TORGリプレイ

『月光夜曲』

 
 

第二幕

 
シーン4 見守る者
 

GM:では、シーンを切り替えましょう。シンディ、ディ、セバスの3人と、傭兵クイン、そしてロバート警部が、アパートへ着いたところからです。

ディアン:部屋に入る前に、誰にも尾行されてないか、確認する。

GM:大丈夫のようです。ここはスラム街なんですが、周辺の住人が、「また変なのが来やがった」という顔で見てます。

シンディ:「セバスさん。何か燃えさしがあったと言いましたよね」

セバス:「ああ、これかのぅ」とか言いながら、ビニール袋から取り出す。

シンディ:では〈手掛かり分析〉行きますよ。(コロコロ)達成値20。

GM:レシートを見てると、レコードを買ってるんですよ。どうやら、使われなかったみたいですが。

ディアン:レコード?

GM:割と有名なオカルト儀式に、ある特定の、悪魔を崇拝するロックバンドのレコードを逆回転させると、悪魔を呼び出す呪文になるらしいっていうのがあるんです。

シンディ:ただ、万が一にも、それで、ホントのことが起こったりするような物ではない。

GM:(頷く)何て言うのかな、オカルトマニアの遊び。

セバス:ふーむ。

GM:3人。〈発見〉。

セバス:(コロコロ)はーい、まわりましたー。(コロコロ)19。

シンディ:達成値11。

ディアン:俺も11。

GM:11だと判らない。19だと、窓から気配を感じた。因みにここは6階建ての4階。

一同:えっ!?

セバス:じゃあ、いきなり「カッ!」って後ろを向く。

GM:誰かがね、振り返った瞬間に、ふっ、と姿を隠した。

シンディ:いやーん。

セバス:「ディアン! 外じゃ、窓の外じゃ!」と叫ぶ。

ディアン:窓に駆け寄る。

GM:窓に駆け寄って、外を見ると、そこにはただ、夕方の夏の空があるだけで、誰もいない。

ディアン:「セバスチャン、危険があったら呼べ!」と言って、階段から上に行く。

シンディ:(挙手)マスター、奇跡を使いたいです。【コミュニケート・ウィズ・エレメンタル・スピリット】!

GM:どうぞ。どんな奇跡だっけ?

シンディ:精霊との会話です。(コロコロ)19。基本値17足す、ダイスのボーナスが+6なので、23です。

GM:何と話したいですか?

シンディ:窓を開けて風と話をします。「話しとくれ、話しとくれー」

GM:ではそうすると、『何カナ?』という声がします。

シンディ:「さっき、ここを通り抜けていった人がいたわよね? 人か何かは判らないけれども」

GM:『オウ! 今ココヲ、上ニ通ッテ行ッタ者ガイタ』

シンディ:「下から上に? それとも横から上に?」

GM:『上カラ来テ、上ニ』

シュア:マスター、普通の人に、風の声は聞こえないんだよね。

GM:彼女にしか聞こえない。因みにロバート警部は、「やべぇ、こいつもか?!」って顔してる。

セバス:「オリエンタルマジックじゃ!」(笑)

シンディ:「その者は、鳥の翼を持っていた? それとも、鳥の翼以外のものであなたを押さえた?」

GM:風は、翼という概念がよく解らないらしい。『オ前ヨリ大キイ。デモ、アマリ変ワラナイ』

シンディ:「あまり変わらない? 何か、他の物を着けたりしていなかった?」

GM:『一緒ダヨ』・・・因みに、これ以上訊いても風は答えられないっぽいですよ。

シンディ:「どうもありがと」

GM:では、上に行ったディ。〈発見〉を振ってください。

ディアン:(コロコロ)18。重要な気がしてきた。ポシ。(コロコロ)達成値20。

GM:判ったことを言います。まずですね、ここの屋上に、誰かがいました。

ディアン:いた。過去形か。

GM:そして、食べかけのシナモンサンドが落っこちてます。

ディアン:??

シンディ:ははは、可愛いですね。

ディアン:(プレイヤー爆笑)そうか!

セバス:ああ、うちか!

GM:屋上に積もっていたゴミが、渦を巻いてバッと巻き上がり、誰かがここで、風を激しく動かしたのが判ります。

ディアン:空を見上げる。

GM:もう誰もいないよ。さぁ、何だったんでしょうね。

シンディ:悲しいな、執事。すれ違ってねぇ?

ディアン:下へ戻って、シナモンサンドを見せて、「風が、起こって消えた」

セバス:「んー?」〈手掛かり分析〉していいッスか?

GM:いいですよ。

セバス:(コロコロ)んー、17。

GM:あなたは思う。そう言えば、うちの坊っちゃまも、シナモンサンド好きだったなー。

シュア:なんか、切なくなるんですけど。

シオン:今のシチュエーションだと、むしろセバスが見守られているのでは(笑)。

シンディ:逃げたのは、私たちがいるからじゃなくて、あなたから逃げたのね(笑)。

セバス:とりあえず、シナモンサンドを見ながら「坊っちゃま・・・」と呟いて、窓を見てる。我を忘れてるよ。

シンディ:「エマニエルさんが?」

セバス:「うーむ・・・いらっしゃった、ようだがのぅ」

ディアン:「どうすれば、逢える?」

セバス:「それは難しい話じゃのぅ」(笑)
 

気を取り直した3人は、周囲の住人に聞き込みをする。
その結果、次のような情報を得る。
 

GM:この部屋が発見されたのは、昨日の朝なんですが、その前の晩、普通の風体の男2人がこの部屋に来て、何かガシャガシャやってたらしいです。で、警察が見に来るより前に、ぼろを纏った1人の男が来ています。それは話を聞くと、マルセルだろうと思われます。さらに、ロバート警部とセバス達が調査をした1時間ぐらい後に、のほほんとした、鷹揚な男が来て、きょろきょろして帰っていったそうです。

シンディ:それってエマニエルさん?

セバス:あ、写真見せればいいんじゃん。

GM:「ああ、こいつ」

シンディ:早!

セバス:「・・・ありがとうございます」

GM:そうそう、2人組の話を聞いた時、皆さん、《知覚》で判定してください。

セバス:(コロコロ)はーい、20でーす。

シグマ:うお!

セバス:どうしたんでしょ今日。《知覚》達成値22。

シンディディアン:セバスEYE(アーイ)!

GM:あなたには判ります。その特徴って、ジェイクのAD2人にピッタリ当てはまるんですが。

ディアン:「ジェイク? プロデューサーの、仲間、が?」

セバス:「ふーむ。茶番だな。やはり茶番だ!(笑)アメリカとはこういう国だったのか」

ディアン:・・・・・。

シンディ:ディアンに言います。「アメリカは資本主義だけあって色々あるけれども、今これで、正面からジェイクを問い質したら、全部ぶっ壊れちゃうから・・・だからお願い、さっきみたいに早まらないで。ゆっくりゆっくり、アメリカのやり方でやっていこうね」

セバス:何にせよ、確かにマルセルはここに来たと。その後エマニエル坊っちゃまも来たと。何かあるんだろうな、2人とも来るってことは。

GM:では、特になければ、このシーンを切ります。
 

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