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TORGリプレイ

『Show Must Go On』

第二幕

 
シーン2 Plot against the Empire

 
 派手に彩られたこの列車の中で、暗き陰謀が企まれていることは間違いない。
 その端緒を掴むべく、ソウジはサーカス団の団長の元を訪ねるが、
 打ち合わせ中と言われ、会わせてもらえない。
 

ソウジ:呼び出すこともできないんですね。さっき、剣呑な目つきの人が数人いたと言ってましたが、その中で、今、話せそうな人はいますか?

GM:2人います。団長の部屋の前で、鞭を持って、「ここから先は無しだぜ?」みたいなことを言った、猛獣使い。

バロン:おお。

GM:もうひとりはナイフ投げです。ナイフをジャグリングしながら、邪魔するように立ちます。

ソウジ:猛獣使いにナイフ投げか。猛獣使いに近寄って、話し掛けましょう。「ちょっと話があるんだが、いいか?」

GM:彼の名前はグレイと言います。「ああ」

ソウジ:「『あの計画』について、詳しく話を聞かせてもらいたいんだが」

ディ:!

GM:「知らないな。何の話だ?」と、明らかにとぼけます。

ソウジ:「そうかー。それは困ったなー」とわざとらしく、いかにも困った風をして、地面を見て、「あっ。グレイ。こんなところに財布が落ちてたんだが、もしかしてきみのじゃないか?」と言って、賄賂を渡します

ディ:すごい! ニッポンテックの世界法則を使いこなしている!

GM:はーい。説明しまーす。ニッポンテックの世界法則のひとつ、陰謀の法則。世界法則というのは、万有引力の法則とかと同じように働く、世界のルールです。ゲーム的に言うと、1.〈隠れ身〉に+3のボーナスが乗ります。2.〈トリック〉する場合、+3が付きます。3.嘘をついて相手を〈魅了〉する際に+3。または、真実を隠しての〈説得〉に+3。そして、賄賂を送ることにより、〈説得〉に+3のボーナスが得られます。さらにこれは、重複します。なので、真実を隠して〈説得〉し、お金を払うと+6。

ソウジ:じゃあ、3万円ぐらい落ちてた、と嘘をつきましょう。「そこそこ大きな金額だし、誰かに預かってもらうのがいいと思うんだが、よかったら、きみが預かってくれないか?」

GM:「そ、そうだな。俺が預かって、後で団長に渡しておこう」

ソウジ:「ところで、話の続きがしたいんだが、構わないかな」

GM:では振ってください。+6で〈説得〉です。

ソウジ:はーい。(コロコロ)11。ポシビリティを使います。(コロコロ)3。10扱いなんで21。さらに“ヒーロー”カードを使います。(コロコロ)14、35。+10ってことは、24、+6で達成値30。効果てきめんって感じかな。

ディ:まさに、お札で顔をはたいてあげたような。

GM:は?(笑)その数字だと、犬と呼んでください、のレベルに若干なりつつありますけど。な、何でも喋るよ。「(小声で)じゃあ、これは手付けってことで」

ソウジ:「勿論。これは落とし物だからね」

GM:「おいジャック!」ナイフ投げに声を掛けると、「こいつに、話つけてくるから、ここを見張っててくれ。ちゃんと言っとくから!」って言って、移動します。「で、何だい?」

ソウジ:「団長らが話していた、『あの計画』とやらに興味がある。知っていることがあったら話してくれないか」

GM:「いくつかあるらしいが、ひとつは、アレだよ、どこから来た話かは知らねぇけど、実は、ファラオを、コレしよう、って話があるんだ」(親指を下に向ける)

アン:ほうー。

ディ:ファラオ暗殺計画か。

ソウジ:「そいつはまた、大きな話だな」と言って、「他には?」

GM:「どうも、団長は密輸をしてるらしくてな。別の国だか侵略者だか知らねぇけど、ヤバいものをやり取りしてるらしい。ここサーカス列車だからさ、変な奴が乗ってても、それはある意味当たり前だし、検問も緩かったりするんだよ。さらに今、ファラオにも呼ばれてるだろ」

