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TORGリプレイ

『RELIVE』

 

第三幕

 
 『―――ターゲット、雪ヲ確認セリ』

  リビングランドに潜入させたエージェントからの通信を受け、
  作戦立案者は傍らの受話器を取り上げる。
 「ポイントXXXに、予定通り、人員を配置して構わないか」

 やや遅れて、エージェントからの返答。
 『―――若干ノ障害ハアレド、当初ノ予定通リ進メラレタシ』
 


 
  オフィスに戻ってきた金輪龍一は、ノートパソコンで誰かとチャットを始めた。

 「予定通りだ、というのを聞いたが」

『愚問だな。ストームナイトが関わってきた時点で、
 予定通り運ぶということなどあるわけがない』

 「だろうな」
  チャット相手の遠慮のない物言いに、金輪龍一がサングラスの下で目を細める。
 「それならば、第三の選択肢も用意しておくべきだろう? なあ、あやめくん」
 


 
シーン1 Who has betrayed?
 

GM:では、マッコイから順に処理していきます。

マッコイ:エージェントと黒服の2組が来てるわけですよね。どっちがなじみ深い?

GM:エージェントの方がなじみ深い。サイレンサー付きの拳銃使ってたりとか。黒服は、エージェントとは違う気配がするって感じ。

マッコイ:なるほど。あと、エージェントが仕掛けてた物が何か、確認しとこう。

GM:それは、自動的に判っていいです。爆発物とか、発信器とか、監視装置とかです。

ディ:要は、かく乱しようとしていた?

マッコイ:全部を撤去するのは無理だから、爆発物だけやります。

GM:それだったら、追跡しながらで全部はフォローしきれなかったけど、爆発物は、撤去しました。で、エージェントは、自分たちが潜伏してるのを見つかっちゃったから、今は避難民とかに紛れて、立て直しにかかっているようです。連絡を取ろうとしてるんですが、ま、リビングランドだからね、(コロコロ)繋がったり、繋がんなかったり。

マッコイ:よし、とどめさしてやろう。ジャマーをここら辺に。(コロコロ)振り足し。

GM:ああー、なるほど。では電波妨害食らって、通信機を叩いてんのが見えて(笑)。「やっぱ、ダメだここ!」って。諦め半分で、ここから一時離脱するなり、何かしらの対策を取るなりしようと、話し合っていますが、もう少し、決めるのに時間が掛かりそうな雰囲気。

マッコイ:どうするかなー。(しばし考えて)よし! エージェントの前に出て行く。

GM:姿を見せます? そうすると向こうは、あなたが誰だか判ってるんでね、素早く身構えて。

マッコイ:「まあ待てよ。ビジネスの話に乗る気はねぇか?」

GM:〈説得〉か〈魅了〉でまず振ってください。

マッコイ:スキルがあるだけ〈説得〉の方がいいや。

GM:ですね。これは、戦いをやめようっていう要求を通すための判定だと思ってください。

マッコイ:(コロコロ)11。ポシ使いまーす。

GM:どうぞ。

マッコイ:(コロコロ)21。+8の、〈説得〉達成値19。

GM:向こうの態度は敵対からスタートしてて、とりあえず、銃は下ろさないけれど、「話は聞こう」と。

マッコイ:「見ての通り、お前さん達の、連絡手段は絶った」

GM/エージェント:「貴様か。急に調子が悪くなったので、何かと思えば」

マッコイ:「まあ、こういうことをやったのには、理由があってな。悪いがちょっと色々盗聴させてもらった。お前達の周波数を」

GM/エージェント:「なるほど。我々の情報は筒抜けということだな」

マッコイ:「実はだな、もうひとつ別の周波数が飛び込んできたんだが。お前達、使い捨てだぞ?」

GM:(コロコロ)「・・・いや、まさか」(笑)

