TORGリプレイ

『月光夜曲』

 
 

第二幕

 
シーン6 無垢なる瞳
 

GM:乱闘があったという現場に着きました。確かに銃痕はありますが、もっと目立つこと。周辺のゴミ箱に、人間が叩きつけられた痕があって、へこんでます。

シュア:デジカメで写真を撮っとく。

GM:2人とも、《知覚》か〈発見〉。目標値は10。

シュアシグマ:成功。

GM:路地裏から、あなた方のことを、誰かが見ている。別に空は飛んでない。

シュア:確認してみるけどどんなの?

GM:子ども。10歳ぐらいの少年。

シグマ:こんな夜の時間に子どもが1人で、しかもスラム街。(考え込む)

GM:夜と言っても、8時9時ぐらい。

シュア:地元の子みたいに見える?

GM:地元の子な感じですよ。

シグマ:こうしよう。後ろのドアをガチャッと開けて、しばらく放っておきます。

GM:寄ってきます。

シュア:気づかないフリをして、外を見て雑談でもしてます。こーんな感じで(開いた窓に身体を持たせかける)。

GM:そうすると、少年が車の中を覗き込んで、「ギャングじゃないなぁー、でもあの人でもないなー。なんだ、違うのか」

シグマ:「こんばんは」と言ってみよう。

GM:びくっと反応。

シグマ:「子どもがこんな時間に出歩いてたら危ないぞ」

GM/少年:「家、そこだもん」

シグマ:軽く〈魅了〉。(コロコロ)20。

セバス:うぉー。何でそんなまわるの?

シュア:やるなぁー。

シグマ:とりあえず、達成値24。

GM:懐いた(笑)。「うわ、あんちゃんカッコイイなー!」

シグマ:「クラッカーだ、食べるか?」

GM/少年:「うん、もらうもらう!」

シグマ:「なぁ、見てるとなんかこの辺りですごいことがあったみたいなんだけど」

GM/少年:「あ、すごかったね! 実はさー」

シュア:運転席と助手席の真ん中に座らせておく(笑)。

GM:この少年、近所の孤児院の子どもなんですが、少年いわく、数日前の夜、彼の妹分が、銃撃戦のど真ん中に迷い込んだんですよ。

シュア:「・・・大丈夫だったのか?」

GM/少年:「そん時、脇の方から、ぼろを着たあんちゃんがバッと出てきて、撃たれて」

シュア:「うん、撃たれて?」

GM/少年:「オレ、うわ、馬鹿だ、死んだ、と思ったんだけど」

シュア:「それで?」

GM/少年:「いや、それでさ、そのあんちゃん、変身したんだよ!」

シュア:「変身! 何に?!」

GM:「でっかい狼男。白っぽい毛皮で、ビックリしてるギャング達が、バシバシやられて、まともに動けなくなって。オレ、正直言うと怖くて、隠れて見てたんだけど、そのまま壁に登って、どっか行っちゃった」

シグマ:「そのあんちゃんって、こいつ(マルセルの写真を示す)?」

シュア:だよなぁ。写真見せてみる。

GM:「あいつなら判るかもしれない。ちょっと呼んでくるよ」と言って、少年は女の子を連れてくる。「あ、似てる似てる。うん、この人だと思うよ。おひげ生えてたけど」
 

少女は、転がっていったカラーボールを拾おうとして、
銃撃戦の真っ直中へ飛び出してしまったらしい。
思わず立ちすくむ。その時、ぼろを着た男が覆い被さり、
少女へ言ったのである。「お嬢ちゃん、目をつぶってなさい」と。
 

GM:「それでね、言う通り目をつぶっていたら、すごい音がして・・・」目を開けたら、男はいなかったんだけど、チンピラ数人が、まとめてゴミ箱に突き刺さってたそうです。

シュア:社会のゴミはゴミ箱に(笑)。

シグマ:メカっぽい外観はしてたの? その狼。

GM/少年:「オレ、遠くだったからよく判らないけど、えーっとね、爪がきらきら光ってた」

ディアン:・・・スライサー(注:サイバー教皇領の内蔵武器)だ。

GM/少年:「あとね、ところどころ、パイプが生えてた」

シオン:生えてた?