ソウジ:「ディアンを警戒していたのは、そのせいか」

GM:「そりゃそうだろうよ。知ってるか? パラディンって、ほとんど外交官扱いらしいぜ」

ディ:そうなんだっけ。

GM:という方が、処理しやすいんで。だって、街中をフルプレートアーマー着て、好きにやらせていただく、っていう立場だと、外交官扱いにしとくのが楽かなー、って。

バロン:確かに。

GM:変な話、ディが何か見つけたら、女王まで話が伝わって、一撃で外交問題になるんですよ。

ソウジ:なるほど。それは警戒しますね。つまり、ディアン自体がどうこうというよりは、アイルと揉めるのが嫌だから見つかりたくない、という理由だった。
 

「これって、相反するじゃん?
 ファラオのご意向で呼ばれた俺たちがファラオを殺っちゃったらさ、わやになるだろ」

 猛獣使いグレイの言葉に、ソウジはスッと目を細める。
 サーカス団に潜り込んだニッポンテックのエージェントとして、何が起きれば得で、
 避けなければいけない事態は何か。
 

GM:あなたにはわかります。ファラオが、殺されてくれるんだったら万々歳なんですけど、今の段階でただザックリ殺られても、何のフォローもしないと、ただただ大変なことになる。

バロン:他のハイロードがナイルいただき! とか?

ソウジ:ニッポンテックとしては、ファラオが死ぬのはいいことだけど。

GM:うちに都合のいい状況になってから死んでくれないかな、です(笑)。できれば今のところは平和にしたい。何でかって言うと、石油の輸出関係があるので、ナイル帝国に混乱されると大変困るんですよ。

ディ:ニッポンテックは、この機に乗じて、金を稼いでるから。

GM:さらに、ニッポンテックがダメージを受けると、ニッポンテックが進出してる、色んな国々も困ることになります。

ソウジ:なるほど。

アン:あと、今ナイルが滅ぶと、多分、ナイルにいる人たちは、リアリティの変化に耐えられない。

GM:そう。彼らは、ポシビリティを奪われて、ナイル帝国のリアリティに変身してるんですけど、バリアをぶっ壊して、元の地球に戻そうとする時、ポシビリティが空っぽの人は、「ナイル帝国の人なんていませんよ」って、存在を否定されて、押し潰されちゃうんです。

ディ:燃え尽きて死んでしまう、と言われています。

GM:なので、ストームナイトが偉業を起こして、みんなに希望を与えることが必要になります。ナイルから地球に戻った時に、「俺たちは、明日からも生きていけるんだ! よし、もっかい地球人として頑張るぞ!」となっていないと、死ぬ。

アン:つまり、下剋上は偉業の後。

GM:そう。ストームナイトは世界各地で希望(ポシビリティ)を与えながら、味方を増やして、だんだん領土を奪い返していって、みたいな戦い方をしています。

バロン:なるほど、だから偉業が必要なんですね。

アン:裏を返せば、このファラオ暗殺計画は、ストームナイトが立てたものじゃないね。
 

 ファラオが倒されてくれるなら、それ自体は歓迎すべきことだが、
 現時点ではデメリットの方が大きい。
 彼はナイル帝国のトップに君臨する純然たる悪人だが、
 ストームナイトの本分を果たすなら、今は逆に、彼の生命を守らざるを得ない。
 

ソウジ:「その話がどこから来たかは知らないと言ったが、団長ではない、ということか?」

GM:「うちで主導してるのは団長だよ。ただ、団長が自分で考えたのか、誰かから頼まれてるのかはわからない。うちの中にも何人か、能力に目覚めた奴がいるし」

ソウジ:「因みに、これは個人的な質問なんだが、きみは計画に賛成しているんだな?」

GM:「反対はできねぇな」

ソウジ:反対はできないっていうのは、渋々みたいな感じ?

GM:目には、長いものには巻かれろ、って書いてあります。

アン:このままだと、長いものに巻かれて消えるんだけどね。

ソウジ:「上の者には逆らえない。つらいことだな・・・」(笑)

ディ:今、すごい実感こもってた。

ソウジ:遠い目をして言って、急にふっと優しい顔になって、「きみとは是非仲良くしたい」

アン:あれ、おかしいな、プレイヤーの心のHPが減っていくぞ(笑)。

GM:「なんなら後ろの車両も見てみろよ。ヤバい荷が積んであったり、もしもの時の戦力も置いてあったりするらしいぜ」

ソウジ:「ありがとう。そちらも引き続き、調べる必要がありそうだ」と言って、一旦戻ります。

 
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