Eternal Smile > Pandora
 

Epilogue

 
　全てが片付き、幸せな結末を迎えようとしていた、その夜。
　騒ぎ飽きて寝る者が出始めた頃合に、
　マルセルはマキシムをエッフェル塔前の広場に呼び出す。
 

マルセル：「すまないな、マキシミリアン」

マキシム：「何だ、マルセル？」

マルセル：因みに俺は、祝いの席で、酒を一滴も飲んでないんですよ。「ひとつ、確かめたいことがあってな」

マキシム：「何だ？」

マルセル：懐からゴッドミーターを抜きます。

ＧＭ：おぉ。

マルセル：「別に、どちらでも構わないんだ。外から、あんたという男がどのくらい強いかというのを充分に見てきた。充分に、素晴らしい男であることは理解している。だが、この身に刻まなくては納得ができないんだよ」

ＧＭ：・・・ええっ？！

マキシム：（息を飲む）ええーーーっ？

神崎：へぇーっ。

ＧＭ：うわー、そうきましたか！

勇人：ほう。

マキシム：じゃあ俺は、「そうか。フランスっていうのは、面白い奴が多いんだな」と言って、剣の柄に手を掛ける。

マルセル：まず、ゴッドミーターの弾倉が空になっていることを示します。そして、ひとつだけ銃弾を出して、弾倉に、入れて、詰めます。「この銃弾が、もし、あんたに当たるようなことがあるならば、俺は少しだけ考え方を変えるつもりでいる。はっきり言おう。今度は、俺が攫う番になるだろう」

ＧＭ：（無言で口元を覆う）

マルセル：「簡単なことだ。この弾に当たるより先に、俺を打ちのめしてみろ。受ける、受けないの返事を聞くつもりはない。いくらマキシム殿でも解るだろう？　銃は、引き金を引けば、弾が出るんだよ」と、言います！　さ、やろっか（笑）。

ＧＭ：うわー！

神崎：はー、なるほどー。そうきたかー。

勇人：うーん。マスター。サイバー教皇領ソースブックの６４ページを。パリの説明が書いてあるページです。

ＧＭ：６４ページ？（ソースブックを開き）エッフェル塔。コアアースのリアリティとサイバー教皇領のリアリティが互いに押し合うパリの、ハードポイント。半径１００メートルがコアアース純正エリア。純正・・・！

勇人：はい。純正なので。

マキシム：純正エリアだと何かあるの？

ＧＭ：純正エリアだと、地球（コアアース）の常識を超えたものは一切動きません。なので、マルセルの銃弾は出ませんし、マキシムの魔剣は抜けません。

勇人：その通りです。つまり、弾は当たらないんです。

マルセル：（笑顔で）解りました。じゃあ、そのまま堂々と構えて、引き金を引きますよ。
 

　ガツン！　という大きな音。
　マルセルのゴッドミーターから、銃弾は発射されなかった。
　マキシムは斬神刀を、鞘から引き抜くことができなかった。

「ふぅ・・・」
　マルセルは大きく息をつき、空を見上げる。泣きたいほど綺麗な星空が広がっている。
 

マルセル：「神が、答えを俺に渡したようだ」と、ゴッドミーターを懐に入れます。

ＧＭ：・・・・・。

マルセル：「あの弾に空砲を仕込んだとか、くだらない真似はしていない。弾は出なかった。つまりそういうことだ」

マキシム：「お前の気持ちはよく解った。いつでもかかってこい」

マルセル：さらに首を横に振ります。「神が、俺に答えをくれたのだ」と言って、身につけていたシンボルを、ふたつ外して、投げ渡します。

マキシム：「えっ？」

マルセル：「あんたと、芹奈の分だ。お前たちが、永遠（とわ）に繋がり、神の御許において、永劫なる幸せを得ることを祈ろう」

ＧＭ ：・・・ゴメン、マスターがノックダウン寸前です。

マルセル：最後に、「Au revoir（オ・ルボワール）」と言って、そのまま去っていきます。

勇人：因みに、脚も動きません。純正エリアである以上。ただの重荷でしかありません。

マルセル：一度、よろめいて伏せ、立ち上がるまでにほんのわずかな間があった後、立ち上がって片脚を引きずりながら、去っていきます。以上です！（笑）

ＧＭ：あのさぁ、マスターの魂に多大なるダメージを与えるのやめない？（笑）すげー！　すげーモンを見た！
 

【ＣＡＳＴ】マルセル・バルボー
---元異端審問官
 

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