Eternal Smile > The Right Way to Save the Earth
 

 
第16回トーグオンリーコンベンションプレイレポート

『正しい世界の救い方』

 

第三幕

 
シーン2

 洗脳や精神破壊の専門家、ナイルの悪漢Dr. バスタードは、「前回の作戦で、アーネストがスティリーを抜く際に使用した短剣(ボウイナイフ)」を狙っているらしい。それはきっとエタニティ・シャード。スカリーが彼に情報を流したのだろう。

『きみたちにプレゼントを用意した。受け取りたまえ!』

 4つの気球から、同時に何かが投下された。マリーがひとつを撃ち抜いたが、残り3つは大地に落ちた。
 

 その瞬間、リビングランドの深い霧が晴れた(*10)。
 遠くから、Dr. バスタードに操られたエディーノスの大軍勢が、近づきつつあるのが見えた。

 振り返ると、克己が淡い光を放っていた。正義を愛する心が、内からにじみ出るようだった。向こうでは、ロザリオマスクが煌々と輝いていた。

 私の中に、今までにない感情が生まれた。悪を倒し、自由人村の人達を守らなくては・・・。いけないいけない。これ以上ペースを乱されたくない。私は心に防護壁を張った。
 

「これだからナイル者は信用できない! 先に殺すべきだったわ!」
 歯噛みするスカリーに、私は声を掛けた。
「なら、取引しない? 裏切りの代償を、払わせてやりましょう」
「それに関しては異論はない」

「貴女、通信機を持っているわよね。彼の居場所を、教えていただけないかしら」
 スカリーがボタンを押すと、上空のひとつの気球から『フィーヒヒヒ!』という着信音が聞こえてきた。悪趣味ここに極まれり、ね。

「その気球の目、何なの? まさか私たちを攻撃する時、光ったりするのかしら」
 どうやら図星だったらしく、ひとつの気球がバランスを崩してふらふらと降りてきた。丁度、克己の剣が届く位置へ(*11)。
 

「ロザリオマスク! こいつにツープラトン攻撃だ!」

 私は耳を疑った。克己はすっかりこの場の空気に飲まれていた。

「さぁ! 始まりました本日のメインイベント! ストームナイト対、Dr. バスタァーーードッッ!」
「マキシム、いい? 3秒よ。3秒間で片をつけなさい」
「3秒か。俺たちには長い時間だ。行くぞ、ロザリオマスク! とうっ!」
「むっ? 話の解る奴だな」

 喜んだのはロザリオマスクだ。気球に駆け寄り、バナナを片手にDr. バスタードをプロレス技で高々と放り投げた。

「私の投げ間合いは、お前よりバナナ1本分長い! 今だ、マキシムよ!」
「正義の一撃を受けろ! ジャスティス・アタック!」

 太陽を背に、唐竹割りで悪を滅ぼしたバーバリアンが、決めポーズを取った。

 ・・・何度でも言うわ。ナイル帝国って、すごく、面倒臭い。

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