ディオルド:巧いなー。

マッコイ:「じゃあお前達、あの恐竜が飛び込んで来る時に、自分達の警戒網に警報が流れたか?」

GM:(コロコロ)「そう言えば!」注・流れねーよ!(笑)恐竜来るから避けろとか言わねえっつーの。

マッコイ:「お前達も判ってる筈だ。何を追っているか」

GM:頷いて、「ターゲットに大きな変化が見られたため、人物承認に時間が掛かったが」

マッコイ:「その時間が、お前達の、上役の頭を狂わせた。つまり、お前達が裏切り者だと、既に認めているのだよ」

GM:向こうは揺らいでいるようです。

マッコイ:「判るか? 『裏切り者扱い』だ。お前達の意志は、もはや関係ない。どう思う?」

GM:確かに、そういうことはありうるなという顔をして、「何が目的だ?」

マッコイ:「橋渡しをしてやってもいいぜ? ただし、誠意を見せてもらおう。お前達なりのな」

GM/エージェント:「では、空約束はできないので、先に貴様の方から、何か証明できるものを見せてくれ」

マッコイ:「ほう・・・」

GM/エージェント:「口約束では人は動けないからな。要するに、貴様を通じて、我々に利益がもたらされるという証明をしてくれ」

マッコイ:こういう場合って〈トリック〉使うのはアリかな。

GM:えーと、引っ掛ける内容によっては。ただ、こっちとしては、ひとり、捕まってるので、その・・・あー、いかんいかんいかん。言いかけたぞー(笑)。

マッコイ:「お前達の仲間をひとり捕まえていることは知っているな」

GM/エージェント:「勿論」

マッコイ:「リビングランドの部族に捕まったエージェントがどういう目に遭うか、というのは判っていると思うが」

GM/エージェント:「そうだな。ただ、我々には守秘義務というものがあり、当然ながら、職務に忠実に動くことが求められる」

マッコイ:「求められる。向こうは裏切ってるのになー」(笑)心理的揺さぶりをかけてみよう。「さて、どうする?」

GM/エージェント:「現に裏切られているのであれば、状況は変わってくる。ここはリビングランドだ。手元に存在しているもの以外は、霧に隠されて判らない。ならば我々は、神の奇跡よりも、目に見え、手に取れるものを信じよう」

マッコイ:ん? どういうことだ?

GM:たとえ話。場所が場所だから、出すモン出してもらえば、手を組んでもいいよ、って。

マッコイ:なるほど。

GM:要するに、「裏切り者扱いされているのを助けてやろうか」って言われたんで、「じゃあ、どうやって助けてもらえるのかを示してくれ」と。

マッコイ:「まあ、ここで立ち話というのも何だ。とりあえずついて来てもらおうじゃないか」

GM:そうすると向こうは、ついて行った先で一網打尽というのを警戒して、断ります。

マッコイ:「私は武器を持ってないぞ?」

GM/エージェント:「貴様は武器を持っていなくても、貴様が釣り針となって、我々が釣られるということもあるわけだからな」

マッコイ:「だったら3・4人で来い」

GM:あー、なるほどね。では、リーダーらしい男が、「それで構わないのであれば、我々にも打開策がないのは事実なので、交渉のテーブルへ着こう」

マッコイ:よし。じゃあ、この場に残るエージェントに、ポツッと言います。「黒服に気をつけろ」

GM:彼らは判ったような判らないような顔で、頷きます。

マッコイ:「今すぐに、こちらの筋を明かすことはできんが、お前達が処分されようとしている、その証拠を教えてやる。さっきも言った黒服。あれは大方、お前達と別系統の日本人だと思ってるんだろうが、半ば当たりで、半ば違っている。あれはお前達の監視役だ」

GM:「確かに、そう言われればそうとも思える」というように、彼らは疑念を持ちました。ではマッコイが、エージェントのリーダーともうひとりを連れて、みんなのところへ戻る、といったところで、一回シーンを切ります。

 
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