TORGリプレイ

『月光夜曲』

 
 

第二幕

 
シーン1 空港にて
 

「あっ、来たわ! あれよ、アレ!」
ジェイクの脳天気な声に呼ばれたかのように、
アイルからの一行が到着ロビーヘ姿を見せる。
『歓迎・ワーウルフハンターご一行様』と書かれた横断幕を掲げ、
軽い気持ちで待っていたシュアの表情がこわばる。
 

GM:向こうからやってくるのは、シスターと、蛮族と、皮ジャンと、軽装鎧を着けた女性と、あとね、ターバンのインド人と車椅子の女(笑)。

シュア:距離まだあるよね?「シグマさん、シグマさん」

シグマ:「あ?」

シュア:「シャレにならない雰囲気が漂ってるんですけど」

シグマ:「俺も、あの噂、信じていいって気がしてきたよ」

GM/クイン:「(いきなり登場)その話、詳しく聞かせてくれねぇか?」

シグマ:黙って、人狼騒ぎが載っている新聞を渡します。

GM/クイン:「・・・・・。俺ちょっとタバコ吸ってくるわ」

シュア:「クインさん、今は出迎えなんで、横断幕の端っこ持って立ってもらえます?」(笑)

GM/クイン:「くそっ、義理がなかったら何で俺がこんな依頼を!」

シュア:お、思わずもらい泣き。

GM/クイン:「なぁ。あの車椅子の連中、車椅子の作りからすると、あいつらヴィクトリア人だよな」

シュア:「そうですね。あの独特の雰囲気は」

GM/クイン:「きな臭くなってきやがった!」(笑)

シグマ:「俺もなー、アイルから来るってのは聞いてたが、まさか中身がヴィクトリア人とはな」

シュア:「思わなかったですよねー」

GM/クイン:「お前らはまだいいじゃないか。俺なんてな、警護任務としか聞いてねぇんだぞ!」(笑)

シオン:かわいそー。

シュア:と、こんな3人が待ってます。

GM:了解しました。お次は飛行機から降りてくる組。

シンディ:マスター。飛行機の中で、フィアナと話をして打ち解けたいです。

GM:ではシンプルに、〈魅了〉で判定してください。

シンディ:(コロコロ)10!(コロコロ)18足す、(“アクション”使用)3で達成値21。

GM:ほう。

シンディ:「まだ正直信じられないけれども、私も真実を知りたいし、何よりも、熱血漢のランバートさんにちょっと似てる、フィアナを見て、どうしても放っとけなくなったから。お願いだから、私にできることがあったら言ってね」

GM:ではですね、フィアナの態度は中立でしたが、今の〈魅了〉で1段階良くなって、好意を持ってくれたようです。

シンディ:よっしゃ!

GM:ただし、最後のどこかに固い壁があることは、はっきり判ります。

シンディ:聖職者ですから、そこら辺は慣れております。

シュア:そこら辺突き破れるのは(リックを指差す)。

シンディ:“ロマンス”だ!

リック:おいおいおい!(笑)
 

そう。幕間のカード補充で、リックが“ロマンス”を引き当てたのである。
フィアナ、エリス、その他(笑)の中から、彼が選んだお相手はフィアナ。
 

GM:到着ロビーに降りていくと、「はぁーい、ここよー♪」という、爽やかな中年男性の声がします。その横に、妙に疲れた顔の人間が3人と、ADが3人。

シュア:こっちは、ディが来たのを見て、心の中で、生存率ちょっと上がった! とか思ってる(笑)。

GM/クイン:「お、なんだ坊主、知り合いか?」

シュア:「うん、知り合い。おーい、ディー」

ディアン:「・・・シュア?」

GM/ジェイク:「ようこそエリス、アメリカーへ!」

リック:胡散臭ぇー。

シグマ:「あー、ジェイク、待て待て待て。彼らはきっと英語が判らないんで、俺が通訳する。(フィアナへ向き直り)アメリカへようこそ」とにこやかに。〈魅了〉。

一同:(笑)うまい!

シグマ:達成値15。

GM:オッケー。成功です。「あ・・・ファースト・エンターテイメントの方ですか?」

シグマ:「ようこそアメリカへ」

GM/フィアナ:「私は、フィアナ・ローレンス。彼女は、ミズ・エリス」

シュア:エリスさんのトコに、ちょこちょこと近寄っていく。

GM:そうすると、執事が、ぴくっと反応して、あからさまに車椅子を動かす。

シュア:あ、あの・・・。

GM/エリス:「いいのよ、グレゴール」

シュア:じゃあ、車椅子の前にしゃがんで、「あなたのご身辺を警護することになり、感激のきわみです」とか言いながら、礼儀を守って、手の甲にくちづける。

GM:エリスはニッコリ笑って、「完璧とは言えないけど、レディに対する作法はできているわね、坊や」

シュア:「ちょっと知り合いに貴族の方がいまして(笑)。礼儀作法はこうだと教えられまして」

セバス:あぁ、そうか。昔ね。

シュア:プレイヤー的には〈魅了〉を試みる。(コロコロ)ダブル! 振り足し!(コロコロ)プラス12で・・・達成値23。

GM:すごいニコニコしてるよ。「私にも、これぐらいの弟がいたわ。生きていれば」

シュア:「! お察しいたします」

GM/エリス:「いいえ。弟が、帰ってきたみたいで嬉しいわ」

シュア:「では、短い間ではありますけども、弟だと思ってこき使ってやってください」

GM:「本当にいいの?」因みにグレゴールは、微妙に嫌そうな顔をしてる。その横では、「あーら、よく来てくれたわねー」とか言いながら、ジェイクがフィアナの両手を掴んで、上下にぶんぶんぶん。フィアナはよろめいてます。

リック:じゃあ、フィアナを受け止めて、ジェイクに話し掛けます。

GM/フィアナ:「!」(頬を染める)

リック:「おっさんおっさん。あんたが、今回の協力者?」

GM/ジェイク:「ええ、そうよ」

リック:「あんたの顔、テレビで見たことがあるよ」

GM/ジェイク:「あら、アタシは単なるプロデューサーよ。プロデューサー。さてと、ここで立ち話もなんだから、ゆっくり食事でもしましょ」

シュア:「そうッスね。詳しい話もお伺いしたいですし」

GM:「あとね、事件について調査をしている、ロス市警の警部さんを、呼んであるわ」
 

一行は、ジェイクに連れられて、
警部との待ち合わせ場所であるレストランへ向かう。
 

ディアン:(歩きながら)「シュア。あの横断幕。どうして、あんなことをした?」

シュア:「・・・いや、何て言うか、一応最後の確認ぐらいしたいじゃん?」(笑)

シグマ:く、苦しい。

シュア:「リアクションがアレだったら、あーこれはヤラセだなーとか思えたんだけどね」

ディアン:「今度の話は、遊びではない。とても深刻な、話だ」

シュア:「みたいだね」
 

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所持NPCカード:フィアナ、エリス、グレゴール執事、マルセル、ジェイク
 


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