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TORGリプレイ

『REWRITE』

 

第四幕

 
シーン4 残ったのは希望
 

GM:その時のアーサーは、別に戦士でもポシビリティ能力者でも何でもありませんでした。一番最初の侵略があった時に、たまたま爆心地にいた、っていうだけの話なので。あともうひとつ判ったのが、彼が何をしようとする気かというと、このまま時間遡行をして、シャトルを、インドネシアの、ブリッジが落下する直前に落とすつもりです。

リリアン:そしたら、幻視から戻ってきた瞬間に、ガタッと崩れ落ちながら、こう、顔を起こして、睨み合って。

ユウイチ:リリアンに肩を貸して、抱き起こす。

リリアン:必死に起き上がって、他の4人を制してカツカツ歩いていって、アーサーの肩に手を掛けながら横を通り過ぎて、「お互い疲れたな。今日は寝ようぜ」と言って、コックピットに入っていく。

GM:でもあなたは〈宇宙船操縦〉技能を持っていないので、止めることはできません。

リリアン:止められんのか。

GM:シャトルは自動操縦で、軌道計算がされていて、その爆心地に落ちるようにインプットされています。ブリッジが降りてくるタイミングに、丁度地球に落ちていって、ブリッジが降りる先を破壊してしまおう、と。

リリアン:そしたら、振り返って、「で、どうする? お前は未来を信じるか。それとも、今の幻想に踊らされるのか」

ユウイチ:「お前が世界を戻したとしても、その先に必ず彼女が待っていると思うのか?」
 

アーサーの瞳に、初めて迷いの色が浮かんだ。しかし、それでもなお。
 

GM:アーサーはあなたたちを見回して、「それは意味のない想像かもしれない。でも、やっぱり僕は、未来を書き換えることを、諦めることはできない。それを諦めたら、僕はもうここにいることはできない。だから、君たちの全身全霊を僕にくれ!」と言って、もう一度剣を構えて、斬りかかります。

リリアン:じゃあ、振り下ろすんだろうけども、それをぱしっと掴んで、「いい加減に気づきなさい。そういうもので、未来は掴めなくってよ」と言おう。

:あ、女言葉に戻ってる(笑)。

GM:因みにもう、シャトルは落下しつつあって、大気圏突入寸前という、メッセージが流れます。シャトル全体にガンッ! と衝撃が伝わって、船首が真っ赤に燃え始め、そのままインドネシアの方に向かっていきます。大気圏で燃え尽きる可能性もゼロではありませんが、恐らくビルに落ちるでしょう。

ユウイチ:落ちると、うちらは、確実に死ぬ。

GM:死にます。落ちた先のビルにいる人たちも死にます。でもそれと引き換えに、彼のリライトは、実行されるわけですね。

:「このままじゃ、このままじゃ!」

ディアン:「アーサー! 装置は、どこだ!」
 

生命を賭して追いかけてきた5人の、必死な様子を見て、
アーサーはひとつの決意を固めた。・・・そして。
 

GM:彼は、「装置は、ここにあるんだ」と言って、剣を胸に突き立てます。

ディアン:えっと、待てよ、“緊急行動”使うぞ! アーサーの胸を素手でぶん殴る。

GM:うん、どうぞ。

ディアン:(コロコロ)ポシ使う。

GM:消します。

ディアン:わかった。〈格闘〉達成値は15。

GM:この状況だと、アーサーは避けませんから、当たりますよ。

ディアン:ダメージは、“アドレナリン”2枚突っ込んで、18。

GM:うわ、《筋力》ブーストしやがった(笑)。では、剣が手から離れて、彼はその場に膝をつきます。
 

渾身の一撃も、アーサーが体内に埋め込んだ装置を壊すには至らなかった。
「・・・そうか。それが、君たちの全身全霊か」

アーサーは立ち上がり、5人の顔を見た。皆、真剣な瞳で、言外に何かを語っていた。
滅亡間近の未来から、世界を書き換えるため、
時間遡行装置を使ってやって来た彼の心に、忘れかけていた感情が甦った。

