Eternal Smile > Samurai Overdrive 『Samurai Overdrive!』 第四幕 織田航空機社長夫人は、文机の前で、なおも恋文を綴り続けている。
文章は全て、奥方の血を混ぜた墨で書かれている。 部屋の片隅のコンピュータのディスプレイに、メール着信を示すアラートが出る。
そんな奥方の部屋の様子を、織田社長は知る由もない。 ―――暗転。 リリアン:戦闘中って、場札にしないとカードは使えないんだっけ。 GM:そうです。では、ルールを確認しておきましょう。切り札になるのは、まず、見せ場宣言。一幕に一回使えて、手持ちのカードが、制限なく全部使える。ただ、そのラウンドのおしまいに、余ったカードはなくなります。もうひとつが、ストーム・コンバット。異なるリアリティの相手に対して、〈リアリティ〉技能で攻撃を仕掛けて、リアリティ・ストームを無理矢理起こします。これも、強引に一騎打ちが発生します。そこから先は、殴り合いではなく、〈リアリティ〉技能を使ったポシビリティの削り合いになります。これで相手のポシビリティをゼロにして、ダメージを消せなくして、バーン! って殴るもよし、リアリティを勝った方に変更するもよし。ただ、無関係の人や物が、めっちゃめちゃにぶっ壊れるので、場所は選びましょう。 闇影:ストーム・コンバットは、周りに嵐を起こし始めるんで、やめた方がいいですね。 GM:ま、どうしてもやばい時とか、必要だったら、選択肢には入れといていいと思います。 闇影:相手がオーロシュの魔物で、準備が整ってない時ぐらいだ。 GM:ということで、第四幕、御前試合当日です。送迎の車が来て、東京ドーム入りして。この辺は粛々とイベントが進行していきます。 リリアン:ちょっと早めに観覧席へ行って、出入り口を全部確認しておきます。 GM:はい。宮本くんにもらった地図を見ながら、あっちが選手通用口だとか、ここがVIP席だ、とかいうのが解ります。このタイミングで、リリアンは、ジェイクからメールが来ていることに気付きます。 リリアン:あら、お姉様から。何かしら。 GM:『スポンサーの織田航空機の名前で、よく解んない装置が地下に運び込まれてるわ』と。『アタシも忙しくて目が届いてないんだけど、絶対これ、演出には必要ない物よ。スポンサーが置けって言うから置いてるんだけど。丁度ドームの外周に沿って、等間隔で6個』 ディアン:ええーっ! 魔法陣じゃねぇか! GM:あと、大電力ケーブル。事前に工事してあって、多分装置をそれに繋ごうとしてる。 マキシム:はー、そんなものが。 リリアン:途中で変電装置かましてない? GM:かましてる。偽装してある。 リリアン:偽装してあるけど見つけられる? GM:見つけられる。行けばすぐ解る。 リリアン:ユウイチ連れて現場に行って、「おー。何か、すごいもの置いてあるわねー」 ユウイチ:その機械って、おれが見て解る代物? GM:〈知識(機械工学)〉で振っていいですよ。 ユウイチ:(コロコロ)ポシ使います。(コロコロ)さらに“ひらめき”も1枚使って、〈知識(機械工学)〉24と言ってみよう。 GM:そうすると解る。恐らく、粒子加速器とかに使うような、巨大磁石とイオン発生源。 ユウイチ:オウ! 巨大磁石! GM:輪っかになってるから、多分サイクロトロン。こんな突貫だから、1回しか使えないだろうけど。 闇影:サイクロトロンかー。 ユウイチ:あれ? なんか前にも似たようなもの、なかったっけ、リリアン? リリアン:んー、基本的に、爆破したものなんて覚えてないわ(*30)。 ディアン:サイクロトロンを、魔法陣として使うってこと? マキシム:あー、セバス(*31)ならどういう使い方するか解るんだろうけどなー。 GM:NPCを呼んでもいいですよ。 ユウイチ:じゃあ、おれが連絡先わかるから、電話してみよう。 GM:そうすると、恐らくアイルであろう処で、電話を受けてくれた。 ユウイチ:「どうも、お久しぶりです、セバスチャン。実は、これこれこういうものがあるんですが、何か、ご存知ないですかね?」 GM:(コロコロ)ん! リリアン:振り足しかよ! マキシム:さすがオカルティスト。 ディアン:眉をぐっと上げて。 GM:すごいなー、セバス先生。