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TORGリプレイ

『Pandora』

 

第二幕

 
シーン2 Villes jumelées

 
GM:ここで、今回の特別ルールの説明をします。(1枚の紙を取り出す)

マルセル:何だこの数字。カレンダー?

GM:これは、ダブルクロスの侵蝕率(*22)みたいなものだと思ってください。シーンが始まる時に、誰かにダイスを振ってもらって、数字を足していきます。60以上になったら、ユーリエルが再登場します。再登場する時は、今の強さじゃありません。

勇人:因みに、10や20で振り足しとかあるんですか?

GM:あります。

勇人:ですよねー。

マルセル:次のシーンからだよね。最初に俺やるわ。(コロコロ)さっきからずっと19ばかり出てる。

GM:では再開します。マルセル、〈サイバーデッキ操作〉、もしくは〈手掛かり分析〉で判定をお願いします。

マルセル:〈サイバーデッキ操作〉。(コロコロ)19。

GM:すごーい。4回ぐらい続けて振ってますよね。

マルセル:うおおー、俺は19を出すマンだー!(笑)せっかくなので、カードを消費。“ネットゲイン”で22。

GM:ユーリエルは、あなた方が前回ゴッドネットにジャックインした時の、魂のIDみたいなものを追って現れたのだろう、と推測しました。

マルセル:ってことは、別にホテルでジャックインしたから、ではなくて。

神崎:我々は既に糸をつけられてる。

マルセル:ゴッドネットでオンラインになった時点で、魂のMACアドレスみたいなのを拾われて、襲撃を食らう可能性があった、ってことなんだね。

GM:はい。ですので、ネットワークを使って情報収集をする場合、即座にダイスを1個振ってもらいます。逆に言うと、足取りを誤魔化したければ、IDを偽造すればいい。

マルセル:「神崎。すぐにIDを手に入れろ」

神崎:「どういうことだ?」

マルセル:「奴は恐らく、前回のゴッドネットの件で、既に我々に紐付けが終わっている。お前はネットワークのことを俺より知らない。だから防ぐ手段が何もない。俺は俺で、何とかできる」

勇人:「そこは、芹奈さんは優秀です。抜かりはありません。お2人のIDです」

神崎:「本当に優秀な方ですね」

マルセル:俺の偽造IDがあるんだったら、突き返します。「俺は自分の魂を偽るつもりはない」

勇人:「ですが、ここでは偽りを持たなければ、生きていくことはかないませんよ。どうぞ」

マルセル:「だから生きづらいのさ」とだけ言って、使う気はない、という意思表示をする。

神崎:「俺もどちらかといえばおんなじかな。偽ってフランスに来て、助けに行ったんじゃ、意味がないんだ」と言って、受け取ったものの、あんまり興味なさそうにするかな。

勇人:そしたら、敢えて、こう言いましょう。「ほう、なるほど。お噂は聞いていましたが、少し認識を改めなければならぬようですね。結果よりも過程の方が大事だと。結果を問わずに過程のみを求めるのであれば、自由にやられればよろしかろうと思いますが、少なくとも、他人を巻き込むのはおやめになった方がよいですよ。自分の生命を懸けて好きにやるのは勝手ですが、他人の生命やリソースを懸けて、自分の矜持を通される、というのは、あまりお勧めできません」

マルセル:ニヤッと笑って言おう。「俺は、ひとつだけ趣味があってね。釣りさ」

GM:釣るんだ。

マルセル:無根拠では言ってないよ、って話。

神崎:「矜持って言えば、矜持なのかもしれないが、俺は俺で、個人的に連れ戻したい人間が、中にいるってだけさ。その人間に会った時に、俺が俺であることが解った方がいいだろう?」

マキシム:ふーん。

GM:“個人的利害”ですね。

勇人:「(ため息)解りました。では、プランを練り直すだけのことです」

マルセル:聞いていたよりトンパチな2人だったよ、って話(笑)。

マキシム:苦労してるな、嵐王寺。

マルセル:で、だ。何から調べる? ランスは正直もう、完全に敵地なので、戦力があと2桁ぐらいあれば、どっか教会でも一個焼き討ちにして、吐かせればいいんだけど、4人しかいない以上、取れる手段には限りがある。

神崎:カタコンベの話を、改めてみんなにします。信じるかどうかは別にして、こういうイメージを、自分は感じた、と。

GM:ガラス張りのカタコンベ。部屋が、ガラスで囲まれている。

勇人:〈瞑想〉による霊感ですか。僕も〈瞑想〉を持っているので、オカルティックな部分も、信じざるを得ないところです。ただ問題は、霊感なので、文字通りのもの(カタコンベ)があるのか、それとも、抽象的なイメージでしかないのかが、はっきりしない。そこは調べてみないといけない。

GM:うん。

勇人:とりあえず移動しながら、カタコンベと思われる場所がどこかを特定しましょう。

マキシム:カタコンベがどこにあるか。

勇人:特定できれば、逆算して、何をすればいいのかが見えてきます。もしこのランスにあるならば、そこへ行くし、なければ別のところに移動するというだけの話。次に、宝条さんという女性の保護も、僕らはプラスアルファで依頼されています。ミッションとしては重くなっちゃいますけど、もし見つかれば、お2人にもご協力願いたい。

マルセル:その話をするんだったら、当然こう訊きます。「外見は?」

勇人:画像を見せます。

マルセル:あっ(笑)。

神崎:「もしかしたら、まだブリュッセルにいるかもしれないぞ。実は、彼女から一緒にランスまで行かないかと誘われたんだが、ストームを超えなきゃいけなかったんで、断ったんだ」

勇人:「いや、それが普通の反応ですよ」

マルセル:『一緒にどう?』って言い方をしたってことは、行く当てはもうあるってことなので、まず間違いなくランスにいる。

勇人:自分の身の安全が保証できないので、それが欲しい、という言い方でしたね。もし本当にクローンが造れるとするならば、欲しがらないところはありません。ただ問題は、フランスでそんなことやったら殺されるけど大丈夫? って話なんだけど。

GM:マルセル。〈信教(サイバー教会)〉。

マルセル:(コロコロ)13。+1なので、15。

GM:あなたは元異端審問官ですので、サイバー教会が異端者をどのように扱うか、当然ご存知です。多くは強制労働させられる。

マルセル:一番軽いやつや。

GM:ただし、悔い改めて信仰に目覚めた場合、その人間は、「神の救護院」と呼ばれる教会病院へ送られます。

マルセル:ふむ。

GM:神の救護院では、サイバーウェアを肉体に置き換える手術を、無償で行っております。

マルセル:お、おう。大変マイルドな表現で(笑)。

GM:あと、先程ホテルの中にテレビがありましたけれど、きっと、「聖ビジョン」と呼ばれる洗脳映像が、がんがん流れてるんだろうなー、と思いました。

勇人:サブリミナル効果のある、天国の映像を、毎日垂れ流しています。ひとりひとりに行き渡るように、無料配布だよー、どうぞー、って言って携帯テレビ渡して。

神崎:へえー。

 
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