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TORGリプレイ

『Samurai Overdrive!』

 

第三幕

 
シーン4 たちはだかるもの

 
 一方その頃、マキシムは、御前試合の対戦相手から、因縁をつけられていた。
「どうせヤラセなんだろ? さっき乱入してきた奴等は」
 

GM:Dブロックの、はっきり言ってプロレスラーみたいな奴が、面と向かって言ってきます。「俺はヤラセとか一切ねえ。ガチだからな!」

リリアン:プロレスラーがガチって言っちゃダメだろ!(笑)

GM:マキシムからすると、「何言ってんだこいつ?」

闇影:っていうか、相手の実力が見極められない時点で、既に終わってる。

GM:「おい、尻尾を巻いて逃げ出すなら今のうちだぜ」

マキシム:じゃあ、こちらも言い返そうか。「お前こそ、怪我をしないうちに、家に帰るんだな。自分の実力が解らねえ奴は、この世界では生きていけないぜ」

GM:「へっ、その言葉、熨斗つけて返すぜ。俺は、俺は、最強だ!」

ユウイチ:うわー、見事な噛ませ犬!

マキシム:うぜぇ、超うぜぇ!

GM:「じゃあ、明日は楽しみにしてろよ!」と、勝手なことを一通りほざいた後、廊下の向こうに去っていくんですけど、10秒ぐらい経ったところで、ザシュッ! って音がして、血しぶきが飛びます。

一同:!!

GM:で、カツコツと足音がして、くたびれたサラリーマンみたいなのが、血の痕を避けながら、寄ってきます。

マキシム:さっきの宮本?

GM:宮本くんです。返り血は一切浴びてません。

マキシム:さすがにちょっと身構えましょうかね。それは焦るな。

GM:相手からは殺気は感じませんが、かといって、只者ではないという気配がします。
 

「あ、どうも」
 ぺこりと頭を下げて、宮本が口火を切ろうとした瞬間、携帯電話の呼び出し音が鳴る。
「ちょっと待っててくださいね。・・・あー、もしもし先輩ですか。
 すいません、電話いただいちゃって。明日のDブロックの試合、エントリー、僕がします」
『えっ? お前何言ってんの?』
「選手の方が、不慮の事故で亡くなったので、僕が代わりに出ます」
『は?』
「よろしくお願いします。じゃ」
 

GM:ピッと電話を切って、「お待たせしました。改めまして、明日の対戦相手です」

ユウイチ:いきなりか!

マキシム:「どういうつもりだ?」

GM/宮本:「社命がありまして。対戦表ちょっと変えてもらいますので、あなたは緒戦で、幻夢斎さんとやってください」

マキシム:「(溜息をついて)随分勝手なことを言いやがるな」

GM/宮本:「一回戦で消えるの嫌でしょ?」

ディアン:!!

ユウイチ:お?

マキシム:カチンとくるね!「今ここで実力を試してもいいんだぞ?」

リリアン:バカ・・・。

マキシム:バカでもやるっしょ。

GM/宮本:「それは僕が困ります。試合が成立しなくなると、僕が怒られますから」

マキシム:「・・・っ!」

闇影:いつの間にかマキシムの後ろにいて、肩をポンと叩いて言います。「あやつの瞳、尋常ではない」

リリアン:左右両方からポンと叩いて、両方から言ってるんでしょ?(笑)

GM:「あの気配、常人とは思えぬ!」

マキシム:お前らの方が超人だよ!(笑)「止めるな闇影!」って言って、一刀で斬れる距離まで、〈間合い〉を詰めます。

GM:はいどうぞ。

マキシム:(コロコロ)あー、低いね。ポシ使う。

GM:消します。

マキシム:やっぱりね。“アドレナリン”は敏捷上がります?

ディアン:上がる。

闇影:1枚持ってますよ。換えます?

マキシム:うん。ここは本気で、試しときたいよね。“アドレナリン”を、3枚。〈間合い〉26で、斬りかかる。

GM:彼は動きませんよ。

マキシム:あれ、マジで?

GM:だってあなた、抜いてない相手は、斬れないでしょ。多分あなたは剣を止めざるを得ないから、動きません。

マキシム:この野郎・・・!

闇影:更に畳み掛けるように言います。「マキシミリアン。見切られている時点で、貴公の負けだ。ここは退け。相手が堂々と剣を抜いた時。それが、貴公とディの真骨頂であろう」

GM:「確かに、今の踏み込みは鋭かったですね。常人ならば、何が起きたのかも解らないでしょう。でも、解る必要はありません。どうせあなたは、今の僕を斬れない」そう言って彼は、そのままあなたの懐からするっと抜けて、「忍者のお2人も、見たところ、無手の相手を斬れるような方とも思えません」

闇影:ブランシェットを、ちらっと見ながら言うよ。「そう。今現在は、お主を悪と判断はできぬからな。お主が悪であるならば、無手であろうと、剣を持っていようと、我らには関係ない。我らにとって重要なのは、お主が悪か、正義か、ただそれのみ!」

GM:「以下同文!」(笑)

闇影:で、2人揃って高笑いを始める。「「ふははははは!」」

GM/宮本:「自らの利益を追求することは、悪ですか?」

闇影:「いや。ただし、その方法が間違っているとすれば、悪だ」

GM/宮本:「でも、それを決めるのは、あなたではないと思いますよ」

闇影:「何を言う! ナイルの正義は我らが正義!」(笑)

GM:「一緒にされるのは心外ではあるが、同意!」(笑)

ユウイチ:ばばーん。

闇影:はっきり言うけどバカですね、この2人。

マキシム:一応、問うておきましょう。「お前は金輪の手の者か?」

GM/宮本:「名刺をお渡ししておりませんでしたね。金輪産業の、宮本です」

ディアン:金輪産業・・・。

マキシム:黙って名刺を受け取って、「お前らの悪事が解ったら、俺はお前のことを遠慮なく斬り捨てる。覚悟しておけ」

GM/宮本:「大丈夫。あなた達は、善悪に関わらず、己に刃を向けてきた相手は斬れる筈です」

闇影:アイルの方が、若干融通がきくね。

GM:若干ね!(笑)

闇影:名誉か不名誉かの方が比重高いから。あと、アイルの場合、名誉イコール正義ではないからね。
 

「あなたには、愛する人はいますか?」唐突に宮本が問う。
 

マキシム:ここでは答えない。「お前に言う必要はない」

ディアン:カッコいい!

闇影:言った時点で、既に答えてるのと一緒です(笑)。

マキシム:バカ丸出しだな。

GM:「僕はいます。そのためにも、負けません」敢えて揶揄するように、「愛の力は正義に勝ります」

マキシム:ほうー。

リリアン:くしゅん!(笑)誰かが噂してるわねー。

GM:「では、明日は、よろしくお願いします」そう言って、宮本くんは、深々と一礼して、去っていきます。

ユウイチ:なるほど。何のかんの言って、まとめて始末しようっていう考えか。

GM:そして、東京ドームの外の、遠くの方には、赤外線スコープを覗いて、決起の時を待つ、武装集団の影が見えます。といったところで、シーンを切ります。

 
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