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TORGリプレイ

『REWRITE』

 

第四幕

 
シーン3 絶望の淵
 

 向かい合うリリアンとアーサー、2人の過去が、そこにいた全員の心に流れ込んでくる。
 

リリアンは悲しげな瞳をして、血まみれの女性を抱きしめていた。

彼の目前で、その女性はニッポンテックの侍に斬殺された。
彼は女性の髪に結ばれたリボンをほどいて、自らの髪をきゅっと束ねた。
 

アーサーは無力感にさいなまれていた。
彼は、名だたるストームナイトが敗北する様を見続けてきた。

ヴァイキングに首を刎ね飛ばされたディアン。
エディーノスたちの儀式の生贄にされたユウイチ。
Dr.メビウスに心臓を掴み出された光。
妻の芹奈を人質に取られ、2人並んで斬り伏せられたマキシム。
ゴッドネットで廃人にさせられたリリアン。

「このまま戦えば、僕らは負ける。そして世界は滅びてしまうんだ」
 

 ―――不意に、閉ざされていた記憶の扉が、開いた。
 

 その扉の向こうには、幸せそうな一組の男女。
 男=アーサーは、花束と指輪を恋人に差し出し、プロポーズした。

 「僕たち2人だったら、どんなに大変なことがあってもやっていけるさ。
  未来を信じて、僕についてきてくれないか?」

 彼女はアーサーの言葉に優しく微笑み、こくりとひとつ頷いた。

 次の瞬間、漆黒の空から、メールシュトロームブリッジが降ってきた。
 アーサーが最上階で食事をしていたビルは、ブリッジに押し潰され倒壊した。
 彼は、彼女の最期の姿を見ることすらできず、ビルの残骸の下に埋もれて、
 そこに残った花束だけを見つめていた。―――
 

GM/アーサー:「思い出したよ」

 
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