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TORGリプレイ

『Re:Re』

 

第三幕


シーン3 忘れえぬ存在(承前)
 

程なく、ネット内のアンドレの前に、ヴェルムのVRセルフが現れる。
戦闘から離脱したそのままの姿を投影したらしく、全身血まみれである。
 

アンドレ:「や、御苦労。よく生きてるな」

GM/ヴェルム:『ああ。今となっては、これが俺の身体だからな』

アンドレ:「お前の息子を、私どものところで預かっている。とりあえず映像を見せようか?」

GM/ヴェルム:『ああ、見せてくれ、見せてくれ!』

ディ:そうすると、オレが、コリンをスリングで抱っこしているという、親としてはむかつく絵面が。

GM:わー、何だこれー(笑)。そしたらヴェルムは、『ああ、よかった、いた・・・』って言って、へたりこんでしまいます。

ディ:「そんな怪我までさせてしまって、伝えられなくて、すまなかった」

GM:因みにその頃、リアルの身体はぶっ倒れて、「やべぇ、こいつ死にかけてる!」みたいなことになってます。「魂抜けたみたいになってる!」まー、抜けてるからな。

アンドレ:「お前、身体は大丈夫なのか?」

GM/ヴェルム:『この子さえ無事で生きていれば、別に死んでも構わねえ!』

アンドレ:「そういう問題じゃないだろ」(笑)

ディ:「コリンは、オレが、偶然保護した」

GM/ヴェルム:『経緯は後で聞かせてもらうとして、無事だったらそれでいいんだ。あー、コリン、聞こえるか? パパだよー』

闇影:全身血まみれで、「パパだよー」って、えらい殺伐としてるな。

GM:コリンはですね、「パパ、パパ」って感じで手を伸ばして、ほわーっと笑って、でも、次の瞬間、ふっと、未来のコリンの顔になって。

闇影:ほう。

GM:「あ、この人がお父さんなんだ」みたいな顔。さっきまで隙あらば憎まれ口を叩いていたのに、静かになってしまいます。ヴェルムは敏感に察して、『どうした、コリン? この子、何かあったのか?』

アンドレ:「とりあえずお前、顔を拭いたらどうだ」

GM/ヴェルム:『すまん、イメージ映像だから血は消せるんだが』(笑)

ディオルド:「パパママと、これだけ長く離れたのが、初めてだから、戸惑っているだけだよ」

GM/ヴェルム:『そうか、それだったらいいんだ』

ディ:「(小声で)会えて、よかったな」

GM/コリン:「・・・・・」

闇影:ところで、スラッチェンは、アメリカに渡ったんですよね。

GM:まだです。飛行機を手配して、渡る準備ができている状態。

アンドレ:いつ渡ろうとしているか、確認できます?

