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TORGリプレイ

『Samurai Overdrive!』

 

第三幕

 
シーン5 ゆずれないもの

 
GM:他に三幕でやりたいことがある人はいますか?

ディアン:はい! オレは、マキシミリアンの話を聞きたいです。もうそろそろ我慢ができなくなってきた!

GM:だよなー。では、マキシム帰ってきてください。
 

 会見場から戻ったマキシムは、不機嫌な様子を隠そうともしない。
「マキシミリアン」ディアンの声が、沈黙を破る。
 

ディアン:「このテレビという箱で、会見の様子を見ていた。御前試合を邪魔したい者が、いるのだな。・・・オレはマキシミリアンには、隠し事はしたくない。だから、今の気持ちを言う。この戦い、オレは、無意味だと思う」

マキシム:・・・・・。

ディアン:「闇影とオレは、上野公園という場所へ行った。このきらびやかな街とは、全く違った。オレたちは、パラン教の信者、武田に会った。『人はカネのために生きているのではない』と、武田は言った。そして・・・武田は、地球の外から来た」

マキシム:!

ディアン:「武田は、ニッポンの商安局に、殺されそうになっていた。もしかすると、地球の外から来た者がいることを、秘密にしたいのかもしれない。今のニッポンも、外から来た者に、支配されているのかもしれない。ユーソリオンが、アーディネイ女王の身体を乗っ取って、 地球へ攻めてきたように」

一同:・・・・・。

ディアン:「だが、考えすぎかもしれない。このニッポンの空気は、オレにはつらい。マキシミリアン。オレは、お前が、する必要のない戦いをするのではないかと、心配だ」

リリアン:横で見ながら、「珍しくディが頭使ってる・・・」(笑)

ディアン:必死、必死!

ユウイチ:すごいよ、バーバリアン考えてるよ!

マキシム: ディアンに言います。「お前は、お前が街で見てきたことを、信じられないのか。もし、少しでも真実を感じることができたなら、俺に力を貸してほしい」みんなを見回して、「俺は、このニッポンを、俺の故郷を、取り返さなければならない」

リリアン:「え、あんたニッポン出身だったの?」

マキシム: じゃあ、ここで自分の過去の話をします。ニッポンに父親母親がいて、今も行方知れず。自分の力ではどうすることもできない。やっと、芹奈っていう、自分の恋人を助けることができたけども、残された家族を救うためには、ニッポンを侵略者から取り返すしかない。そのために戦っている。自分の使命を、みんなに伝えます。

リリアン:「ま、バーバリアンは楽よねー。シンプルだから」

闇影:それを聞いて一言、「悪に世界の境なし!」

GM:ああー、バーバリアンとどっこいどっこいの回答だ(笑)。

ディアン:「この試合に、悪は、いるのか?」

一同:・・・・・。

ディアン:「マキシミリアン。お前の剣が、悪を断つものなら、その剣は誰に向ける?」

マキシム:・・・・・。

リリアン:「ま、基本的にあんたが負けるなんて考えてないけど」って言って、スープ飲もうかな。「そこの忍者も試合に出るようになっちゃったし」

マキシム:ホントだよ。

リリアン:「手兵で動かせるのは2人だけか」ぽつっとつぶやいて、「じゃ、あたし寝るから」(笑)

マキシム:ちょ、マジかよ! ええーっ? マイペースすぎだろお前!

ユウイチ:いや、それでこそリリアンだね。

闇影:「では、我も失礼する。今夜はゆっくり休まねば。そう、明日のために」

リリアン:忍者、寝るんだ。

ディアン:樹にぶら下がって。

闇影:コウモリかい!(笑)

GM:では、2人は退場した。

ユウイチ:じゃあ、同じニッポン出身者としてマキシムに言おう。「確かに、今のニッポンの惨状はおかしい。おれだってここの出身なんだから、それは解る。だが、それが金輪のせいだという証明は、どこにもないし、それはお前さんの勘だけだろ?」

リリアン:むしろ利益を得てるもんね。

ユウイチ:「金輪だと断定する材料がなければ、おれはお前に協力することはできない。それにもうひとつ。もしここで金輪を疑って何かあった場合、アイルの女王様にだって、申し開きもできなくなるぞ。金輪の支援が得られなければ、これからの戦いに対して、確実に支障が出る。世界規模レベルでな。それも考えて、泥を飲む覚悟を持っていなきゃダメだぞ」って言って、部屋を出て行く。

GM:かっけぇ!

