TORGリプレイ

『月光夜曲』

 
 

第二幕

 
シーン2 熱烈歓迎・中華飯店(その3)
 

シグマ:「では警部。現場にお願いしようか」

GM:「そうだな」そうするとジェイクが、「あ、アタシ、目撃者のアポ取ってあるから。後で取材行きましょ」

セバス:目撃者なんていたんだ。

GM:警部も意外そうな顔をしてますが。

シグマ:「おいジェイク、あんた次の番組入ってるんじゃないのか。いいのか、こんな所で油を売ってて」

GM/ジェイク:「大丈夫! アタシこの番組にね、プロデューサー生命、2割くらい賭けてるんだから」

セバス:2割か(笑)。

シオン:安いな。

GM/ジェイク:「ロスの郊外にモーテル、全員分取ってあるからー、あんた達、今日一日お付き合いヨロシクね♪」

シンディ:「(小声で)そんなにお金使って、大丈夫なのかしら」

シグマ:「(小声で)まぁ、放映権で入る金がでかいんだろ」

GM:ADがセバスとシオンに、「すみません。あなた方にも、できればご協力いただきたいんですが。出演料は払いますんで」

セバス:「うーむ」

シオン:「わたしは金が目当てではないので、放映する前に必ずフィルムを見せてもらいたい」

GM:「あなたが出演する部分は、お見せしますよ。よろしいですか?」

シオン:「いや。放映する分全部だ。でなければ承諾はできない」

GM/ジェイク:「もう、しょうがないわねぇ。いいわよ、いいわよ、超オッケー」

シオン:「そうか、アメリカは契約社会だったな。契約書を書いてもらおう」

シンディ:オー、ナイスアイデア。

GM:「はい。契約書」見ると、放映前に全フイルムを『チェックすること』を約束する、となっています。

一同:はい、ダメ。

セバス:誰が? 誰がって話が抜けてるよーん。ちゃんと明記してねー。

GM/ジェイク:「じゃあ、あなた方全員がチェックをする、でオッケーね」

シンディ:チェック後、口を出せるということですね?

シオン:チェックは必ずマスターテープで行うこと。

シュア:あと僕たちの許可が出るまで放送しないこと。

GM/ジェイク:「それぐらい簡単よ。ただし! 真実をねじ曲げることは、許さないわ。単にねつ造するんだったら、どっかのスタジオで、映画撮ればいいの。でも、アタシ達が求めているのは、この事件の解決と、ドキュメンタリーなんだから。アタシは、あんた達の都合で、事実を隠蔽したりはしないわよ。それはいいかしら?」

シンディ:うーん(不満げな顔)。

リック:なんだったら、もう一回盗んであげるから(笑)。

シュア:出掛ける前に確認しておきたいんだけど、マルセルが「お前の女主人は何処だ」って言って、セバスへ詰め寄ったってことは、要するにマルセルの方でもエリスさんを捜してるんじゃないの?

GM:エリスはにっこりと笑って、「そうでしょうね。あいつは、私を殺せというように命令されている筈ですから。私は、マルセルに対する、餌でもあるの。おわかり?」

シュア:「エリスさんには申し訳ないけど、そこら辺の事情を詳しく聞かせてください。あなたが、マルセルを滅ぼそうとするのは、なにゆえなのですか? そして、かの者が、あなたを滅ぼそうとするのはなにゆえなんですか?」

GM/エリス:「あのマルセルという男に力を与えたのは、私の血縁なのよ」

シュア:「あなたの血縁、要するに家族なり親類縁者が?」

GM/エリス:「そして私は、そのために、フィアナを利用させてもらっているの」

シュア:「それは、フィアナさんの・・・」

GM/エリス:「了承を得ているわ。私は彼女に、マルセルを倒すための、知識と力を与える」

シンディ:セバス、「知識と力」って聞いて、何か気づくことはありませんか?

GM:〈手掛かり分析〉で判定どうぞ。

セバス:(コロコロ)あー、何で今日こんなに目が走るのかしら。うーんとねぇ、25?