GM:できますよ。あなたが航空会社のデータベースにアクセスして、割り出せばいいだけだから。

アンドレ:何で判定すればいいのかね。サイバー教皇領の〈信教〉とかじゃダメなのかね。

GM:機械と繋がる系の奇跡を使う場合には、それでもいいんですけど、なければ《知力》ですね。

アンドレ:そんな素敵な奇跡はないね。

GM:でもあなたは技術アクシオムが高いので、アドバンテージがあります。

アンドレ:(コロコロ)低っ! ポシっとな。(コロコロ)“ひらめき”使って、達成値20。

GM:ファイアーウォールが消されていくー。とりあえず、奴が乗り込む、便が判りました。今日の夜半、ヒューストンの空港に着く便ですね。

闇影:できれば先回りしたいよな。

ディ:コリンに訊きます。「コリンが、オレの資格を求めていることを、スラッチェンは知っているか?」

GM/コリン:「たぶん知ってる」

ディ:「・・・急いでロレーヌのところに行こう」

GM/コリン:「なんでだよ?」

ディ:「コリンに言うことを聞かせるために、コリンの家族に、手を出すかもしれない」

GM/コリン:「やめろ。家族は、関係ねぇだろ」

ディ:「コリンはそう思っても、スラッチェンがそう思ってくれるとは限らない」

GM/コリン:「くそっ。だからこの、クソッタレな世界はきらいなんだ」

ディ:「これから、すぐ移動すれば、ロレーヌを守れる。アンドレ、ヴェルムに伝えてくれ。『ロレーヌに、危害が加わるかもしれない』と」

GM/ヴェルム:『・・・どういうことだ?』

闇影:「細かい状況を話している時間はない。早急に、アメリカの君の奥方の元へ集合しよう。それが一番早いだろう」

GM:ただ、ロレーヌは、リビングランドの、 ニューヨークとか、そっち方面にいるので、ヒューストンからだと、かなり距離があります。

ディ:! 待てよ、ヒューストン?

ディオルド:ヒューストンには、アレがあるよね。

ディ:うん。航空宇宙センター。スラッチェンは、スペースシャトルを乗っ取る気だ!

アンドレ:スペースシャトルを奪われると、何かあるの?

ディ:オレたちは、スペースシャトルに乗って時間遡行した。

GM:そう。あの乗り物に乗って、世界の時間軸から外に出て行った。

闇影:なるほど、時を越える宇宙船か。で、動力は何だ?(笑)

ディオルド:蒸気に決まってんだろ?(笑)

アンドレ:じゃあ、解説映像を出してあげる。「はい、違うから」

GM:ここで大事なのは、あの『REWRITE』の話は、「なかったこと」になっているので、あのシャトルは、今から飛ばすんです。

ディ:資格を手に入れた者が、シャトルで飛んでしまったら、歴史が書き換えられてしまう。すぐ、ヒューストンへ向かえば、シャトルの発射に間に合う。

闇影:では、ニューヨーク方面にいる奥方のロレーヌと、ストームナイト族のユキとあやめに連絡して、ロレーヌをヒューストンへ連れて来てもらうように頼もうか。

ディオルド:そしたらヒューストンへ。

アンドレ:集合ー。

GM:はい、解りました。では、話がまとまったところで、ヴェルムは、再度あなた方に呼び掛けます。『ディアン・オブロー殿だな。直接会うのは初めてだが、挨拶が遅れてすまなかった。過去のことに関して、改めて礼を言わせてもらう。君たちのおかげで、俺の家族は救われた』あと、アンドレに対しては、『ありがとう、同志よ』と。

アンドレ:「とりあえず、肉体が滅びる前に、戻った方がいいぞ」

GM:『ああ、そうだな。必ず、助けに駆けつけるから』と言って、彼は戻っていきます。そしてここで、“警戒”カードを持っている、ディアン。

ディ:はい。

GM:あなたは、この教会に、猛烈な害意を持った、黒い男が迫っている気配を感じます。

一同:!

GM:まだかなり遠くにいるんですけど、ものすごい殺気。殺気とは違うか、ほら、ロードローラーで、草木を踏み潰すのに、殺気があるんですか? って話なんで。

ディ:思わずコリンのことをぎゅっと抱えて、「悪意を持った者が、来る」

闇影:「では、どうする? ここで迎え撃つか、それとも、急いでヒューストンへ行くか」

ディオルド:ヒューストンへ、行かせてくれないんじゃないのかなー(笑)。

ディ:「ここで、迎え撃つしかない。でなければ、周りの人々を巻き込む」

闇影:「そうか。では、闘う準備をしよう」奥に声を掛けて、「牧師殿。少々、邪悪な者との闘いが起きる。申し訳ないが、この子をしばらく預かってくれ」

GM/牧師:「よろしいのですか?」

ディオルド:「いや、一緒にいた方がいい。恐らく、コリンを狙ってくる」

ディ:「(頷いて)コリンは、オレが守る」

GM:ここが第三幕の山場です。“警戒”カードを使ったので、準備に1ラウンド差し上げます。

 
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