ちょっとうっかり振り足しちゃったよ。こんだけ出されたらしょうがないから言うけど、『む! 蠱毒じゃな!』 ユウイチ:「蠱毒? 蠱毒ってあの、中国の故事に出てくる・・・」 GM/セバスチャン:『うむ。あれじゃ』 ユウイチ:「戦い合わせて、最後に残った1匹の巨大な蟲を使うという・・・」 GM/セバスチャン:『正確に言うと、その蟲をさらに、生贄に捧げる気満々じゃな。もしや、その場所で、流血の惨事を起こす気なのではないか?』 ユウイチ:「うん! 当たりです。マキシムとか闇影とかが、戦う予定です」 GM:『可能ならば、今すぐ止めた方がいい!』って言ったところで、2人はリングインします(笑)。選手紹介のアナウンスが流れて、観客のボルテージは最高潮ですよ。 ユウイチ:「いやー、ちょっと遅いかもしれません。とりあえずリリアンと相談してみますよ」 GM/セバスチャン:『粒子加速器、というのはよく解らんが、それで魔法陣を描こうとしているのは解る。魔法陣の中で、生贄をどうにかする気なのじゃろう』 ユウイチ:「先に装置をふっ飛ばせば?」 GM/セバスチャン:『どうじゃろうなー。儀式の進み具合にもよるが、できることはやっておいた方がよかろう。オカルト現象文の何行かが潰されるだけでも大きい』 ユウイチ:「なるほど。わかりました」 GM:『可能なら、術者が判るといいんじゃが・・・』〈推理〉には1時間かかるから、ゴメン、間に合わないって言われる(笑)。もっと早く言ってくれれば、〈推理〉でいきなり首謀者を突きとめたのに! ユウイチ:「いえ、充分です。ありがとうございます。後でニッポンのお土産を、何か買っていきますよ」 GM/セバスチャン:『日本茶でも買ってきておくれ』 ユウイチ:「わかりました」 GM/セバスチャン:『しかし、あやつ等が戦うのか・・・。ま、何とかなるじゃろ』 ユウイチ:「でも今回、ディは入ってないんですよ!」 GM/セバスチャン:『あー、時間の問題じゃよ』(笑) ディアン:セバスチャンはオレを何だと思っているんだ。 GM:え? バーバリアン!(笑) ディアン:完璧な答えをありがとうございます。 ユウイチ:「では、また」って言って電話を切って、「ああ、何てこったい!」 リリアン:そんな物騒な代物なわけ? ユウイチ:みたいですよ。 リリアン:止めるしかないわねー。うーん。 ディアン:加速器だったら、電源を落とすのが一番確実だと思う。 ユウイチ:会場のブレーカー、1個2個落とせば、時間は稼げる。すぐ復旧するかもしれないけど。 リリアン:いや、コンプレッサーを潰して電流を逆流させれば、ぶっ壊れてちゅどーん、になる。 ユウイチ:そんなことしたら、ドームごとちゅどーん、になる気がするんですが。 ディアン:逆流までさせなくていいよ! 動き出す前に止めてよ! マキシム:いや、面白くしたいんだよ!(笑) リリアン:ということで、背中からメイスを出して、「これって電気の良導体なのよねー」って言って、ぽいって渡してあげよう。 ユウイチ:え?! やるの、おれ? GM/ソレイユ:「あ! おねーさんには、ソレイユのをかしてあげます!」 リリアン:「はい、じゃあもう1個。あんた機械技師でしょ?」 ユウイチ:ええーっ?! ディアン:(両手でポーズを取って)悪魔神官(*32)。 GM:いいから! テンパってるのはよく解ったから!(笑) リリアン:さあ、さっさとおやりなさい、ユウイチ。 GM:あ、その前に、敵が現れます。警備員とかではない、明らかにおかしな連中が、止めに入ります。 リリアン:なぬ? GM:京都警察RKDっていう、ニッポンテックの超強いアーマーを着た、ロボット武者にしか見えないような奴が、「ひとーつ! 人の世のポシビリティを吸い!」 一同:(笑) GM:「ふたーつ! 不埒な悪行三昧!」 リリアン:みっつ! 右にもハゲがある! GM:「みっつ、見つけたストームナイト! 退治してくれよう! ゴスポグ侍!」(笑) 闇影:旗印はついてないのか。弱肉強食とか。焼肉定食とか。 GM:今日の話的には、弱肉強食かな。それが3体現れます。1体前に出て、残りの2体が、ずずずずいと後ろに。 "Eternal Smile" Since 2002.02.02 E-mail:charmy_s@mac.com |