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TORGリプレイ

『STORM』

 

第一幕

 
シーン3 Too Much Hope Deceives

 
港からアジトまでの道中、人の気配は殆どなかった。
かつては賑やかな港町であったと思しきラーンの町には、死の瘴気が漂っている。
まずは、このどんよりとした空気の理由を、調べる必要がある。
 

トマス:じゃあマスター。教会に行きます。

GM:教会に行くとね、おばあさんが祈りを捧げているよ。

トマス:全く無視をして、「牧師はいないのか」と。

GM:じゃあ、ふっと顔を上げて。

トマス:「あ、すいません、お邪魔しました」

GM:「いえいえ。この町にお客さんが来るなど、ここ数ヶ月なかったものですから」

トマス:「すいません。ビジネスの出張でして。この町の、神父さんか牧師さんは?」

GM:「逃げてしまいました」

トマス:「そうですか。致し方ありますまい。そんなものです、人間というのは。私は、行く先々の旅の教会で、聖書を集めているんですが、こちらに残っている聖書などで、私が持ち帰ってよいものはありますかね?」

GM:「それでしたら」と言って、出してくれますよ。

トマス:「痛み入ります。お礼ついでに、と言ってはなんですが、台所もありますし、どれ、私の方でお茶でも淹れさせていただきましょう」

GM:「ありがとうございます」と言って、あなたのお茶を、楽しんでいますが、ぼそっと一言、「どなたかは存じ上げませぬが、早く去られた方がよろしいでしょうな」

トマス:「それはその通りでしょうね。一体、何が起きて、どうなっているのです?」

GM:その老婆が知る限りだと、さすがに‘暴風王’の名前は直では出てきません。が、この町に大きい災厄が迫っている、という認識を彼女はしています。

トマス:「アイルですと、こういう時には、地元から英雄のひとりやふたりは起つものだと聞いたんですが、その辺りはどうでしたかね?」

GM:相手の心理を見る判定をどうぞ。難易度はね、下げています。8。

トマス:(コロコロ)ここはポシっときましょう。(コロコロ)+2で成功です。

GM:では、一瞬目を伏せてから、「来てくださればいいんですけどねえ」

トマス:「来てくださればというのは、外から来るのを期待しているんですか?」

GM:! えーと、「わたくしをはじめとして、老人や子どもしかおりませんから。ここは」

トマス:「そうですね。結果的にそうなってしまったように見えますが」

GM:ところで、彼女の所作に、あなたは少しだけ違和感を感じます。その違和感が何なのかを形にできるかどうか、判定を行ってください。《知覚》か《知力》、どちらか高い方でいいです。

トマス:(コロコロ)出目が低めだね、今日は。マイナス5のまんま、ここは達成値5です。

GM:では、何かおかしいな、このおばあさん、とは思う。特徴として、両手に手袋をしています。腰が曲がってない、とても姿勢のいい、品のいいおばあさんです。

トマス:了解。お茶も終わって、片付けてから、「ではそろそろお暇します。最後になりましたが、お名前は?」

GM:「名前、でございますか?」

トマス:「私はトマス・ヨハンネスと申します」

GM:「わたくし、ルフェ(*9)と申します」

トマス:「ファミリーネームは?」

GM:「わたくしなどの名を聞いても、仕方がないでしょう」

トマス:「それは、私の判断だ」

GM:「・・・では、わたくしはこれで」とはぐらかして、彼女は去ります。

トマス:はーい。初手はこんなもんで、大体、何が起きたかも読めてきたと思うんで、後はよろしく。

ウーシン:じゃ、俺やるよー。多分、俺しか行かない場所。パブに行く。

GM:注。今は大体、昼下がりくらい。

ウーシン:昼下がりだから行く。

GM:行くと、客が結構いる。スキンヘッドに墨を入れてて、AKを背負ってる奴が2人。

ディアン:これは、戦える人、のうちの2人かな。

GM:あと、じじいが数名と、所在無さげにしてる子ども。

ウーシン:「おう、すまねぇが、酒は出せるかい?」

GM:「残り少ねぇが、あるぜ」

ウーシン:「ああ、残り少ないのか。だったら、そこの兄さん」って言って、AK背負った若いのに、「港に船がある。俺のだ。あそこに酒積んであるから、持ってきてくれ」

GM:「てめぇで持ってこいよ」

ウーシン:「おいおい、老人を使う気か? 見ろよこの哀れな姿。ちっとは同情しねぇか。飲むんだろ、酒?」

GM:何も言わず、また酒を飲み始めました。彼の態度、いわゆる好意とか反感ってあるじゃないですか。それは5つの態度の中に、入ってません。「無気力」です。

勇人:はいはい。なるほど。

ウーシン:「なんでぇなんでぇ、そんな調子じゃ、その背負ってるのも張子だな!」と言って、カウンター席に座ります。怒るようならば、見込みはあるんだが。

GM:マスターは、ロマンスグレーで、髪を後ろで束ねた、片目が潰れてる男です。ゴトッ。

ウーシン:「ああ、すまねぇな。後で、俺からも奢らせてもらう」

GM:「ああ」

ウーシン:「商売は、意外と繁盛してるようだな」

GM:彼は鼻で笑ってます。彼のあなたへの態度ですけど、好意になりました。

ウーシン:「で、ひとつ訊きてぇんだが。この町で、しばらく前に、何か事件はあったかい? 例えば、ストームナイトを名乗る、血気盛んな若者がポカをした、とか」

GM:本来であれば、〈説得〉で難易度12を要求する内容なんですけど、10まで落としましょう。

ウーシン:了解です。(コロコロ)おう、1だよ。リンクは切れないので、ポシで振り足します。(コロコロ)ダブル(笑)。

勇人:極端ー。

ウーシン:21足す、(コロコロ)ははははは! 3回の出目が1、20、1。達成値19まで行きました。

GM:マスターは話し始めます。「パーシヴァルってのが来たんだ」

ウーシン:「ほう。ご大層な名前だね」

GM:「なんでも、聖騎士ってやつだ」

ディアン:うわ!

勇人:うん。名前負けしないように頑張れよ、って感じだ。

ウーシン:まぁ、そういう名前だな。「何やった?」

GM:「ヴァイキングの‘暴風王’って、かなりヤバいのが今、海を荒らしてるらしいな。あれを討伐しに、そいつは城からやって来た。海の厄介な暴風を、討ち果たす騎士、っつーんで、町のみんなで出迎えたんだ。そいつは俺たちに言ったさ。『終わったらみんなで祝杯でも上げよう』と。結果、どうなったと思う?」

ディアン:・・・・・。

GM:「この町の外れのあばら屋にいる」

ウーシン:「後で、うちの力持ちに、訪ねて行かせるよ。ところで兄さん。その目は、何の代償になくしちまったんだい?」

GM:「俺は、あんたの足のことを何も訊いていないよな?」

ウーシン:「ああ、そうだったな。悪い悪い」

GM:ただ、あなたは、無気力な若者に対して、彼が好意的になる反応を示しているので、言ってくれます。「昔な。やんちゃやってた時期があった。あの若ぇガキ見てるとな、いい加減、イライラしてくるんだがな、もう、俺はあんなのは懲り懲りだ」

ウーシン:なるほどねー。とりあえず、戻ったらみんなに、「町外れに、こんなのがいるらしいんだけど」って話をしよう。で、ひょっこひょっこと船に行って、お気に入りの紹興酒を1本持って、パブの入口にゴンと置いて帰る。

 
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