彼は最後の力を振り絞り、装置を再稼働させた。
過去へと向かうこの時間の流れから5人を放り出し、元の世界に送り返すために。
そして、彼自身が未来へ帰るために。

赤と青の光が、辺りを満たした。
 

ディアン:アーサー・・・。

GM:あなたたちの想いが伝わったのか、彼はふっと笑って、「会えるかどうかも判らないし、覚えていられるかどうかも判らないけど、僕も頑張ってみるよ」

リリアン:「さらば、我が友よ」

ユウイチ:「そして、遥か星の海の彼方で、また出会おう」

:「大丈夫さアーサー。俺たちがまず、お前の未来を変えてやる!」

GM/アーサー:「・・・ありがとう」
 

過去、インドネシア。
高層ビルに向けて落下してくるスペースシャトルを見て
パニックを起こす人々の目前で、シャトルは跡形も無く消え失せた。

そしてシャトルはそのまま時を越え、イギリス北東部に落下。
謎の隕石としてアイル政府より調査依頼が出るのは、この少し後のことである。
 

一同:おお、なるほどー。

GM:とりあえずみんな、すっげー痛かった(笑)。ただ、アーサーの姿はありません。アーサーの持っていた剣も、どこかへ消えています。

ユウイチ:「生きてるか、みんな?」

:「いや、俺は、割と死んでます」とか言って、何か液体がどくどくと(笑)。

ディアン:「大丈夫か、光!」

GM:そして、この世界においては、「何も起こらなかった」ことになりました。
 


Epilogue

 
こうして、ストームナイトたちは、誰も知らない闘いを終えた。
 

ユウイチ:まず確認するけど、我々は今、イギリスの、流星の落下地点にいるわけね。

GM:そう。アーサーと最初に会った辺り。

ユウイチ:「ああー、何だか、夢のような、不思議なことが、あるものだなあー」と言って、シャトルの外に影を残して歩いていく。「だけどおれは、決して忘れないぞ。あいつのことを。・・・忘れてなるものかよ!」

GM:ではユウイチはシャトルを降り、自分の飛行機の方に向かっていきます。

【CAST】ユウイチ・カゲヤマ
---レルムランナー
 

マキシム:変身キャラ同士、ディアンに話し掛けます。「アーサーは、俺たちみたいに、戦争に巻き込まれて人生が変わっちまった、被害者だったな。でも俺たちは、現実を受けとめて、こんないい仲間と出会って、世界を変えてきた。あいつだって必ずやってくれるさ。未来に帰って、いい奴見つけて、世界を、変えてくれてるよな?」

ディアン:「そうだな。幸せになる権利は、誰にも、平等に、ある。・・・行こう」

GM:そう言って、2人も降りていきました。
 

【CAST】マキシミリアン
---バーバリアン戦士

ディアン・オブロー
---バーバリアン戦士
 

リリアン:そしたら、カフェで、ソレイユとまたスコーンを紅茶に浸して食べたりしながら、「まったく、世の中物騒よねー。ま、いいんだけどさ」って言いながら、刺された胸の辺りをぱんぱんと払おう。

ソレイユ:?

GM:ではその後ろを、「僕はミシェルおにーさんではありません」って人が通って行く(笑)。

リリアン:ロン・ウーは何故かこう、ホクホクな顔をしてるんでしょ?

GM:そう。「おっかしいなー、俺、懐具合があったかいぞー」とか思いながら(笑)。
 

【CAST】リリアン・シュール
---私立探偵
 

:じゃあ最後。やりたい放題させてもらいます。あれから2週間。

ユウイチ:2週間も経ったのか。

:ショックトルーパー相手に戦っているフラッシュマン!「フラッシュキーック! フラッシュパーンチ!」

GM:ま、光るだけで、威力は上がんないんですけどね。

:で、ウー・ハンが出てきて、「貴様、何故ワタシたちに、ここまでしつこく、迫って来るアル!」とか言うわけだ。

GM/ウー・ハン:「いい加減に諦めるアルよ!」

:そしたら俺は、「正義の心がそうさせる! いや、俺の心の奥底で、確かとは言えないが、誰かと約束した気がする。俺の、仲間に、未来を変えると!」と言って、パーン! と光る。

ディアン:カッコいいー!

【CAST】閃光寺光(フラッシュマン)
---正義の味方
 

GM:では『REWRITE』、これにて終了になります。お疲れさまでした!

一同:お疲れさまでしたー(拍手)。
 

 限りなく今に近い未来………
 今夜、あるいは明朝、さもなければ来週……ほんの少しだけ未来の物語
 

 TORG Replay『REWRITE』 Fin.

---Thanx a lot for your reading, and I wish your future is full of HOPE !
 

(→postscript
 


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