TORGリプレイ

『月光夜曲』

 
 

第二幕

 
シーン2 熱烈歓迎・中華飯店(その2)
 

GM:シグマの機転で、あなた方は個室へ移動し、会食になります。運ばれてくるのは、アメリカ風にアレンジされた中華料理。因みにグレゴールは、直立不動のまま。

シュア:「グレゴールさんも、召し上がればいいのに」

シンディ:セバスに、瞳を輝かせながら、「エマニエルさんから、あなたのお話は伺ってますー」

セバス「なぬっ! 何処で見た?!」(首根っこ掴む)

一同:(笑)

シンディ:「そ、それが、それが」

ディアン:(シンディを指差し)女性、女性。

セバス:いや、ちっとあの、坊っちゃまの話だと理性失うから(笑)。「娘、教えとくれ、何処で見たのじゃー!」

シンディ:「あ、が、が、が、2ヶ月前に・・・」がくっ(笑)。

GM:そうすると、クインがつかつかとやって来て、シンディにふんっ! と活を。

シンディ:「・・・あ・・・ありがとうございます」

GM/クイン:「まぁ、ちゃっちゃと行こうや」(沈痛な顔)

セバス:「ああ。坊っちゃま、いったい何処にいらっしゃるやら・・・」(涙を拭く)
 

話の要点は、以下の4つ。
フィアナが、マルセルという人狼を追っていること。
エリスが、フィアナの協力者であること。
ジェイクとファースト・エンターテイメントは、ドキュメンタリーの独占放映権を得る代わりに、フィアナの支援をすること。
そして、ロサンゼルスで人狼がらみの騒ぎが起きていること。
 

GM:「で、オカルト儀式の跡があったって話なんだけどぉ。ロブちゃんどうなの、ロブちゃーん」「ウッドヘッド警部と言ってほしいものですな。(セバスに)すまんが、説明してやってくれ」

セバス:「その手の話はわたくしに任せていただきましょう。ありゃただの茶番ですな」

シンディ:わー、何だか坊っちゃんから聞いてた通りの人だわー。目が輝いています。

GM:人狼の目撃情報については、警察にも入っているので、事実らしいです。「それがマルセルって奴かどうかは、判らんな。人間かどうかも判らんし。・・・ん、マルセル? どっかで聞かなかったか?」

シオン:マスター。マルセルについて、人となりを教えてください。

GM:あなたが知っているのは、サイバー教会離反前のマルセルなので、堅物で、冷静沈着な、真面目系悪漢という印象。ストイックで、理想のために手を汚すのを躊躇わない。しかし、ランバートと何回か戦っているうちに、だんだん解り合って、ランバートが彼を教会側から引き抜いたという経緯があります。

リック:ふーん。

GM:因みにシンディがマルセルの写真持ってるよ。

シンディ:じゃあフィアナに、「写真見せて、いいかな?」と聞いてから、出します。

シグマ:マスター。〈裏街〉技能を持ってるんですけど、見たことある人物かどうか振ってみていいですか?

GM:どうぞ。

シグマ:(コロコロ)達成値18。

GM:あなたはこの人物に会ったことがありません。が、ここロサンゼルスで調査をすれば、何か判るかもしれません。

シンディ:その写真に、坊っちゃんも写ってますよね。

セバス:(写真を覗き込んで)「うぉーーー!」(笑)

GM:セバスとシオン。〈発見〉または《知覚》で。目標値は11。

セバス:(コロコロ)まわりましたー。(コロコロ)

一同:おぉー。

シオン:(コロコロ)16で成功。

GM:この写真に写っている、マルセルというサイバー騎士。武装はないけど、さっき事件現場へ行く途中に逢った、ぼろの男。あいつだ。

セバス:「む、この男、さっき見なかったか?」

シオン:「さっきぶつかってきたんだよな」

GM:フィアナがそれを聞いて、ガタンと立ち上がり、ちょっと青白い顔で、「どこで見たんですか!?」

シグマ:〈説得〉。「まぁ落ち着きなさい」(コロコロ)ポシビリティ。

GM:後ろでジェイクが、「そうよ、止めるのよ! 今はダメよ!」と効果のない応援。

シグマ:24と言って〈説得〉。

GM/フィアナ:「・・・すみません。取り乱して、しまいました」
 

黙り込むフィアナ。室内を重苦しい空気が支配する。
ややあって、シンディが口を開く。
 

シンディ:「ここは、自由の国アメリカですので、あがく自由もあれば、人の心を守る自由もあると思っています。行動をするのは勿論自由ですが、その行動と、フィアナさんの心の安息は、切り離されてしかるべきです。フィアナさんにはその自由があると思うし、アメリカは、その自由を保障していると思います・・・」

GM/ジェイク:「いいわー、いいわよその顔。あなた、いい顔してるわー!」(ビデオカメラを回しつつ)

ディアン:立ち上がって、傍へ寄っていって、無言で見下ろす。

GM/ジェイク:「あら、なぁに?」

ディアン:「何をしている?」

GM/ジェイク:「録画よ録画!」

ディアン:「ろくが、とは何だ?」(注:ファンタジー世界の住人なので、ビデオを知らない)

シュア:えーっとね、ほら、吟遊詩人がサーガを書くじゃん。アレ。

GM:いったんカメラを止めて、「わかる? アタシはあんた達のサーガを撮るのよ、サーガを!」

ディアン:「サーガというのは、英雄の、物語。この話は、そんな、易しいものではない。それを、片づけろ」

GM/ジェイク:「あら。(口の端を吊り上げて)ねぇあなた。これは契約よ。これは彼女たちも了承しているの」

ディアン:振り返る。

シュア:契約結んだ時点で了承したことになってるんだよ。あと、僕たちがすべきなのは、どんな悲劇であろうとも、どんな喜劇であろうとも、みんなの心を熱くする物語に変えることでしょ。それでいいんじゃん?

GM/ジェイク:「あんた達の行動は、人々に希望を与えるのよ! アタシはそれを伝えたいの! 大丈夫。もし任務の都合か何かで、顔がバレちゃ都合が悪いというのであれば、名前や顔はいくらでも変えられるから」

ディアン:「いや。俺たちの、名前や顔が、問題なのではない。フィアナを、そしてエリスを、傷つけるような、やり方をすることは、許さない」

GM:「いいんです、ディアンさん」フィアナが言います。「私たちはそれを理解した上で、彼らと契約したのですから」まぁ、あまり嬉しそうではないですが。

シュア:「その辺は紳士的にやるんだよねー、シグマさん」

GM/ジェイク:「なぁに言ってんのよ。アタシは紳士的よ、充分に」

リック:じゃあ、俺がその反応を見て、〈手品〉で、カメラのフィルムを抜いときます。(コロコロ)げ!

GM:1は失敗よーん。「ん、ダメよぉ、アイルの人が触っちゃー」(カメラを隠す)

リック:ヤバいなぁ、こんなところで1振るなんて。

GM/フィアナ:「リックさん。お心遣いはありがたいんですけど、私たちは、大丈夫ですから」

リック:「なぁに。泥棒の悪い癖が出たまでよ」

GM:そうすると、小さい声で、「・・・優しいんですね」

一同:きゃー(笑)。
 

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