GM:サイバーウェアです。で、初めは手加減してたみたいなんだけど、途中からうなり出して。

シュア:「途中から、どんどんおかしくなったんだね」

GM/少年:「グルグル喉を鳴らして、その時にね、何か、痛そうにしてた」

シュア:「痛そうに? 怪我でもしてたの?」

GM/少年:「じゃないかなぁ。撃たれてたし」

シュア:「それは多分、かばった時の背中とか、その辺?」

GM/少年:「わかんない。すぐポーンって飛んで行っちゃったから」

シュア:女の子を撫でながら、「お嬢ちゃんはそこにいたんだろ? 何か言っているような気はした?」

GM/女の子:「ううん、わかんない。最初、耳のそばでうなり声が聞こえて、ちょっとこわかったけど、痛いのをガマンしてるみたいで、お肉焼くようなにおいがした」

シュア:あっ・・・!(何かに気づいた顔)

GM/少年:「そうそう。この辺はジェッツってギャングのテリトリーだけど、あいつらやられてたから、何か知ってるかもよ?」

シュア:「了解。ありがとね!」

GM:「うん、じゃあねー」
 

少年達を見送り、モーテルへ帰ろうかと踵を返すシグマとシュア。
シオンが到着したのは、まさにそのタイミングであった。
 

シュア:「ごめんね? せっかく来てくれたのに」

シオン:「・・・遅かったようだな」(笑)ちょっと寂しそうに言う。「何か収穫はあったか?」

シュア:「すごいあった」

シンディ:でも、やっぱり分かれて帰らないと不審がられるんだよね、これ。可哀相ー。

シオン:いや、このまま本当に飲みに行くから。

一同:えっ?!

GM:では、2人は帰る、シオンは飲みに行くんですね。現場の近く、あなたが入った酒場では、質の悪そうなチンピラがたむろしています。数名がギブスで腕を吊っています。「畜生あの化け物め!」(笑)

シオン:近くでそんなこと聞かされたら、吹くよね。多分ね。

GM/チンピラ:「あぁ? あんだ兄ちゃん、文句あんのか?」

シオン:「お前たちに怪我をさせた奴について、話を聞きたい」

GM:「「んだとぉ?!」」〈威圧〉か何かで振ってください。〈威圧〉、〈威嚇〉、或いは〈銃器戦闘〉とか。

シオン:〈威圧〉で行きましょうか。(コロコロ)18。

シグマ:お!

シオン:ボーナス+5、16だな。

GM/チンピラ:「いやぁ、何でも聞いてください、兄貴!」(笑)

シンディ:弱!

シオン:くるっと振り返って、「マスター、ビールを」ついであげる。

GM:「恐縮ですっ!」話の概要はですね、銃撃戦の中で、やべぇ、外人だ、殺っちまったよと思ったら、メキメキッという音がして、次の瞬間吹っ飛ばされた。因みに彼らは、狼変身を見る前にやられてます。

シュア:あぁ、なるほど。

GM/チンピラ:「あの毛深いフランス人がよ!」「あいつは最近、マリアのバーのところで、用心棒やってる奴だよ」

シオン:「用心棒?」

GM/チンピラ:「ああ。流れ者でさ、一週間ぐらい前にふらっとやって来たんだ、ここに」

シオン:「マリアのバーとやらに行けば、そいつに逢えるか?」

GM/チンピラ:「ああ。いるんじゃねぇかな」「俺たちも、大人の付き合いになるかなって思ったんスよ。でもアイツ強いしな」

シンディ:「兄さん助太刀してくださいよ」って感じ?(笑)

GM/チンピラ:「あ! 兄貴が話(ナシ)つけに行ってくれるってよ!」

シオン:ま、まぁいい。とりあえず、バーを出る時に「お前たちはもう少し慎ましく命を大事にしろ」と(笑)。

シュア:わー、さすが聖職者だー。
 

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