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第二幕

 
シーン３　Vice and Virtue

 
　ジョシュアからのメールが宗元の携帯電話に届く。
　『目的地は、メンフィス近郊。第八王朝の遺跡である可能性が高い。
　なお、自分が車をチャーターするよりも、恐らくそちらが車を調達する方が早い』
 

裕人：車、奪います？　それとも話し合って奪います？

ジョシュア：どっちにしろ、奪うことには変わりがない（笑）。

イリス：あ、あまり乱暴なことは、しない方が。

宗元：この辺のギャングって、Dr.メビウスの手下？

ジョシュア：多分、いわゆる悪漢（ヴィラン）ですよ。

宗元：Dr.メビウスに一泡吹かせたいっていう人、いねぇかなあ、と思って。

ＧＭ：ソースブックの説明を読みますね。『リアリティ・ウォッシュ（リアリティの急激な変化）によって、カイロは、汚濁と退廃の町へ変わりました。北アフリカ中のギャングや犯罪者を引きつける何かがあるようです。現在カイロは、密造酒、売春、違法賭博などを資金源とする、様々なタイプのギャングやシンジケートの縄張りになっています。メビウスでさえ、カイロのひどさに呆れ、投げ出してしまいました』

イリス：お、おう。

ＧＭ：『町の浄化を図る守備隊と、犯罪組織との戦いで、犯罪組織が勝利しました。彼らを放っておいても、帝国の利益には全く関係がないことが、メビウスには解ったのです』

宗元：敵対はしてないんだ。

裕人：じゃあ、多分、情報が漏れるってことはないッスね。ガッツリやっちゃっていいと思います！

ＧＭ：嬉しそうだね。

裕人：はい！（笑）

宗元：とは言ってみたものの、手掛かりあんまあらへんのぅ。

裕人：そういえば、矢士田さんって、アロハシャツ着てるんでしたっけ。

宗元：着てます。

裕人：逆に、向こうから因縁つけてくるんじゃないですか？

ＧＭ：確かに。では、裕人くんのフードが後ろからギューっと引っ張られます。

裕人：「う、うわあぁ！」

ＧＭ：「なんやワレ？」「どこに目ぇつけとんじゃ、このモヤシが！」

宗元：「おう、兄ちゃん。こいつ、ワシのツレやからよ、ちょっと勘弁してやってもらえんかな」

ＧＭ：「あ？　何だてめぇ、派手なシャツ着おってからに！」

ジョシュア：『てめぇ、アロハか。おい、レイはどうした？　首に下げてねぇじゃねぇか。それじゃ完璧なハワイアンとは言えねぇぞ！』（笑）

宗元：「このシャツはな、ダチの形見や！」

ＧＭ：やっぱり？

裕人：その前にこっち助けてー！（笑）引っ張られてるよー！

宗元：じゃあ、手を離させる。

ＧＭ：「きったねぇ手で触んじゃねぇワレ！」

宗元：「おめぇらそんな、綺麗な人間か？　一度、そこの河に飛び込んで綺麗にした方がいいんちゃうか」

ＧＭ：「んだと、てめぇ！」ラウンド進行、始めちゃっていいかな？

イリス：出入りだ出入りだー。

 
１ラウンド目

ＧＭ：悪役先攻、ヒーロー後攻、疾風。悪くないですよ。推奨行動〈間合い〉／〈威嚇〉。

宗元：ただ、悪役先攻はちょっと。

裕人：これさえしのげば！

ＧＭ：ギャングの下っ端は、ビール瓶をパーン！　と割って、ビール瓶で殴ってきます。〈白兵戦〉。

ジョシュア：ビール瓶で人を殴るマンですよ。

ＧＭ：（コロコロ）３。ダメです、殴ったことがないマンでした（笑）。ヒーロー側どうぞ。

裕人：〈間合い〉やります。（コロコロ）３。昼だから全然振るわねぇ。６です。

ＧＭ：さすがにそれは効きません。

裕人：ローブ踏んづけて転んでます。ずさー！

ＧＭ：「おら、どうした？　ツレがもがいとるぞ？」

宗元：〈威嚇〉。近距離から銃を撃つ。

イリス：まじか！

裕人：撃っちゃうんですか。周りの人に聞かれたら、やばいんじゃないかな。

ＧＭ：ただ、ここは犯罪都市なので、あまり気にされないかもしれません。

裕人：あー、なるほど。じゃあ、やっちゃってください！

宗元：おらよ！（コロコロ）１６。〈威嚇〉１６。

ＧＭ：成功です。カードどうぞ。

宗元：“ロマンス”だ。

裕人：よかったー！（笑）あぶねー！

ＧＭ：（ちぇっ。引かせられるチャンスだったのに）

裕人：２周目。もう一回〈間合い〉やります。（コロコロ）１５。キタコレ！　１６です。

ＧＭ：効いてる。転んだと思った相手に、いきなり背後に回られて、疲労してます。

