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TORGリプレイ

『Samurai Showdown!!』

 

第一幕

 
シーン2 緊張の夏

 
 煌びやかだが、それでいて下品ではない。
 他とは比較にならぬほど豪華な屋形船が、隅田川をゆっくりと進んでいく。

 ユウイチは、屋形船を借り切りにした金輪龍一の大盤振る舞いに感嘆しつつ、
 並べて浮かべた愛機の運転席で、うな重と揚げたての天ぷらに舌鼓を打っていた。

 リリアンは、目の前を通過する屋形船を、川岸から、何の気なしに眺めていた。
 

GM:服はどうします?

リリアン:普段通り。

ソレイユ:「え? ゆかた、きないんですか?」

リリアン:ソレイユだけ着せる。

ソレイユ:「わーい♪ かみのけって、こうやって、むすぶんですよね?」

GM:お祭りの屋台とかもいっぱい出てるし、綿菓子買って、お面とかも買うのかな。

リリアン:でしょうね。水風船をパシパシやりながら。

GM:ソレイユは、びよーん、びよーんって振り回そうとして、えらいことになる。「そういう風に遊ぶものじゃないんだよ、お嬢ちゃん」って言われる。

闇影:幼稚園児、絶対一回はやるよね。

リリアン:で、ゴムが切れて、パチンって飛んでいく。

ソレイユ:「あっ! ああー・・・」

GM:「単分子ならいいのに」(笑)

リリアン:「こらこらー」グリグリグリ、みたいな。で、普通に花火見てましょう。

GM:そうすると、2人可愛いから、すっげぇ周りはザワザワするし、声掛けてくるのもいるし、大変ですよ。「可愛いお姉さんと、妹さん?」みたいな。

リリアン:大丈夫。声掛けられないように、微妙な雰囲気の〈威圧〉出しとくから。(コロコロ)17。

GM:それ、ナンパのプロでも来ない。前から来る、肩いからせた兄さんが、避けて通る(笑)。あ、マジすみません。

ディアン:姐さん、ゆっくり花火見てってください。マジすんません。

GM:目の前に何故か、とてもいい位置が(笑)。

リリアン:いいですねー、ニッポンの夏は。

GM:ひゅーーー、パーン! ということで、花火を見物しています。一方、ユウイチさんは、何々を食べたいって言うと、近くの、調理室のある船の方から、持ってきてくれます。

ディアン:すごい、お大尽だ。

ユウイチ:それは、ねぇ。接待ですし。

闇影:金品の授受という観念を理解できる人が、この人しかいない。

GM:ので、しょうがないんですね。3人分食ってるようなものですからね。川を渡る風が気持ち良く、遠くでパーン! と鳴り響く花火の音も、心地良く。浴衣美人さんもいっぱいいるし。

ユウイチ:浴衣美人。(川岸に視線を移し)どっかで見た人がいる。見なかったことにしよう。

リリアン:にっこり。

ユウイチ:目が合ったかもしれないけど、 見なかったことにする!

リリアン:後で報告ね?

ユウイチ:怖い! 後で怖い!(笑)
 

 程なく、屋形船は人でごった返す桟橋に停泊する。

 船に乗り込もうとする、ディアンとマキシムの姿は、見事に対照的だった。
 金茶の髪に緑の瞳の西洋人、ディアンは、浴衣に下駄、手にぶら下げた剣ひとふり。
 黒い髪の元ニッポン人、マキシムは、戦場へ赴く時と全く同じ、魔法の鎧と大剣。
 

マキシム:俺は浴衣は着てこないし、そのまま殺れる姿で来るから。

ディアン:そうなのか。

マキシム:そりゃそうだ。

GM:上座下座は特にありませんけれども、入っていくと、金輪龍一が着席していて。

ユウイチ:うわ。

GM:「どうですか? ニッポンの夏は」と、英語で話し掛けてきますよ。

マキシム:じゃあ、俺はもう、言っちゃうけどね。「どういうつもりだ?」相手に剣を向けて。

ディアン:ちょっと待て!

マキシム:そりゃ当然じゃん。

ディアン:何を考えているマキシミリアン。屋形船の中だぞ。

マキシム:ああ、そっか、当然、人が周りにいるんだよね。

GM:いますいます。花火大会全体では、何万人って人出ですし、川べりにも人がいるし、この船にも、一般の人が乗っています。

マキシム:俺はそこまでバカではないな。剣を抜くのはやめよう。帯刀はしてると思うけども。

GM:では、係の人にこう言われますよ。「よろしければ、その御差しのものは、入口でお預けいただいて、奥の方へお通りください」

マキシム:・・・・・。

GM:「ニッポンでは、胡座をかいて、飲み食いなどしますから、腰のものは邪魔でしょう。お預かりしましょうか?」

ディアン:「いや。オレたちの、すぐ届くところに置くから、大丈夫だ。オレたち戦士にとって、剣は、何より大切なものだ」

GM:なるほどなるほど。そうすると、一番奥から、「あまり失礼があってはいけませんよ」という声があって、「どうぞお座りください」

マキシム:すげぇムカつくな。

ディアン:振り返って、マキシミリアンの目をたっぷり5秒見て、頼むから解れよ、っていう、アイコンタクトをして、もっかい向き直って、座ります。さすがにおかしなことしないだろ。