GM:気づく気づく、超気づく。あぁ、〈オカルト〉を使うんだなと思う。

シュア:じゃないと滅ぼせないからな。魔物は。

GM:もうひとつ。〈オカルト〉を使うと、使った人間が、堕落していくのが判ります。つまり、今回エリスの手を借りて、マルセルを倒すための〈オカルト〉儀式をやっているのは、フィアナなので、フィアナに堕落の危険性があるということです。
 

そして、フィアナの復讐へ手を貸すことは、
彼女の堕落を助長することに他ならない。
知らない間に堕落の片棒を担がされ始めていたことに気づき、
言葉を失うストームナイト。
 

GM:〈オカルト〉の力というのは、危険なものです。一歩間違えば、堕落への道が待っているかもしれません。

シュア:結局、「誰がやるか」っていうのと、「どんな現象文(注:儀式の設計図)を書くか」ってのが、〈オカルト〉のミソなので。例えば、文面に「墓を暴いて、骨を使う」ってのがあったとしたら、自分で墓を暴くんじゃなくて、人にやらせても構わない。人がやってくれれば自分は堕落しないですむ。

リック:そういうことか。

シオン:肩代わりをさせようとしてるんだ。

シュア:ということもあり得るわけ。で、例えば敵が、操ってる無関係な人を仕向けてきた時に、僕たちがそれを確かめもせずに殺したりすると、やっぱり堕落の片棒を担がされることになる。

シンディ:今思ったんですけど、もしかしたら、エリスの真の目的は、マルセルさんをだしにして、フィアナを、自分の「作品」に仕立て上げることかもしれない。

ディアン:または、マルセルの死は、誰かが描いている、〈オカルト〉儀式完遂の条件。だからマルセルは、アメリカへ渡った。

セバス:あぁー。あり得るね。

シュア:で、マルセルが捜している女主人っていうのが、エリスなのか、エリスが言うように、マルセルを操っている第三の人間がいるのか、それは判らない。

シオン:キーは「マルセルに力を与えた人間」だな。

シュア:現時点において、殺し合いをさせることは、儀式の完遂を招くかもしれないので、こっちとしては、何も調べないうちにやらせるわけにはいかない。
 

シュアの言葉に、ストームナイトは力強く頷く。
何よりもまず、情報を集め、事件の背景をはっきりさせること。
それを怠れば、さらなる悲劇が生まれるかもしれないのだ。
 

ディアン:目撃者がいる。それから、マルセルと会った現場も気になる。分かれた方がいいか。

GM:では、行動を決めてもらいます。まずひとつ。ジェイクに同行して、目撃者の証言を聞く。もうひとつ。2人がマルセルと会った現場を見に行く。

セバス:んー、わし現場かな。

GM:あとは、自由行動です。基本的に、今日明日ぐらいまでは、行動に制限はしません。ただし、定時に連絡を入れることと、宿は、ロス郊外のモーテルを使用すること、だそうです。

リック:エリスとフィアナは?

GM:エリスとフィアナは、ジェイクと一緒に、目撃証言を聞きに行きます。
 

相談の結果、ジェイクがアポを取った目撃者の証言を聞くのは、
リック(フィアナと“ロマンス”継続中)、シオン、
シュア(エリスのお気に入り)、シグマの4人に決定。
シンディ、ディアン、セバスは、マルセルが戻ってくる可能性に賭け、
先刻セバスが彼と遭遇した現場へ足を運ぶことにする。
 

GM:ロバート警部はセバスに、「俺はそっちに行くよ。むしろ向こうに行きたくない!」(笑)

シンディ:切ねぇ。

GM/ロバート:「なぁに。俺は地元だからな」

シュア:とりあえず、大胆にカードを引き出す方向でイベントを起こそうよ。

GM:では、ここでシーンを切ります。
 

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入手NPCカード:ランバート
所持NPCカード:ロバート警部、フィアナ、エリス、グレゴール執事、マルセル、ジェイク、ランバート
 


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