GM/クイン:「・・・おかしい。なんか初めっからキナ臭ぇ。嫌な予感がするぜ!」

シュア:早くも役作りかー。プロは違うなー(笑)。

GM:というところで、第一幕終了になります。
 

NEXT → アイルからの一行を出迎えるシュアとシグマ。現れたのは……
 

入手NPCカード:ジェイク
 


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