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　限りなく今に近い未来………
　今夜、あるいは明朝、さもなければ来週……ほんの少しだけ未来の物語
 

Prologue

　何処とも知れない、研究室の中。
　白衣を着た男性二人の前に、四角いガラスケースが置かれている。

「ラザルス教授、こちらは、何ですか？」
「これは、シュレーディンガーの猫という」
「シュレーディンガーの猫って何ですか？」
「君は無知だなぁ」
　ラザルス教授と呼ばれた男は、大げさに肩をすくめて溜息をつき、ガラスケースの中を指差す。

「よく見たまえ。ここに、黒い猫がいる」
「黒い猫。可愛いですね」
「ここに、ラジウムがある」
「ラジウム、放射性物質ですね」
「そしてここに、青酸ガスを出す管がある」
「青酸ガスというと、毒性の高い、生物が数秒で死んでしまうという、あれですか」
「あれだ。この管の先端にはセンサーがついていて、ラジウムからの放射線が検出されると、ガスが出る仕組みになっている」
　透明なガラスケースに手をついて、ラザルス教授は自分より頭ひとつ背の低い助手を見下ろす。

「さて、この猫は生きているかね？　死んでいるかね？」
「えっ？　だって音がしますし、生きてるんじゃないですか？」
「ああ、確かに君の観察は正しい。観察された物はすなわち存在する」
　言うなりラザルス教授は、黒い布を取り出しガラスケースをすっぽりと覆う。
「黒い布が被せられて見えなくなったね。
　さて、この猫は生きているかね？　死んでいるかね？」
　―――暗転。
 

　漆黒の闇の中、尾を引いて流星が落下する。
　その様子が水鏡に映り、アイル女王ペラ・アーディネイが、眉を曇らせる。
「不吉な卦が出ていますね。未来は、とても不確かなものなのでしょう」
 

 
ゲームマスター（以下ＧＭ）：では、名前とかをひとりずつ聞いていきましょうか。

ユウイチ：毎度、ユウイチ・カゲヤマです。コアアースのレルムランナー、水陸両用の飛行艇乗りですね。２６歳、男。白いタキシードを愛用しております。改めて言いますけど、最前線には出れません。後方支援と、飛行機操縦だけが命ですので、あとはよろしくお願いします。

マキシミリアン（以下マキシム）：マキシミリアンです。アイルのバーバリアン戦士。年齢は２５です。トレードマークは、馬鹿でっかいグレートソードみたいなの。

ＧＭ：そうですね、グレートなグレートソード（笑）。「それは正に鉄塊だった」とか言われるようなヤツ。

マキシム：そんな物を背負ってます。あとは、恐妻家で、奥さん（＊１）にいつも、騙されたりしてます。

ユウイチ：あれ？　いつの間にか恐妻家になっちゃったんだ。

マキシム：基本的に熱血漢なんで。細かいこと気にしません。数数えません（笑）。敵と戦う時も、いち、に、さん、いっぱい。さぁ斬っちゃうぞ。

ＧＭ：あ、多いから数えらんないんで減らせばいいやー、って。ホントこのバーバリアンはー。危ないのがいるぞー。みんな気をつけろー。では続いて、バーバリアン。

ディアン：はい（笑）。ディアン・オブロー、２８歳、男。出身はアイルランドですが、ポシビリティ戦争が始まった時に変身（＊２）して、バーバリアン戦士になりました。前回の事件（＊３）の後で、アーディネイ女王の元を離れました。

ＧＭ：あ、そうなんですか。へー。

ディアン：ただ、頼まれれば、何でも力になります。現在はマキシミリアンと一緒に放浪しながら、困った人見たら、助けてます。

ＧＭ：前ほど、アーディネイ女王に頼らない、ということですね。わっかりました。では（隣を見る）。

光：♪パッパーッパッパー、パッパーッパッパー、タカタカタッ、パッパーッパーッパーッパッ、パラッパパッパッパッ！「光ー陰、矢のごとし、戦うヒーローぉ！」

一同：（笑）

光：「輝くっ、（パパパ）未来をっ、（パパパ）突っきっ抜けろー！」パラパパーパッ！・・・えーと、テラからやってきた、フラッシュマンです！　本名は閃光寺光（せんこうじ・ひかる）、２２歳、正義の味方の変装ヒーローです。でも最近、“正体”カードひいて、ノリと勢いで、「右手が吹き飛ぶ、そこにはコードが！」バチバチッ！　とか言って、どうやら改造人間らしい（＊４）、ってことになってるんで。

ＧＭ：それは、正式設定なんですね？

光：はい。とりあえず今回、シャドゥレディっていうの出して。

ＧＭ：“仇敵”か、“知人”カード引いてくれれば、もれなく出しますよ。引かなかった場合は、昔話だけになります（笑）。

光：あとね、いわゆる戦隊物の博士的立場に、もうひとりいるんだよ。Ｄｒ．パピヨン（＊５）ってのが。

ＧＭ：それは、どういうキャラ？　蝶・サイコー！　とか言う人？

光：ものすごいファッションセンスをした、ナイルの幹部なんだけど、実を言うと知り合いらしい。

ＧＭ：えらいことになってきましたねー。ただ、それも受け容れるのがＴＯＲＧのいいトコなんで。

光：因みに、変身すると何故か１０ｃｍ身長が伸びる。

ユウイチ：だってそれは、シークレットブーツ。

光：そんな秘密が。

ＧＭ：「俺の秘密はここにある！」いや、それバラさない方がいいと思うよー、っていう（笑）。

光：あと俺、スタート時には右手がないことにしたい。何かしらのきっかけで、付く、みたいな。その何かしらのきっかけは、カードに任す方向で。

ＧＭ：いいですよ。もしカードの引きが悪そうだったら、そこはロールプレイで頑張ってください。

ユウイチ：っていうかさ、あんたその歌、よく覚えてるな。

光：だって俺、これさ、フルコーラスで歌えるよ。

ＧＭ：それはまた、エンディングとかで。ちゅーことで、マスターです！　とりあえず、努力とか友情とか勝利とか大好きです！

光：多分、大惨事になると思うんで、よろしくお願いします。

ＧＭ：その辺は、みんなを信じてます。疑ってもキリがない。というわけで、始めます！
 

【ＣＡＳＴ】

 
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