マキシム:俺はでも、知らん顔するよ。

ディアン:・・・この野郎!(笑)
 

「無礼講でまいりましょう」
 金輪龍一の言葉を待っていたかのように、マキシムが切り込む。
「どういうつもりだ?」
 

GM/金輪:「近々香港に起たれると伺っていますので、ニッポンを楽しんでいただこうと思い、一席設けさせていただきました。先の御前試合での活躍は、私も拝見いたしました。さすがにお強い」

マキシム:・・・気に食わん。

GM/金輪:「まずは一献、傾けていただいて、忌憚のないご意見を聞かせていただければと思います」

ディアン:「カナワ殿。オレたちが、このような招待を、受ける理由は、何だ? 御前試合の時、確かにオレは、カナワ殿に助けてもらったが

マキシム:!

ディアン:「が、このように、宴を開いてもらうほどのことは、していない」

GM/金輪:「宴というほどのものではありませんよ。私も、いち民間人として、ストームナイトの皆さんにお世話になっていますからね。人々の感謝の代弁をしているにすぎませんよ。まぁ、一個人としては、ご高名なお二方とお近づきになれたなら、という、ミーハー的な思惑も、ないわけではありませんが」

マキシム:あーもう! 俺、我慢できないな。剣抜いちゃうけど。

ディアン:こら! こら!

GM:では、剣に手が掛かるか? ぐらいのところで、カメラがキューンと移動すると、もう一隻、明らかにチャイニーズな感じの、昇り竜とかついてる屋形船が、すーっと通ってくわけですよ。 パーン! って花火の音がすると、ふすま越しに影が映って、お酌を受けるドジョウひげが(笑)。「ま、ま、一杯」みたいな。

闇影:ウー・ハンと武器密輸業者ですね。っていうか、わざわざ大っぴらに、密輸をやるのが、ナイル帝国。

GM:これから、あーだこーだ喋るんで、闇影さんは、好きに登場してもらって構いません。

闇影:とりあえず、隠行の奥義を。(コロコロ)〈武道〉で、36。

マキシム:どんだけ忍んでるんだ。

GM:高けぇなー。一応、ニッポン製の、防音の効いている船なんで、会話自体が完全に聞こえるわけではないけど、単語単語は聞こえると思ってください。

闇影:いや、聞こえますよ。いつの間にか横に座って。

GM:横かよ。

闇影:一緒に食べてる。

ディアン:ウー・ハンが食べようと思うと、「ん?」空っぽ。

闇影:熱々のやつを食べようとしたら、いつの間にか冷えたやつに変わってて、「あれ?」

GM:凝ったことしてんなー。

リリアン:逆だよ。冷えたの食べようとして、「熱っちぃーーー!」(笑)

GM:ダチョウ倶楽部アルか!

闇影:ってやってるところで、「どうかしたのか」

GM/ウー・ハン:「はっ! こ、この声は、どこアル!」

闇影:「何を言う。二刻ほど前から、お前たちの前にずっといるではないか」と言って、すーっと現れて、完全にくつろいでお酒飲んでる(笑)。

GM/ウー・ハン:「貴様! 何者アル!」

闇影:「ふん。見て解らぬか。正義だ。お前たち悪党を打ち砕く、な。ふはははははは!」

GM/ウー・ハン:「おのれ闇影ぇ!」

リリアン:知ってんじゃねぇか。

GM:ニッポンの人が、え、今、何で名前訊いたの? みたいな顔を(笑)。あと、ただ飯食ってんじゃん、こいつ。何、二刻ほどゆっくり酒飲んでんだよ! みたいな。

リリアン:ひとしきり堪能して、腹いっぱいになった。じゃあもう帰るわ、的な。

闇影:「うむ。腹もくちくなったし、話も充分に聞いた。さて・・・」ボキボキボキ。

ユウイチ:どっちが正義か悪か、わかんねぇ。

GM:「貴様、無銭飲食だぞ!」「なんという悪アルね! 盗み聞きの上に、無銭飲食!」

マキシム:悪党に言われてるぞ。

闇影:「ふん。細かいことは気にするな」

GM:こいつ最悪だ!(笑)「ええーい、出会え出会えー!」

ディアン:(闇影に)今日も絶好調ですね。

GM:といったところで、戦闘シーンに移ります!

 
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