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TORGリプレイ

『Pandora』

 

第二幕

 
シーン4 Angélologie(承前)

 
「もうひとつのランス」に到着した時点で、勇人は情報収集を再開する。
 調べるべき事項は、宝条ナオミの行方。そして、襲撃者ユーリエルの正体。
 

勇人:電子辞書を使います。ユーリエルって、何か意味あったっけ?

マルセル:そういえば。

GM:〈手掛かり分析〉どうぞ。

勇人:(コロコロ)15。

GM:熾天使ウリエルです。

勇人:ウリエルか。炎で焼くやつだ。

マルセル:ああ、セラフィムじゃん。

GM:ただし、ウリエルは、破門されてるんです。マルセル、〈信教(サイバー教会)〉。

マルセル:(コロコロ)15。

GM:破門というのは、サイバー教皇がやらかしたことです。彼は、あまりにも民間で天使信仰が盛んだったことにヤキモチを妬いて、ウリエルその他、庶民に人気のある天使を破門しやがりました。

マルセル:ああ、堕としたわけだ。

GM:なので彼は今、大天使の座にはありません。

マルセル:堕としたのは、サイバー教皇ですよね。

GM:はい。ジャン・マルロー1世です。

マルセル:ジャン・マルローって、元は人間でしょ? 要するに、神格とはまた別の存在の、ただの知的生命体でしょ?

GM:はい。彼は、TORGになる、イコール、神に等しい存在になることを、目指しております。

マルセル:では、電子辞書を覗きながら、「ジャン・マルローが貶めた、天使たちの一柱だ」

勇人:「知っているんですか、マルセル卿!」

マルセル:「奴も所詮、人の子だったということだ。もう一度言おう。神は、人が作る」

勇人:なるほど。ユーリエルはそういう存在で、自分の正当性を主張しに来るであろう、と。地獄の蓋を開けたことで、お2人を特に、恨んでらっしゃるのかな。

GM:あなたも含めてですよ。牧野さんと思われてますから。

勇人:僕は知らない。牧野さんは、こっち(マキシム)だからね(笑)。

神崎:因みに、宝条ナオミについてだけど、ランスに用がある、と本人は言ってたし、多分このランスで、会えるんじゃないか。

マキシム:うちらは、保護しろって芹奈に言われたんだっけ。

勇人:そうです。保護しろと言われました。旅してるルートはそんなに変わらないはずだから、聞き込みしてみましょうか。「目撃した人いませんか?」

マルセル:この人知りませんか?

マキシム:テレビで流れてるくらいだから、ある程度有名人だよね。

マルセル:確か、ニュースの内容だと、世界的な科学技術誌には、掲載がされている。

GM:聞き込みは、〈裏街〉技能があると、なおよいですね。

勇人:ないんですよ。あの技能すげぇ欲しいんだけど。〈説得〉で、いつもの通り、お金の力を使わせてもらいましょう。1さえ振らなければいいのさ。(コロコロ)よし。〈説得〉24。

GM:彼女が、神の救護院へ連れて行かれるのを見た、という人と、忍者を見かけた

勇人:・・・きたよ。きたよ忍者。

GM:さて質問です。忍者は、どういう弱点をお持ちですか?

勇人:忍者は、〈リアリティ〉技能にポシビリティを使えないという、本当に致命的な弱点をお持ちです。

GM:つまり、サイバー教皇領に入ることが、極めて困難な人種のひとつが、忍者です。なのに何故、ここにいるのか。答えは2つです。

神崎:優秀?

GM:ひとつは優秀。ひとつは、忍者というのは名ばかりで、〈武道〉を持ってない人。

勇人:忍者の格好(コスプレ)をした人! あと、第3の答えは、人海戦術で、誰か通るだろ、運がいい奴が(笑)。

マルセル:それ、中忍試験とかそういう話?(笑)

勇人:因みに、忍者を見たっていう証言を得た? それとも僕が見たの?

GM:あなたが見た。

勇人:僕が見たの? 今いたってことなのね?

マルセル:じゃあ訊こう。「ランオウジ、どうした?」

勇人:姿を消す前に言わないと!「忍者が今、そこに」

マルセル:ふっと見て、「・・・いないぞ?」

勇人:あっ(笑)。「いたんだって!」

神崎:そしたら言います。「忍者を見たんだな? やっぱりな、絡んでると思った。前回の件を覚えてるか。あの時も金輪の忍者が襲ってきた」

勇人:確かにそうですね。向こうは僕たちを見張っている感じでしたか?

GM:いいえ。何かを捜しているようです。

勇人:じゃあ、話をしてみたいな。場合によっては共闘も考える。

マルセル:ニッポンテックの忍者と共闘って、マキシミリアン、ぴくっとくるんじゃない?

マキシム:でも、嵐王寺は言わないと思う。

勇人:はい。「敵を見つけたいんで、皆さん、一緒に探してもらってもよろしいでしょうか」とだけ言う。〈発見〉でいいですか。

GM:こっちは〈隠れ身〉振ってみるー。(コロコロ)1だよ、この人! 隠れたと思ったら完全に見えてる。

勇人:いえーい! リンク切れてんの。

GM:あ、そっか。やばくね?

神崎:急にリンク切れを起こして目の前に現れたんだったら、「よかった。棚からぼた餅とはこういうことだ」と言います。

GM:「え? え?」

勇人:「あ、マキシムさん。すいません、まだ見つからないんで、あっちに逃げたのかもしれません。ちょっと探してきてもらっていいですか?」(笑)

マキシム:「そうか!」(走り去る)

勇人:よし!(笑)まぁ、何も言わずに暗がりへ来ていただいて。

マルセル:一応、申し訳程度に、ゴッドミーターを抜いて、ヘッドショットの体勢に入る。

勇人:「きみは何者にもなれるし、きみの前には無限の可能性が開かれていますが、その可能性にすがるためには、色々、手続きが必要でしてね」

GM:神に会う可能性しかない気がするんだけど。

勇人:そんなことはないですよ。神にはいつか会えますから。

 
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