裕人：（カードを受け取り）やったー。“イニシアチブ掌握”だー。

宗元：やばい時にイニシアチブを引き直してもらうことができる。

イリス：重要ですね。

宗元：もう一発、普通に攻撃。（コロコロ）１２。ボーナス０だから〈銃器戦闘〉１４。

ＧＭ：当たります。ダメージは、今のダイスのボーナスを、武器の基本値と足してください。

宗元：固定値そのままで、１８。

ＧＭ：プレイヤー視点のシューティングゲームで撃たれたみたいに、すっ飛んで倒れました。ただ、まだ生きてるよ。起き上がるのに１ラウンド掛かるから、次のラウンドは起き上がることしかできません。

 
２ラウンド目

ＧＭ：突然・・・。ヒーロー逆転負け、悪役逆転負け。

裕人：おや？

ＧＭ：双方逆転負け？　何が起きるんだ？　ちょっとみんなで考えましょうか（笑）。

宗元：っていうか、双方逆転負けって何？

ジョシュア：ショックトルーパーがやって来る。

イリス：珍しくおまわりさん？

ＧＭ：あー、そうかそうか。ギャングの小競り合いなんて日常茶飯事なのに、ショックトルーパーが仕事しに来ちゃった、ってことね。

ジョシュア：ええ。銃声を聞きつけて。

宗元：こんな時に！

ＧＭ：それでいきましょう。推奨行動は〈攻撃〉／〈防御〉。ショックトルーパーはざっと１０人います。悪役側の手番で、２人に向けて一斉射撃。１０対２で撃つ、という予告をしておきます。貴様ら全員逮捕だー！

宗元：やべっ。ＧＭ、戦闘終了条件は？

ＧＭ：この場を何とかする。プレイヤーズコールとか、１体を攻撃して倒して、“緊急行動”で高飛び、とかもアリです。

裕人：倒しちゃったら、なんか、アイテムドロップしない気がしてきた。

ＧＭ：ドロップって何だ、ドロップって！

ジョシュア：ショックトルーパーが来たってことは、ショックトルーパーの車がありますよね。

宗元：ショックトルーパーの車を奪って逃げよう！

イリス：なるほど。

ＧＭ：ということで、どうしますか？

裕人：うちが〈間合い〉で、注意を引きましょう。

宗元：そういえば〈疾走〉なんて技能があったんだ。基本値１３。

ＧＭ：〈疾走〉で判定すると、人知を超えた速さで走れます。難易度８をいくつ上回ったかによって、１０秒間に走れる距離が決まります。

宗元：〈疾走〉で車に飛び移るってできます？

ＧＭ：ＯＫですが、今は囲まれてるので、先に裕人が〈間合い〉をして、〈間合い〉で注目が向いたら〈疾走〉可能、とします。

裕人：じゃあ、〈間合い〉やりまーす。ローブをバサーッ！（コロコロ）７。ちょっと低いな。

ＧＭ：ただし、昼間は萎縮なので振り足せないはずです。

裕人：マイナス２で〈間合い〉１２です。

ＧＭ：成功。では〈疾走〉してください。

宗元：（コロコロ）１８。＋５で〈疾走〉１８ですね。

ＧＭ：１８だと、ショックダメージを５点受けますが、１０秒間に２５０ｍ走れます。通常は１００ｍ。２．５倍です。

ジョシュア：すげー。

ＧＭ：裕人から見ても、すごい速さだと思った。素直に。

宗元：多分、ショックトルーパーからも何発か撃たれたんでしょう。ズダダダダダ！「痛みは慣れてるけぇのう！」

裕人：あー。後で、ちゃんと治療しましょうねー。

ＧＭ：力ずくで今、色々と無視をしたね。

宗元：“緊急行動”で、裕人を乗っけて走るとかできます？

ＧＭ：ＯＫ。〈地上車操縦〉を振ってください。

宗元：技能ないけど平目でいいかな。（コロコロ）１０。

裕人：振り足しだー。

宗元：（コロコロ）２６。＋９。《知覚》ですよね。１７。

ＧＭ：バッチリです。

宗元：キュルルルル！「よし、予定外やが、やったで！」

裕人：携帯電話で、ジョースターさんに連絡。「車、奪いましたー」

ジョシュア：『ああ、ありがとう。こっちは・・・』

ＧＭ：バンバンバン！　ズダダダダダ、うわー！（笑）

裕人：キキィー！　グオーン！　ドゥロロロロ！

宗元：「ちゃんと掴まってろ、舌噛むで！」

裕人：「うぇーい！」

ジョシュア：『・・・ま、カイロじゃよくあることだ』（笑）

裕人：「え？　今何て言いました？」（笑）

ＧＭ：ということで、移動手段も手に入れました。ここでシーンを切りますね。
 

 
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