リリアン:で、人に泥を飲ませて、自分は上澄みのきれいな水だけ飲む(笑)。

GM:お前は泥を飲め。俺は水を飲む!

ユウイチ:今までおれは泥を飲んできたんだぞ!(笑)

ディアン:染められてる、染められてる!

GM:いや、でも、こうしてコアアースの人は、受け容れていったわけですよ。ニッポンテックの価値観を。

ユウイチ:〈魅了〉されてるしね。何かがおかしいのはおれも解ってるけども、金輪本人が疑わしいという確証は持てないわけです。

GM:マキシムが金輪を怪しいって言ってるのは、例えば、マイク○ソフトのOSがひとり勝ちしてるけど、あれは侵略者のせいだ、とか、インターネットが発達して世界が変わったけど、あれは世界法則が変わったからだ、って言ってるのと同じですからね。

マキシム:ただ、俺は宮本が、目の前でザシュッ、なんてやったのを見てるから。こいつはやばい。

リリアン:でもあたしたちは、宮本くんが、そんだけ戦える人だって、知らないから。

ディアン:闇影は現場にいたよね。

闇影:誰も訊いてくれないもん。

ユウイチ:おれらは、教えてもらわなきゃ動けないもん。今の時点では、疑うことも何もできないからね。

ディアン:オレは、この御前試合はおかしい、マキシミリアンが戦うのは無意味だ、って訴えてるけど、マキシミリアンには戦う理由があるんだから、それを教えてほしい。例えば、宮本の存在を、教えてくれると有難い。単純に、強い奴と戦いたい、もしくは、絶対に負けられない奴がいる、でもいいだろうし。

マキシム:そうだね。

GM:では、ちょっと助け船を出しましょうか。マキシムの懐から、芹奈の手紙が落ちます。

ディアン:「ん?」

GM:ぱらぱらっとめくると、貴方は真っ直ぐな人だけど、最後はみんなと仲良くしてね、って。でも貴方は貴方の信じる道を行けばいいと思うわよ、って。

マキシム:あー、もう(苦笑い)。

ディアン:「ど、どうした?」

マキシム:手紙を拾って、懐に入れてから、さっきのいきさつを喋ります。「俺の対戦相手が、先ほど、金輪産業の社員によって殺された」

ディアン:「金輪の、社員が・・・!」

マキシム:「合法だとは言っているが、こんな風に、血生臭い試合を行おうとしていること、そして、ジェイクみたいな奴が司会をやって、殺し合いをしようとしていることには、必ず裏がある。俺は、このニッポンを救うために、金輪の・・・って言い切れないところが癪だが、奴の正体を暴くために、御前試合に出る。御前試合に出て、勝ち進むことで、奴の尻尾は見えるはずだ」それしか言えない。自分自身が、この試合を終えてから、どうできるかが、はっきりとは見えてないから。

GM:そう。手掛かりが何もないから、これにすがるしかない、っていうのは確かですね。

マキシム:「今、奴に繋がるものは、この試合しかないんだ・・・!」

ディアン:・・・・・。
 

 誰よりも互いの実力を認め合う2人の視線が、再び真正面からぶつかる。
 やがて、ディアンは小さく息をつき、深くゆっくりとうなずく。
 

ディアン:「わかった。マキシミリアン。オレの相棒の名誉は、オレが守る

GM:おお!

マキシム:!

ディアン:「心配せずに戦え。そして勝て」

マキシム:「・・・ああ」

GM:わかりました。では、その言葉と共に、人の心を覆い隠すようなスモッグが立ち込める街の中に、光が灯ったような気がしました。第三幕終了です! 皆さんに3ポシビリティずつ差し上げます。

 
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